熊本の長射程ミサイル配備 知事と市長が住民への説明求める

報道陣に公開された地上発射型の国産ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」=熊本市東区の陸上自衛隊健軍駐屯地で2026年3月17日午前9時32分、玉城達郎撮影
報道陣に公開された地上発射型の国産ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」=熊本市東区の陸上自衛隊健軍駐屯地で2026年3月17日午前9時32分、玉城達郎撮影

 有事の際の「反撃能力」(敵基地攻撃能力)となる長射程ミサイルが31日に配備される予定の陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市東区)で17日、熊本県の木村敬知事と熊本市の大西一史市長がミサイル発射装置など関連機材を見学した。地元住民から、説明会を実施しない国の姿勢に批判がある中、両氏は防衛省九州防衛局に対し、住民への説明の機会を設けるよう改めて求めた。

 見学には、両氏をはじめ地元の自治体関係者や自治協議会の役員ら約100人が参加。地上発射型の国産ミサイル「12式地対艦誘導弾」を改良した「能力向上型」の発射装置や、弾薬運搬車などの説明を受けた。

近隣自治体の住民らに公開された国産ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」=熊本市東区の陸上自衛隊健軍駐屯地で2026年3月17日午後1時17分、玉城達郎撮影
近隣自治体の住民らに公開された国産ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」=熊本市東区の陸上自衛隊健軍駐屯地で2026年3月17日午後1時17分、玉城達郎撮影

 防衛省が9日未明に関連機材を駐屯地に搬入した際、県と市へ事前連絡はなかった。7日の報道で搬入予定を把握した木村氏と大西氏は、国に適切な情報共有や丁寧な説明を求めるコメントを出していた。

 見学に合わせて報道関係者の取材に応じた木村氏は「(地域住民が)実際に物を見ながら説明を受けるというのが良い方法だと思う」と述べ、大西氏も「ミサイルが配備されたら破片が飛んでくるのかなどをつまびらかに、できる範囲で話してもらえると住民の安心感も高まる」などと住民に説明する意義を訴えた。

 参加した自治協議会の役員のうち、託麻東校区自治協議会の田中穂積会長(75)は「反撃能力を持つことで、相手が攻撃しないような形にすることは必要だと思う」と一定の理解を示し、健軍校区自治協議会の城戸健次会長(76)は「ミサイルの数では中国にかなわないので友好外交に力を入れてほしい。地元へはさまざまな機会を通し、説明してほしい」と要望した。

地上発射型の国産ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」(奥)の視察を終え、報道陣の質問に応じる木村敬熊本県知事(左)と大西一史熊本市長=熊本市東区の陸上自衛隊健軍駐屯地で2026年3月17日午前9時35分、玉城達郎撮影
地上発射型の国産ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」(奥)の視察を終え、報道陣の質問に応じる木村敬熊本県知事(左)と大西一史熊本市長=熊本市東区の陸上自衛隊健軍駐屯地で2026年3月17日午前9時35分、玉城達郎撮影

 小泉進次郎防衛相はこの日の閣議後記者会見で、一般向けの関連機材の展示説明について、知事からの要望も踏まえ、実施時期などを「適切に判断していく」と述べた。

 健軍駐屯地に配備予定のミサイルは射程約1000キロで、中国東部沿岸や北朝鮮のほぼ全域を収める。【野呂賢治、中村敦茂】

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