ライブアルバム『RYUTist ACOUSTIC LIVE』を2023年12月23日(土)にリリースすること、さらに2024年4月20日(土)から春のツアーを開催することを発表したRYUTist。次の季節に向けて、早くも動き出しています。そのRYUTistの宇野友恵さんによる本にまつわる連載が、〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉です。今回は、友恵さんが今年出会って最も入れ込んだあのバンドとラーメンの思い出について。友恵さんのライフワークになりつつある〈新潟の⾷〉にも深く関係した回になりました。

2023年も〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉をお読みいただきありがとうございました! 友恵さんも1年間の執筆、ありがとうございます!! 来年もどうぞよろしくお願いいたします。 *Mikiki編集部

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12月某日。街はすっかりクリスマスモード。

今までクリスマスソングを聴いてこの時期を楽しむなんて素敵なことをあまり意識してこなかったのですが、今年は逆です。
9月に山下達郎さんのコンサートで泣いた“クリスマス・イブ”や、11月にさとねえの〈柴田聡子のひとりぼっち’23〉で泣いたクリスマスソング“涙”を、思い出してはぽ〜っとしていたので、むしろ〈やっときたぜ、クリスマス!〉という気持ちです。

今年はライブを観る機会に恵まれました。
ライブをする側としてはアイドルをやってきた12年でかなりの回数を重ねてきていても、現場で観る経験はそんなにありませんでした。

積極的にライブに足を運ぶようになったのは、やはり夏のサニーデイ・サービスさんの青春狂走旅の影響が強いのかなと思います。
現場で観ないと分からないこと、自分のライブしかやっていなかったら気づけなかったことがあり、実際に足を運ぶって意外と大変で大切なことなんだなとお客さんの立場になって学びました。
純粋にライブを楽しみつつ、アーティストさんによって違う盛り上げ方や魅せ方を吸収して、イメージが膨らんでいくのが嬉しいです。

 

さて、今年最後の連載、どうするか迷いました。
最近はサニーデイ・サービスさん尽くしの連載になってきているので……。
ですが、私にとってサニーデイ・サービスさんとの出会いは今年の重要トピックの一つなのでご紹介させてください!

〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉第29回目は、サニーデイ・サービスさんのベース担当・田中貴さんの「ラーメン狂走曲」です。

田中貴 『ラーメン狂走曲』 ワン・パブリッシング(2021)

 

ラーメンがお好きな田中さんが都内を中心に、各地のラーメン店を取材しまとめた本。
どのお店も魅力的です。Googleマップの〈行ってみたい〉フォルダにラーメン屋さんがどんどん保存されていきます。

ミュージシャンらしく〈この一杯からはこんな音色が聴こえてきた!〉という一軒一枚ずつ選ばれたレコードコーナーもあったので、サブスクにある限りにはなりますが、プレイリストにまとめてみました。

インスタでとにかく行ったお店を紹介している私とは違い、田中さんが取材をするのはご本人が何回か通っているお店ばかり。それも100軒以上。

サニーデイ・サービスさんのツアーがある際は地方のラーメン店を巡るスケジュールも組んでいる模様です。私の第一印象として、多くは語らないベースの田中さんという印象があったので、どこに行っても楽しめるフットワークの軽さに驚きました。恐ろしい本物のラーメン好きです。

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私が住む新潟県は、田中さんが日本一のラーメン処とおっしゃる通り、ラーメン屋さんが多いです。
「ラーメン狂走曲」では新潟のタウン情報誌「月刊新潟Komachi」にて連載されていた〈新潟拉麺大学〉も全話収録されています。

新潟生まれ新潟育ちの私でも知っているお店はほんの数軒でした。
Googleマップで場所をチェックしながら読んでいると、コロナの影響や店主の高齢化で閉店してしまったお店もあり、残念。それと同時に懐かしい最初のラーメンの味を思い出していました。

 

宇野家の思い出の味は、新潟市中央区南笹口にあった〈中華飯店 広香〉さんです。

私は4人兄弟の末っ子で、いつから宇野家が広香に通い始めたかは定かではありませんが、物心がついた頃には広香の味が染み付いていました。
縦長の店内にカウンター、テーブル、お座敷があり、お座敷の近くに天井まで届く大きな本棚があった記憶です。「釣りバカ日誌」「ONE PIECE」「美味しんぼ」などが置いてあって、姉が夢中で読んでいるのをまだ漫画の読み方が分からなかった私は時々一緒に眺めたりしていました。

