<主張>辺野古沖で転覆 「平和学習」はき違えるな

社説

曳航される転覆した移設抗議船の「不屈」=3月16日午後、沖縄県名護市(大竹直樹撮影)
曳航される転覆した移設抗議船の「不屈」=3月16日午後、沖縄県名護市(大竹直樹撮影)

沖縄県名護市の辺野古沖で「平和学習」を行っていた高校生を乗せた小型船2隻が転覆し、生徒と船長の計2人が死亡する痛ましい事故が起きた。

転覆したのは移設工事への抗議活動を行ってきた「ヘリ基地反対協議会」が運航する小型船だった。

安全対策が十分だったとは言えまい。学校側の対応も含めどのような問題があったのか。再発防止へ究明を求めたい。

事故は16日午前10時すぎに起きた。同志社国際高(京都府)の研修旅行中、「平和学習」の一環として希望する2年生18人が船2隻に分乗していた。

辺野古沖は米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設工事が進む。海上保安庁によると、現場は辺野古沖の立ち入り制限区域の外側で、2隻は高波を受け相次いで転覆し、女子生徒と船長が死亡、十数人が負傷する惨事となった。

当時は波浪注意報が発令され、海保の船が2隻に注意を呼びかけていたという。業務上過失往来危険と業務上過失致死傷の疑いもあり、運輸安全委員会が調査を始めた。

出航の判断は妥当だったのか疑問だ。抗議活動とは別に、見学者らを乗せることがあったというが、転覆した2隻は海上運送法に基づく事業登録がされていなかった。

そのような船になぜ生徒を乗せたのか。学校側は原因究明へ第三者委員会を立ち上げる方針という。厳しく問われるべきは、生徒の安全対策が十分にとられていたかどうかだ。

抗議船に生徒を乗せることが「平和学習」になるという学校側の姿勢もおかしい。辺野古移設は日米合意に基づく政府方針であり、教育に求められる政治的中立を逸脱している。学校側や管轄する京都府などは検証すべきだ。文部科学省も指導を強めてもらいたい。

現場周辺では辺野古移設反対の活動家らが小型船で激しい抗議活動を繰り広げており、海保の警告を無視して制限区域内に入り込もうとするなど危険な行為がしばしばみられる。

沖縄県の対応にも問題があろう。現場周辺で抗議船が転覆する事故は過去にもあり、危険性は認識していたはずだ。玉城デニー知事は、危険な抗議活動を放置せず、安全対策を講じなければならない。

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