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簡単だけど、できないこと/Novel by うみうし@twitter再開

簡単だけど、できないこと

2,753 character(s)5 mins

いきなり5次槍弓にハマり、子育てあーんど妊娠中ではイベントも行けず、1年近くpixivと通販でしのぎを削りまくってたんですが、堪忍袋の尾が切れましたーっっっっっ!!!!
スパーク行き手ぇぇぇぇぇ!!!!!!槍弓!槍弓!!!弓激ラブです!アーチャーが性的に可愛過ぎるのがいかん!!いっつも攻キャラばかり好きになるので、かなり狼狽えてます。
しかし始めての槍弓なのに現パロでランサーがちょぴっとしか出てないですよ

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「お前、その体質いい加減どうにかしろよ。」
 ランサーの溜息と共に吐き出された言葉に、アーチャーは、そうは言っても…としか返せない。治せるものならさっさと治してしまいたい、困っているのは自分も同じだからだ。
 言葉無く俯いているアーチャーを見て、あーもう!仕方が無い!とばかりに頭をガシガシと掻くとランサーは
「俺の理性に感謝しろよ!たく!」
 アーチャーの顎を軽く持ち上げ、軽く音のしそうな口づけをその薄い唇に落として部屋を出て行った。
「子供に手が出せるか!」
 そのランサーの言葉通り、一般日本人成人男性の平均より遥かに鍛えられた身体を持つ筈のアーチャーは、それが嘘の様にちんまりと、小学校高学年位の頼りない身体になってしまっていた。


 ランサーとアーチャーの関係を端的に表すと「恋人」の一言で収まってしまう。
 アーチャー本人に言わせると、「ただの友人」「腐れ縁」。と成るが、これはツンの部分が発する言葉なので、一切無視して貰っても構わない。
 大学が同じというだけで、所属する学科もサークルも違う二人がどうやって知り合ったのか。単に日本人離れしたアーチャーの容姿にランサーが同じ留学生かと英語で話しかけたのが切っ掛けだった。
 シロウ・アーク・アインツベルン・衛宮。ドイツ人の母親を持つが、父親が日本人で二十歳の時、日本では二重国籍を認めない為、父の国を選択したので彼はれっきとした日本人である。
 本当はシロウと発音しないのだが、日本人にはそれが難しくどうしても弟と同じ「士郎」と発音されるのを嫌って、ミドルネームを名乗っているのだがこれまた「Arch」が「アーチ」と読まれてしまい、それが転じて周囲には「アーチャー」と呼ばれ、仕舞には家族にまでそう呼ばれてしまっている。
 それはまあ余談で、とにかく生来の人なつこいランサーと、なるべく人とは距離を置いているが面倒を見るなら最後まで、な、責任感の強いアーチャーがそれなりに仲が良くなるには、それほど時間は掛からなかった。
 が、それから先の展開はランサーの奮闘というか、彼の苦労が忍ばれ涙を誘う物語なのだが今回の話では余り関わりがある所ではないので端折ることにする。
「珍しく会おうなんてメールしてくるからどうしたのかと思ったんだけど……まぁ」
「心配かけてすまない、イリヤスフィール。」
「お姉ちゃんでしょ、今はそう言っても違和感無いんだから、気を使わないで!」
「む、済まない。」
 こういうことね、とニヤニヤと人の悪い笑顔を向けてくるイリヤスフィールと、子供になってしまったアーチャーの姿は余り変わらない。以前にこの姿に成った時、ランサーに子供服を買ってきて貰ったおかげでこうして姉と、彼女が気に入るだろうからいつか連れて行きたいと思っていたカフェテラスでお茶が出来ているのだが。
 説明しても信じて貰えるか心配だったのと、説明よりも実物を見た方が良いだろうと、元の姿に戻る前にイリヤに会って原因を調べてもらおうと思ったのだ。
 こんなことに成るまで、いい大人の今は微塵も信じていなかったのだが、アインツベルンは代々続く女系の「魔法使い」の家系なのだと、寝物語で悪戯小僧のようにこっそり話す父親に目を輝かせて弟と良く二人で聞いていた。
「まあ、男が出来たお祝いに今日は大目に見てあげる。」
 姉の成長が遅く、二十歳をとっくに過ぎた今でも中学生で通る容姿はその所為なのかと今では納と………く……
「は?」
「寝ようとしたんでしょ、男と」
「イ、イ、イリヤスフィール?!」
「お姉ちゃん!でしょ。まったく。だってこの魔法掛けたの私だもの」
 目の前で告げられる魔女の言葉に、アーチャーの脳内のシナプスの伝達速度が追いついていかない。
「昔、冗談半分で私たちの将来の恋人について占ったんだけど、アーチャーだけ同性の恋人が出来るって結果になって、キリツグがすっごい狼狽えたのよ。」
「わ、私だけ……。」
「そうなの、だからキリツグが私に頼み込んであなたに魔法を掛けたの。私としても面白そうだったし。」
 面白そうだからって……しかし、狼狽えまくって娘に頼み込む父親の姿が簡単に眼に浮かぶというのも情けない話ではある。それくらい父親である切嗣の親馬鹿ぶりが身に染みているアーチャーとしてはため息しか出てこない。というか、子供とはいえ人の恋を勝手に占うものではないだろう、しかも人を男を恋人にするという結果を丸っと信じて……いや、当たっているのだが……
「まあ、昔からアーチャーは男にモテてたから杞憂よって一蹴できなかったってのもあるけど。」
 自覚無かったでしょ。イリヤは更に人の悪い笑顔を向ける。
「だから、男と寝ようとした時、相手がホモだったら女に、性的にノーマルでそれでもあなたが好きって場合は子供になるようにしたの。」
 良かったわね、相手の男、本当にアーチャーが好きなんだわ。と続けられ、アーチャーは顔を限界まで赤くするしか出来なかった。
「では、解呪の方法も」
「できるけど、かなり難しいわよ。」
「難しいというだけで、できるのだろう。頼む、姉さん!」
 このままでは嫌われてしまうかも、健康な成人男性なら愛し合う人と抱き合いたいだろう。自分たちは同性なのに、更に抱き合えないとなればそんな男をずっと恋人になどしていられるだろうか。その内、ランサーの気持ちが他に向いてしまうとも限らない。ただでさえ、彼の様な誰にでも好かれる様な男が自分を見ているなどあり得ないのだ、そんな幸福がプラトニックなまま続いていくなど、流石に自己評価は低いが乙女回路を持つアーチャーとて信じていない。
「そんなこと簡単に言っていいのかしら。解呪自体は簡単なのよ。ただ、私たちが出来るかって言うとねぇ……」
 すっかり冷めたテーブルの上のコーヒーをスプーンでグルグル掻き混ぜながら、イリヤは仕方ないかと言葉を続ける。
「キリツグにね『パパ!大好き!』て唇にキスしてあげるの。私と、アーチャーと、士郎が」
 できる?と上目遣いにこちらを伺うイリヤスフィールに、アーチャーは首がちぎれる勢いで横に振るしかできなかった。
「なんだ、その巫山戯た解呪は!あり得ないだろう!」
「だって、簡単にできたら解呪にならないじゃない。士郎だったら頼み込めば人助け馬鹿だからしてくれそうだけど、私は絶対に嫌よ。アーチャーだってそうでしょ。」
 この解呪に決めたとき、キリツグ泣いてたけど。
 と、当時を思い出して人の悪い笑顔をする姉に、アーチャーは空を仰ぐしかできなかった。

Comments

  • そー
    November 3, 2017
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