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【腐】弓兵のお値段(蛇足)/Novel by 根っこ

【腐】弓兵のお値段(蛇足)

2,553 character(s)5 mins

前回の続き、というか蛇足。思い付いたから書いちゃった。前回にも増して頭悪い話になりました。ちなみに私は槍弓でも弓槍でも美味しくいただく派(訊いてない)ですが、流れ的に今回は槍弓…って言っていいのか微妙な内容です…orz あとほんのり士剣。

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「なぁ坊主…何か割りのいいバイト知らねェ?」
「そんなん知ってたら自分で行ってるよ」
「だよなぁ…」
「まったく、とっとと諦めれば済むことだろうが」
「うっせー、ここまで来たら意地だ意地!」
麗らかな午後、衛宮家の居間では家主である衛宮士郎と共に剣弓槍の三大騎士クラスが勢揃いでお茶を飲んでいた。ぶっちゃけ凄い図なのだが、大概自分も麻痺してきたよなぁ、とへっぽこ魔術師である士郎は苦笑する。
あれからというものどうやらバイト三昧らしいランサーを、意外にもアーチャーが茶ぐらい飲んでいけ、と連れて来た。
どうも節約を兼ねて食事を省いているらしい。サーヴァントに基本的に食事は必要ないが、嗜好品としては十分楽しんでいる節のあったランサーだ。まぁ食事だけでなく酒も煙草も、であったが。
流石に端を発したのが自分であるという罪悪感もあったのかも知れなかった。
ちなみに今日のオヤツはアーチャーお手製ホットケーキ。ミックス粉とか使わない、しっとりふんわり、シロップたっぷりの絶品だ。更に言うならシロップまで手作りだ。棚に国産のケーキシロップしか無かったのがお気に召さなかったらしい。せめて本場カナダのメープルシロップにせんか馬鹿者、とか言われたが、まったくもってよく分からないこだわりである。
大皿に高々と積まれていたそれも、ほとんどがセイバーとランサーの腹へ消え、今最後の一枚がセイバーの胃袋に収まるところだ。美味しいものを食べる時にコクコクと頷きながら食べる癖は聖杯戦争時から変わらない。そして食事中に無駄口をきかないのも変わらずで、すべて食べ終え、甘めに淹れたロイヤルミルクティーを綺麗に飲み干してからようやく会話に参加してきた。
「しかし、凛の提示した金額さえ揃えられれば貴方と本気で打ち合える、と言うのは非常に魅力的な話です」
少しランサーが羨ましい、と騎士王は生真面目な口調で告げる。
「なんだよ、セイバーまでこいつとやりたいのか?」
「ええ、シロウの剣の完成形とも言えるアーチャーの剣には少し興味があります。極めれば私を越える処まで行くのか、試してみたい、と思うのは仕方が無いでしょう?」
「むぅ…」
どうせ今はコテンパンですよ…とややむくれたように士郎が返す。
「勘弁してくれ…君を越えるどころか対等に打ち合えるとも思っていない。剣の英霊に剣で勝てると思うほど自惚れてはおらんよ」
せいぜいが遠距離からの攻撃だが、それすら負けたことだしな、と少し困った顔で言う。
そこまで聞いてランサーが待ったをかける。
「コラコラコラどういう意味だそりゃあ。テメェ俺相手なら勝てるみたいなこと言ってなかったかこないだ。セイバーより弱いってのか俺が?」
「おや、そう聞こえたかね」
「聞こえた、つーかどう考えてもそういう意味だろうが!」
ムカつく!と掴みかからんばかりのランサーをセイバーがまぁまぁ、と制する。
「落ち着いて下さいランサー。それにアーチャーも。万全で打ち合えば勝敗など誰にも分かるものではありません。だからこそやってみることが出来れば、と思うのですよ」
「何だよ『出来れば』ってのは。やってみりゃいいじゃねぇか」
女子のバイト先紹介してやろうか?とランサーの言葉にセイバーはフルフルと首を振る。
「資金の問題もありますが…それより何より、私が本気で力を振るえばシロウに負担がかかり過ぎます。魔力を使い切れば供給はそうそうままなりません。そんなことのためにシロウの手を煩わせたくありませんから」
「セイバー、それは」
「いいえ、シロウ、それは別に不満でも何でもない。私は今のままでいいのです」
ニコリ、とセイバーは幸せそうに笑ったので士郎もそれ以上は言わなかった。
立派なリア充を目の前で展開されたが、ここでリア充爆発しろとか思うほど神代の英雄は心が狭くない。
まぁ、空気を読んで発言を控えたりもしないのではあるが。
「あー、パスが細ぇんだっけ?んじゃ聖杯戦争ん時どうしてたんだよ、宝具使ってたよな?」
「…!…そ、れは…」
セイバーと、その隣にいた士郎までがカァ、と赤くなり、モジモジゴニョゴニョ言っている。
「?」
何を言っているのか分からず、ランサーが首を傾げていると、隣にいるアーチャーが「未熟者が…」と小さく呟いた。
「お?アーチャーわかんの?」
「ふん、パスを通じての魔力が間に合わないのなら他から供給するしかあるまい。つまり人を喰らうか、直接供給するか、だ」
そしてセイバーの性格上、人を喰らうなどあり得ない。
「ちょ…!アーチャー!」
慌てた士郎が弓兵に食ってかかったが、顔が真っ赤では迫力も何もない。
「おー坊主やるなぁ。そうか、てっきり童貞かと思ってたが実は卒業済みかー………ん?」
「どういう意味さ!!」
ほとんど悲鳴のような士郎のツッコミを無視して、ランサーは「おぉ!」と手をポンと打ち付けている。
「おいアーチャー!」
「ッ、何だ!」
「消費した分、供給してやっからよ!嬢ちゃんに内緒でやろうぜ!」
「……は?」
問題解決!と笑顔全開のランサーに詰め寄られ、アーチャーは固まっている。
麗らかな午後の居間に、微妙ーな沈黙が落ちる。
ランサーだけが「ん?」と首を傾げる。
そこにそろそろ…と士郎が手を上げる。顔に冷や汗が一筋流れていった。
「あの…ランサー?供給って……どうやって…?」
「んあ?さっきお前らも言ってたじゃねぇか、直接供給」
俺から、親指を立てて自分を指し、コイツへ、と次いで人差し指でアーチャーを指した。

………ですよねー

思ったけど口に出さずにおいた。
代わりにセイバーが黙ったまま風王結界を展開しだしたので合わせて後ろへ下がる。
「あ………」
「あ?」
「あほか貴様あああああああぁぁぁ!!!」


(この先「やろうぜー」の意味が二重になるんかなーなんてな…ははは)
少し遠い目をしてしまったことは見逃してほしいものである。
とりあえず、居間の修繕費はランサーにツケておこうと心に決めた士郎であった。


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