18日の参院予算委員会で、大学の理工系学部で女子学生を増やすため出願者を女性に限る「女子枠」を巡り、議論が交わされた。日本維新の会の佐々木理江氏は「公平性を損なう」などと問題提起した。高市早苗首相は「入学者の多様性確保に向けた取り組みが進んでいくのが望ましい」と述べた。
2026年入試では国立大学81校中、38校と半数近くが女子枠を導入した。佐々木氏は「私が調べたところ、導入している国公立大学は2年で2倍になっている。京都大では定員割れする学科が発生するなど、これまで難関とされた大学でもこうした事例が起き、さまざまな議論が起きている」と指摘した。
佐々木氏「男子の不満や女子のレッテル」
佐々木氏は女子枠導入に関し「合理的な説明ができるのか疑問に感じている」と述べた。「日本の理工系女子比率が20%と低いのは事実だ」とした一方で、「多様性を理由にした女子枠は、入試の根幹でもある公平性を損なう恐れがある」と指摘した。「性別という努力で変えられない属性で合否が左右されれば、能力主義を否定し、努力を重ねてきた男子への逆差別にもつながりかねない。本来評価されるべきは将来性であり、性別のフィルターは『女子は下駄を履かせないと合格できない』という偏見を助長しかねない」とも語った。
さらに「理系に進む女子が増えない理由は、(入試という)入り口の問題ではなく、卒業後のキャリアが魅力的に映っていない点にある。将来像が描けないまま入り口だけを広げれば、男子の不満や女子のレッテルが生まれ、新たな不公平を招く」と主張した。
女性の政治進出にも言及。女性議員数を増やすために議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」導入などを挙げ「単に女性候補者を優遇する仕組みに本当に意味があるのか」と疑問視した。そのうえで、首相について「日本で初めて女性首相が誕生した。首相の実力でその地位を勝ち取った。女性として大変誇らしく感じた」と述べ、女子枠についての所見を尋ねた。
首相「このような取り組みをしなくても」
首相は「大学入試は元より公平公正に行われることが必要だ」と述べた。「政府の第6次男女共同参画基本計画では、女子学生・生徒の理工系分野の選択促進のため、理工系分野における女子を含む入学者の多様性確保に向けた大学等の取り組みを促進するということになっている」と説明した。他方、「私としては、このような取り組みをしなくても、特定の性別の人が社会的な格差なく、あらゆる分野を選択できる社会を実現していくことが、本来あるべき姿だと考えている」と述べた。「そうした考え方に沿いつつ、入学者の多様性確保に向けた取り組みが進んでいくのが望ましい」と語った。
佐々木氏は「性別にとらわれないことも、検討のひとつにしてほしい」と求めた。