中華そばは、いたってシンプル。細麺のあっさり醤油。
餃子はもっちりしていた気がします。
成長期の兄はチャーハンを追加してモリモリ食べていました。
私はキッズ用のお椀から、丼で一人で食べれるようになった時、大人になった気分で得意げになっていたのを覚えています。

家族の誕生日や、小学校のミニバスの試合の帰り、何もない休日もラーメンを食べる時は必ずと言っていいほど広香でした。
ご夫婦で経営されていて、仲が良く、いつも笑顔で迎えてくださりました。

 

私がRYUTistを始めたことや、兄弟の上京や学業で忙しくなった時期が重なり、あるときから広香に足を運ぶことがパタリとなくなってしまいました。
ほんの1年くらいの間だったと思います。その後、RYUTistの映像スタッフのコバヤシノブヨシさんから何気なく見せてもらったFacebookの投稿の中で広香が閉店していたことを知ったのでした。もう10年前の話です。
衝撃だったけど、当時まだ中学生。それほど事の重大さに気がつけなかったのかもしれません。今になってこんなに切ない気持ちになるとは思いもしませんでした。

様々なお店に足を運ぶようになった今だからこそ、広香がいいお店だったんだなと分かって、恋しくなるのです。
食後に優しい笑顔の奥さんがオレンジジュースを出してくださり、会計時にはペコちゃんキャンディーをいただくまでがお決まりでした。大人たちが飲んでいたのはアイスコーヒーで、気になって一口貰っていたな。初めてのコーヒーは苦かったです。
あれは多分全員にサービスしていたドリンクでした。中華そばはたしかワンコイン。今考えるとお得すぎです。

また食べたいなー、広香の味。

 

「ラーメン狂走曲」を読んで気になったのは〈新潟あっさりラーメン〉の〈元祖支那そば 信吉屋〉さん。
今回の撮影で初めて伺いました。
私の活動拠点・古町からも近い本町にある老舗のラーメン店なのですが、いつもいつやっているのかわからないくらいすぐに終わってしまう人気店です。撮影のこの日も開店の11時から1時間足らずで完売。

支那そば、美味しかった。息が白くなるほど寒い日でしたが、並んで待ってよかったと思いました。気さくにお客さんとコミュニケーションをとりながらテキパキと動く奥さんとラーメン作りに集中されるご主人。
お2人とも、信吉屋でのお仕事を心から楽しんでいるように見えました。毎日の行列の理由が分かりました。

この〈元祖支那そば 信吉屋〉さんの紹介ページで田中さんは、新潟あっさりラーメンを出しているお店は比べてみるとそれぞれ麺もスープもかなり違うらしく〈うーん、「新潟あっさりラーメン」とはなんぞや……。〉と呟いていました。
その後、信吉屋のご夫婦のエピソードがあり、〈この味と、このお二人の笑顔があっての信吉屋。一度や二度来たくらいで、この素晴らしさがわかる訳でもなく、ましてやジャンル分けすることなど意味がない。そんな大事なことに気づかされた一杯。〉
と締めているのに大きくうなずきました。

私の父はこの10数年、自分好みのラーメンに辿り着けていないみたいなのです。
自分で作ったり、いろんなお店に行ったりしながら、いまだあの広香の味を探し求め続けているのかもしれません。父にとっては誰がなんと言おうと広香のラーメンがずっと一番なのだと思います。それはきっと色褪せない家族との思い出と、いつもあたたかく迎えてくださった広香のご夫婦あってのことではないでしょうか。そうであったらいいなという子の願いも込めて。
いつかまた出会えるといいね、お父さん。

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今年も一年、お疲れさまでした。よくがんばりました!
皆さまにとって、どんな年だったでしょうか。

連載を読んでくださっている皆さま、感想を伝えてくださる皆さま、いつもありがとうございます。

まずは無事に今年を終えられそうでホッとしています。
来年、RYUTistは年明けに新曲リリース、そして春ツアーも決まっています。
その日を楽しみに、いろんなアーティストさんのライブを見て感じたことも活かして、今やるべきことをがんばります!
来年もよろしくお願いいたします。

2023年、大変お世話になりました。
皆さまどうかお身体には気をつけて、メリークリスマス! よいお年を!

