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【冬コミ新刊】2人とみんなの年末【サンプル】/Novel by 翠

【冬コミ新刊】2人とみんなの年末【サンプル】

2,338 character(s)4 mins

書き上げた後、「掃除と料理と餅つきしかしてねえ…!」と頭を抱えた新刊のサンプルです。
年末ほのぼの本。前半:2人で大掃除。後半:衛宮邸にお呼ばれしてわいわい餅つき大会。
後半はややオールキャラ色が強いです。恋人というより夫婦的(?)な槍弓。

※追記 すみません、肝心な情報が抜けていました!
A5 36P 300円 全年齢向け オンデマンド です。よろしくお願いします。

冬コミでは会場到着が遅れ、販売開始が開場約30分後となってしまいまして、大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。

新刊、とらのあな様で通販開始されております。会場販売価格より割高になってしまうのですが、ご検討いただければ幸いです。
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/27/30/040030273050.html

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<前半サンプル>
【大掃除編】

アーチャーの家事は、いつも完璧である。
炊事、洗濯、掃除、その他諸々何をとっても抜かりない。
ランサーも手伝うことはあるが、アーチャー一人で家事をこなしても何の不自由も無い(どころか、仕事を奪いすぎると機嫌を損ねる)ので、労働力提供というよりコミュニケーションを主目的としている。
そんなアーチャーが年の瀬のある日、いつもの黒エプロンに加え、頭に黒い三角巾まで装備して妙に生き生きとした瞳で高らかに宣言した。
「大掃除だ!」
明らかにハイテンションである。
「掃除って、いつもしてるじゃねえか」
「いつも以上に念入りにするから大掃除なのだ。これを怠っては一年が終わらん。ランサー、君にも協力してもらうぞ」
そんなに気合い入れて張り切るようなことなのかランサーにはいまいちピンと来ない。聖杯からの知識も、そういう個人差がある感覚まではフォローしていないらしい。
それはさておき、アーチャーが助力を求めるのが珍しいことには違いないと、ランサーもはりきって協力することにした。
「分かった。何から始めりゃいい?」
「布団干しを頼む。シーツ類は脱衣所だ。私はその間に水回りを」
「了解」
頼まれたとおり、まずは自身のベッドからシーツやらカバーやらを引っぺがし、布団を干す。続いてアーチャーの分に取り掛かって、ふとあることに気付いた。
「…おお」
掛け布団を少しめくり、そこにぼふっと顔を埋めてみた。
「…何をしているんだね君は」
寝室の入り口で、様子を見に来たアーチャーが若干引いたような表情で立っていた。ちなみに、浴室にカビ取りを仕掛けてきた後だ。
「いや、布団ってけっこう匂いが染み付くもんなんだな。これお前の匂いするわ」
「な…」
「一緒に潜ってっと本人の匂いと区別つかな…」
「馬鹿なことをやってないでさっさと干せ」
呆れ声を装ってはいるが、若干顔が赤い。
「今更こういうことで照れるところ、好きだぜ」
「私は、君のそういう明け透けな物言いは気に食わん。それと、さっさとシーツを外してくれ。一組干してからもう一組に取り掛かるより、シーツや枕カバーをまとめて先に外してくれた方が早く洗濯機を回せるのだが?」
「細けえぇぇ!」
「君の手際が悪いんだ」


<後半サンプル>
【衛宮邸編】

「ねえアーチャー、明日の朝、衛宮君の家に来てくれない?できればランサーも連れて。事情はこっちに着いてから話すわ」
凛からそんな連絡を受けたのは、大掃除の数日後のことだった。事情は着いてから話す。つまり着くまでは話さない。何かあるだろうと思っていたアーチャーだが、ランサーを伴って衛宮邸に到着し、庭にずらりと並んだ道具の数々を目にして事態を察知した。
「なるほど、こういうことか」
「え?なんだ、どういうことだ?」
「どうやら、私たちは力仕事に駆り出されたらしいぞ、ランサー」
首を傾げるアイルランドの大英雄は、当然のことながら杵だの臼だの蒸し器だのには馴染みがないらしい。


冬晴れのもと、衛宮邸の庭に住人達+αが集結する。家主である士郎はじめ、セイバー、凛、桜、ライダー、イリヤ、それにアーチャーとランサーという顔なじみのメンバーだ。
士郎、大河、アーチャー以外の面々は、興味深そうに道具を眺めたり持ち上げたりしている。
「ずいぶん原始的で単純な道具ね。こんなのを今でも使っているなんて」
イリヤの呆れ声を耳聡く拾い、大河が胸をそらした。
「ふーんだ。そんなこと言ってられるのも今のうちよー!その原始的で単純な道具から、びっくりするほど美味しいものが生み出されちゃうんだからー!」
杵を持ち上げ、振り下ろして感触を確かめているのはライダー。
「これを打ち下ろせば良いのですよね?」
「私にも貸してください」
セイバーも同じく杵を振ってみる。
「ふむ…。思ったより重いのですね。これを振るい続けるのは難しいかもしれないが…」
魔力を放出すればなんとか、と心の内で呟く。
「どれ、俺にも貸してみな」
ランサーもまた、ぶんっと風切り音を立てて杵を打ち下ろした。
「軽い軽い。片手でもいけそうだ」
「「待った」」
士郎とアーチャーから同時に声が上がる。顔を見合わせた二人だったが、アーチャーが家主に譲るように一歩引いたので士郎が先を続けた。
「それ、力任せに振り下ろしちゃだめだぞ。特に今の三人」
「え?」
なんで?とキョトンとしている英霊たち。
「当たり前だろ。そんな勢いで振り下ろしたら杵が折れるか臼が割れるかだ」
「では、両方とも強化しておくというのはどうでしょう」
「それは無理」
視線で大河を示して囁く。
「第一、力を入れる必要が無いんだ。杵の重さに任せて落とすだけでいい」
「そういうものなのですか」
「そういうもの。今の話も含めて、米が蒸しあがるまでに色々説明するよ。おーい、みんなー」
士郎が声をかけ、簡単な餅つき講座が開催された。
杵の扱い、返しのコツ、つきあがった餅のちぎり方まで身振り手振りを交えて説明していく。
「最後に、食べる時の注意点。いいか、みんな。特にセイバー。餅はのどに詰まらせる危険性が高い食べ物だ。実際に死亡事故も起きている」
「そ、それほどの危険物なのですか⁉」
「ああ、そうだ。決して急いで食べたり大きな塊のまま飲み込んだりしちゃダメだ。注意深くよく噛んで食べること。窒息したら危ないからな。分かったら返事をどうぞ」
はーい、とノリの良い元気な声が響く。

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