第119回歯科医師国家試験の結果
審判の日
2026年1月に行われた第119回歯科医師国家試験の結果が3月16日14:00に公開されました。
合格された方は本当におめでとうございます。
医師国家試験、歯科医師国家試験の合格発表は毎年3月16日となっています(土日の場合は除く)。
毎年同じですが、全体の結果、国公立現役、私立現役の結果を簡潔に記載していきます。
注意(必ずご一読ください)
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全体の結果
正式な結果は厚労省のサイトをご参照ください。
合格者数、合格率
第119回歯科医師国家試験の受験者数は2837名、合格者数は1757名となりました。全体の合格率は61.9%となりました。これは過去最低を記録した115の61.6%につぐ厳しい合格率となります。
歯科医師国家試験は長期間65%未満に合格率が抑制されてきました。しかし、117で66.1%と反転し118でついに70.3%を超えました。ここで皆、歯科医師国家試験はやや緩和傾向にあるのではないか、と思っていたところに今回の61.9%です。合格者数は1757名と、はじめて1800人の壁を越えました。
そう、厚労省は原則的に歯科医師削減方向を撤回したわけではなかったということが明確になりました。
ということは単に過去2年はボーナスタイムなだけだったということになります。その2年間で受からなかった浪人は厳しかったでしょうね。なんと浪人の合格率は前年の44.9%から大幅ダウンで、過去最低の27.8%です。浪人であること自体が大きなリスクであると考えざるを得ない数値です。この感じだと当分浪人には厳しい国試が続きそうです。
現役も国公立が84.7%、私立が78.4%であり、それぞれ4.0%、3.7%とほぼ同じぐらい合格率が低下しました。全ての層で合格率が下がった厳しい試験でしたが、特に浪人に厳しかったといえるでしょう。
受験者数はずっと3000名以上を維持してきましたが、今年は2837名となりました。この受験者数の減少と過去2番目の合格率が合格者数1757名の原因です。
来年度に持ち越された浪人数は1080名+今回不受験組となり、順調に減少していた浪人数が再度増加することになりました。国家試験を受験させずに浪人として放流された学生もいますので、だいたい1150名ぐらいが浪人として来年の国試を目指すことになりそうです。
合格基準
合格基準ですが、現在は2つの領域+必修の3つで判定されます。禁忌問題はありません。以下に119の合格基準を示します。
以下に前回118の合格基準を示します。
118と比較してかなり基準が上がったのがおわかり頂けるかと思います。領域Aは配点が2点増えただけなのに必要な得点は9点アップ、領域Bは配点が11点減ったのに必要な得点は1点ダウンなだけと、領域A、Bともにボーダーの上昇が認められます。
必修問題は80%以上の正答が求められるため、分母である問題数を減らすことを厚労省は明らかに嫌がっています。そのため、不適切な問題も一般的には削除せずに正解した人はそのまま、不正解だった人のみ問題数を削除という手を使います。しかし、今回必修が3問純粋に削除され全体で77問になっています。必修問題に明らかに難があったということです。
削除、解答が複数問題
削除問題、複数回答問題は全部で22問でした。
最近の削除問題数は118では18問、117では12問、116では15問、115では19問、114では20問、113では12問でした。22問はここ数年では過去最高であり、問題の質がかなり悪かったと考えられます。自分が問題をみた際に削除になりそうと思った問題が削除になっていませんでした。つまり22問より実際はもっと多くの問題で不備があったが、あまりにも多すぎるのでこれ以上削除、複数回答にできなかった可能性があります。
毎年揉める必修は11問で、去年の5問よりはるかに増加しました。前述したとおり、必修は3問が純粋に削除されました。また、必修で複数の選択肢が正解になったのが3問であり、必修80問のうち最低6問は不適切な問題であったと言えるでしょう。これは多すぎると思います。チェックが甘すぎると言われても仕方がないでしょう。
去年も一部の分野で不適切な問題が多く、質があまりよくないと思いましたが、今年は遙かにそれを超えてきました。今年の問題は本当に練度が低すぎると思います。各大学から相当な疑義が出されたようですが、その疑義にしっかり答えずゴリ押した結果になったようです。出題者の先生方は、本当に複数の教科書や成書、勿論過去問などを確認して出題されているのでしょうか?過去問との整合性がとれていない問題も認められました。
各大学別の結果一覧
大学別の結果は以下の通りです。これだけだと非常に見づらくなりました。あえて大学がずれて見えるようにしているんじゃないかと疑わざる得ないです。
ここからは新卒の合格率にフォーカスを絞って結果をまとめていきます。国公立はともかく、多くの私立大学では国家試験を受験する学生を絞って、合格率を良く見せようとする傾向があります。浪人と合わせた総数では、そういった状況がよくわかりません。なので、ここ最近の大学の状況をみるためには新卒の受験状況を見る必要があります。
なお、数字にミスがある場合、ご指摘頂きますようお願いします。
新卒の結果(国公立)
厚労省が発表した国公立の結果を見やすくしました。118では全ての大学が80%を超えましたが、今回は多くの大学が合格率を下げる結果となっています。むしろ上がった大学を探すのが難しいです。
厚労省はトップとかそういう表現はやめるように言ってますので、詳しい事は言いませんが、何かを基準として並び替えました。去年は合格率90%を超えたのが6校でしたが、今年は2校にまで減少しました。ここ数年高い合格率であることが多い岡山と鹿児島がトップ2でした。全体的な合格率がかなり下がった中で90%を維持できたのは、素晴らしいことだと思います。特にこの2校は留年率も低くほぼ全員卒業のため、6年ストレートで歯科医師になれる確率は今年もかなり高いのではないでしょうか。
以前は北海道、新潟、科学大などの合格率が高く、東高西低の傾向が認められていましたが、この傾向は完全に崩れてしまっています。最近は西日本にある岡山や鹿児島が比較的安定した合格率をキープしています。
ただし、以下の表を参照していただければわかりますが、国公立は私立ほどの国試対策を行っておらず学生任せのため、年により大きく合格率が変動することがあります。鹿児島や岡山もつい数年前に国公立最下位になったことがありますので注意が必要です。
その中で、数年間低空飛行を続けているのが徳島です。何か他校と差をつけられる決定的要素があるのではないでしょうか?
また九州歯科も以前のような安定感がなく80%前後を維持するのが精一杯という感じです。残念ながら、この2校は変動が激しい国公立の中でも負け組となってきているように感じます。
いくつかの大学で国家試験出願前に卒業試験が終了しており、国家試験出願の人数が削減されている大学が複数存在しています(たとえば長崎)。これにより合格率が多少プラスされた可能性があります。ただし、その人数は私立よりも圧倒的に少なく休学などと区別がつきませんので、今回は割愛いたします。
国公立新卒まとめ
①多くの大学で合格率が下がった
②西高東低の傾向が強まっている
③鹿児島、岡山は強い
④徳島、九州歯科は国試の合格率は毎年厳しい
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歯科医師国家試験の結果
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