JR貨物が石油運ぶ臨時列車 元売りが要望、高騰見込み在庫積み増し
JR貨物は18日、石油を運ぶ貨物列車を臨時で増便したと明らかにした。イラン攻撃による原油価格の高騰や需給の逼迫で、石油元売りによる在庫の積み増しがあったことに対応した。関東から東北や北関東などに9本を臨時運行し、さらなる運行も検討している。9〜17日の輸送量は前年よりも1割ほど増えた。
JR貨物の犬飼新社長が18日の定例記者会見で明らかにした。13日から18日までで9本の列車を臨時運行して8263キロリットルを運んだ。通常運行の列車を含めた9〜17日の石油の輸送量は、前年の同期間と比べて8%ほど増えたという。
石油元売りによる要望を受けたもので、原油価格のさらなる高騰を見込んで在庫を増やす狙いとみられる。
犬飼社長は「先週末ぐらいから当社の石油輸送は前年を上回る状況だ。(元売り会社が)前倒しで石油を買っているようだ」と説明した。同社によると、米国とイスラエルが2月28日にイランを攻撃して原油の先物価格が上昇して以降、臨時運行の相談が寄せられるようになった。
ダイヤ上は運行予定だが、土日は輸送需要がなく、備蓄タンクの従業員が休みのため運休している列車がある。こうした列車を運行に切り替えて対応するため、1〜2週間で設備の用意や従業員の確保は可能だという。
臨時で運行したのは、千葉県や神奈川県にある臨海部の製油所から内陸の備蓄タンクに石油を運ぶ貨物列車だ。福島県や岩手県、栃木県、長野県などに輸送した。さらなる要望が寄せられており、20日からの3連休でも臨時運行を調整している。
石油を運ぶ貨物列車の増便は、寒波など天候による需要増により実施されることがある。JR貨物によると、それ以外の理由は珍しいという。数日で9本も増やすのは「非常に珍しい」としている。
政府はガソリンや軽油への補助金を19日から再開し、1リットルあたり30.2円を補助して店頭価格を170円程度に抑える方針だ。価格上昇や消費現場の混乱を抑える狙いだが、中東・ホルムズ海峡の状況は見通せず、今後も元売りによる在庫確保の動きが続く可能性がある。
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