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今もまだ、/Novel by 粉雪

今もまだ、

2,459 character(s)4 mins

FGO時空両片想いロビエミ。
エミヤが自らロビンに関する記憶を無くす話。

未完ですが、この先思い付いてないのでとりあえず供養です(^^;
うちのロビエミは基本両片想いなので始めはあんまり幸せじゃないです。

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「マスター、もう」
「エミヤ…」
「…この気持ちを忘れてしまいたいんだ。」

何時からなんてわからない。
ただ、恋に育ってしまっただけの私には不必要な感情だっただけだ。
泣きそうになんてならない。苦しくはあるけれど、これを忘れられるならそんなに嬉しいことはない。
「本当に…??ホントに忘れるの?」
「あぁ…」
「あんなに楽しそうで、眩しそうにしてたのに?嬉しそうだったのに、全部…?」
「あぁ…私には、本来不用な感情だ。」
彼と過ごせて楽しかった、胸がドキドキした。彼に料理を美味しいと言ってもらえて嬉しかった。同じようで違う彼を見るのが眩しかった。
確かに、私は彼に恋をしていた。
「胸に穴が開くんだよ?なのにエミヤは、その正体が分からないままなんだよ?」
それで、本当にいいのかと。
何度も何度も、マスターは繰り返し確認する。
マスターの方がつらそうな顔だった。今にも泣いてしまいそうな、そんな。
「私、はイヤだよ…」
「もう、決めたんだ。これ以上は抑えられないんだ分かってくれ、マスター。」
「……そんな泣きそうな顔で言われても大丈夫だと思えないよ、バカエミヤ…。」
これから忘れてしまう恋心にサヨナラをしているんだ。
それくらい許してくれたまえ。
マスターにそう告げるととうとう泣きだしてしまった。
何で君がそんなに悲しそうなんだ、マスター。
「当たり、前でしょ…!エミヤが、エミヤのバカぁ…!」
私のために泣いてくれてありがとう、マスター。
好きだったよ、■■■■■■。ありがとう、これはきちんと恋だった。


「なーんか、前と態度変わってないか?赤マントのやつ。」
「そうなの?」
食堂に居座っているときに何気なくロビンが言った一言。
何故なのか知っている私としては気が気じゃない。
「いつも通り、オカンしてると思うけど…?」
そう言ってロビンの視線の先にいるエミヤを見ると、前と変わらずブーディカさんやキャットたちと片付けをしている。
ロビン感じる違和感はつまり、そういうことなのだろうか。

━━あの後、預かっていた恋心を消す薬をエミヤに渡した。
勿論私は悲しくてわんわん泣いたし、けれどエミヤは困ったように笑うだけで薬を飲んだ。
エミヤが恋をしていたのは私ではないから、何の変化もなくて安心したのだが。

「(恋心が無くなって、けど無意識にロビンを避けてる…?)」
また、恋をしないための本能的な予防線なのだろうか。
それほどに苦しかったのだろうか、あの、恋心は。

「なぁ、マスター。俺が知ってる限りじゃ赤マントの態度が変わる前、最後に会ってたのマスターの筈なんだが。心当たりないです?」
「…分かんないかな、ほらエミヤって隠すの上手いし!」
ロビンに言われて少し身体が揺れた。
心当たり、はあるのだ。私が知ったのは偶然だったけど。
理由は分からないから。
分かっていても、私が言っていいことではなかったから。
だから、嘘を、ついた。ごめんね、ごめんなさいロビン。
でもこれは、教えてあげられない。
エミヤの、大切なものだから。
「……分かっては、いるんすね?」
「…ごめん…」
「それは、俺が悪いことっすか?」
「…ロビンは、悪くない。エミヤも、誰も。」
「教えてはくれないんでしょ?口固いもんな、マスター。」
そう言って、ふ、と笑ったロビンを見て思った。
ロビンもエミヤが好きなんだって。何となくだけど、確かに。
「…ロビンは、エミヤが好き…?」
「何すかいきなり、」
「好きなんだったら、全部…は無理だけど、半分持っていって。」私だけじゃ、抱えきれないから。
「どういうことすか?」
ロビンが訝しげになる。当たり前だ、だって。
だって、ロビンがエミヤを好きだったらこれは。


赤マントの態度がおかしくなった。
何というか、できるだけ関わりたくないような。早く離れてしまいたいと思っているような。そんな態度になった。
だから、マスターに悪いとは思いつつカマをかけた。
そうしたら案の定、マスターは心当たりがあったらしい。
けれど、だとしたらマスターの泣きそうな顔は一体どうしてなんだろうか。

「それで?俺が赤マントを好きかどうかってどういうことすか?」
「…ロビンがエミヤを好きなら話すよ。…違うなら、これは私が抱える。」
事情を聞き出そうとして、マスターに聞いてもこの返答。
何をしたんだろうか、アイツは。
嫌な予感しかしない。
「……好きですよ、少なくとも仲間以上には。」
「…そっか」


笑った顔が思っていたより幼くて、可愛く見えてしまったから。小言が多かったが心配されてるのは伝わっていたから。俺にも眩しそうにする顔をキレイだと思ったから。
だから、
だから、

「はい…?」
嘘だと思いたかった。
けれど、マスターが泣きだしてしまったから。
アイツの態度がおかしくなったから。
アイツの中に、俺は居なくなったのだと。
いや、少し違くてアイツの中で俺は特別じゃなくなったのだと。
「…ロビン」
「何すか?」
「ごめんね…」
アイツの馬鹿な行動を止められなくて。俺の気持ちに気づいてあげられなくて。
そんな意味の含まれた謝罪だった。
俺がアイツを好きでなければ、話さなかったとも言い置いて。

「ホントは、話しちゃダメだったんだろうなって思ってるの。」
でも、俺のアイツに対する目を見てたら言わなくちゃいけないと思った。好きなんだろうなぁ、と思った。
そう、マスターは言っていた。
「…抱えて消してまで俺を特別にしたくないってか。」
きっとそうではないと分かっていてもそう、独り呟いた。
アイツが俺に基本関わらなくなったのは俺への感情を消した後だと知っている。
それまでは言い合いながらも何だかんだと突っ掛かってきていたのも知っている。
果たして。ずっと、あの微妙な距離が続けばいいと願った俺への罰なのか。
アイツが変わって3日目。
今もまだ、この感情の置き場を探している。

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