 


RELEASE INFORMATION

RYUTist 『RYUTist ACOUSTIC LIVE』 PENGUIN DISC(2023)

リリース日:2023年12月23日(土)0:00 各配信サイトにて配信開始
配信リンク:https://linkcloud.mu/900f08af

TRACKLIST
1. Opening
2. センシティブサイン
3. オーロラ
4. 時間だよ
5. PASSPort
6. 春にゆびきり
7. 水硝子
8. ナイスポーズ
9. 青空シグナル
10. a birthday song
11. パーティーを続けよう!
12. 涙のイエスタデイ
13. 神話
14. 黄昏のダイアリー
15. しるし
16. 口笛吹いて

 

LIVE INFORMATION
RYUTist HOME LIVE #346「RYUTistmas ver.23〜イヴの散歩道〜」
2023年12月24日(日)新潟・古町 柳都オレンジスタジアム 地下ライヴスペース ※旧Live House柳都SHOW!CASE!!
開場/開演:17:00/17:30
一般/学割/中学生以下:3,500円/500円/無料(チケット不要)

配信ページ:https://ryutist.zaiko.io/e/ryutist231224
配信チケット:1,265円
アーカイブ視聴:2023年12月31日(日)21:59(JST)

RYUTist TOUR 2024 “春風”
2024年4月20日(土)大阪・梅田 Shangri-La
開場/開演:14:00/15:00
スタンディング一般/スタンディング学割:4,500円(1d別)/1,000円(1d別)
https://t.livepocket.jp/e/ryutist240420

2024年4月27日(土)宮城・仙台 MACANA
開場/開演:14:00/15:00
スタンディング一般/スタンディング学割:4,500円(1d別)/1,000円(1d別)
https://t.livepocket.jp/e/ryutist240427

2024年年5月3日(金・祝)東京・渋谷 PLEASURE PLEASURE
開場/開演:14:00/15:00
全席指定
FC S席:8,000円(1d別)
FC A席:4,500円(1d別)
B席(一般):4,500円(1d別)
B席(学割):1,000 円(1d別)
https://t.livepocket.jp/e/ryutist240503

 

RADIO INFORMATION
RYUTist 東港線もどかしルーム

FM-NIIGATA
放送日時:毎週月曜日21:30~
キービジュアル:本秀康
https://www.fmniigata.com/user/prog/prog_id/436/

 

INFORMATION
元祖支那そば 信吉屋

住所:新潟県新潟市中央区本町通5番町423-7 にいがた人情横丁内
営業時間:11:00~19:00(麺がなくなり次第終了)
定休日:木曜日/金曜日
電話番号:025-228-3436

 


PROFILE: 宇野友恵
2023年7⽉にデビュー12周年を迎えた3⼈組アイドルグループ〈RYUTist〉のメンバーとして活動中。RYUTistとしては〈TOKYO IDOL FESTIVAL〉〈@JAM × ナタリーEXPO〉〈SUMMER SONIC〉などの⼤型フェスへの出演や、新宿ReNYや渋⾕CLUB QUATTROなどでのワンマンライブの開催で経験を積んだ。2021年にRYUTistはデビュー10周年を迎え、8⽉には新潟市芸術⽂化会館で有観客でのアニバーサリーライブを開催して成功を収め、アニバーサリーイヤーを締めくくった。宇野友恵個⼈としてはタワーレコードの音楽ガイドメディア〈Mikiki〉で本を紹介する連載コラム(当連載)を執筆中、近年は新聞や雑誌への寄稿も増えた。コロナ禍に始めたRYUTistのグッズ制作やキャラクター制作、アニメーション動画の制作は日に日にブラッシュアップされており、2023年に⼊ってからは企業とのタイアップでキャラクターを⽣み、キャラクターデザインなどを通して個⼈の活動の幅を広げている。趣味の⾷べ歩きが高じて⽇々の⽣活と新潟の⾷をまとめたInstagramが話題になっている。