「安易な除籍は行わず」 奈良県立民俗博物館、保存方針決まる

奈良県立民俗博物館の敷地内に増設されたプレハブ倉庫。籠や農具など大型のものが収められている=奈良県大和郡山市で2024年7月19日、山田夢留撮影 拡大
奈良県立民俗博物館の敷地内に増設されたプレハブ倉庫。籠や農具など大型のものが収められている=奈良県大和郡山市で2024年7月19日、山田夢留撮影

 奈良県立民俗博物館(大和郡山市)の収蔵資料の保存方針を決める有識者委員会は19日、譲渡や廃棄の前提となる「除籍」についてのマニュアルをまとめた。収容能力を超える資料を抱える状況を踏まえたもの。他施設への譲渡を優先して廃棄は最小限としたうえで、著しい損傷や修復不能な破損などがあるものについては廃棄の候補とする基準を定めた。

 ほかに除籍の候補として、体験学習などに活用できる資料や県内の他施設に譲渡することで適切な保存や活用が期待できる資料を挙げている。マニュアルには「安易な除籍は行わない」と明記した。

 除籍候補の選定は館長の指示により、学芸員らの検討会で行う。候補資料のうち妥当でないものは除外したうえで、活用、譲渡、廃棄の3候補に分類し、譲渡候補も譲渡先が見つからなければ、廃棄対象になる。

 最終的な活用、譲渡、廃棄は館長が決定し、資料目録や除籍理由などをホームページで公開。報告書を作成することにしている。

 委員長を務める日高真吾・国立民族学博物館教授は「除籍や廃棄が明示されたマニュアルの先行事例はいくつかあるが、除籍の後に、資料の2次的な活用を考えたものはあまりみられなかった。他の博物館にも参考にしてもらい、ベストな考え方を見つけてほしい」と話した。

 県立民博は収蔵品が増えすぎて保管場所が足りなくなった影響で2024年7月から展示室の公開を休止。資料の収集や除籍の基準を決める有識者委員会を発足させた。【山口起儀】

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