中田久美監督が選手と激突…転倒アクシデントにも動じず「私が転んだ瞬間から流れが変わったような…」SAGA久光スプリングスが今季30勝目【バレーボール大同生命SVリーグ女子】
西スポWEB OTTO!3/15(日)21:58
試合後にステファニー・サムディと談笑するSAGA久光スプリングスの中田久美監督
バレーボール大同生命SVリーグ女子のレギュラーシーズン(RS)で上位8チームによるプレーオフ(PO)進出を決めているSAGA久光スプリングスが今季30勝目(8敗)を挙げた。
ヴィクトリーナ姫路をSAGAアリーナ(佐賀市)に迎えて行われたホーム2連戦で14日のGAME1をフルセットの末に落としたSAGA久光は、15日のGAME2に3―1で逆転勝ち。安定したトス回しが光ったセッターの栄絵里香主将(34)が今季4度目のPOM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)に輝いた。
SAGA久光の順位は2位のまま。次節21、22の両日はハピネスアリーナ(長崎市)で7位の群馬グリーンウイングスと対戦する。(記録は速報値)
「一番悔しい負け」からの切り替え
攻防一体の形を取り戻したSAGA久光が価値ある1勝をつかみ取った。「選手たちが気持ちを切り替えて臨んでくれました」。中田久美監督(60)が口にした「気持ちの切り替え」―。フルセット負けを喫した前日は2セットダウンから2セットを奪い返すという、形の上では「接戦」ながら、中田監督の捉え方は全く違った。「(就任後)今までの中で一番悔しい負けです。私の中で」と言い切った上で「内容的にはストレート(負け)ですよ」と容赦なく切り捨てた。
前日の敗因は明確だった。サーブレシーブに苦しみ、セッターの栄とミドルブロッカーの荒木彩花(24)のホットラインを軸とした速攻を封じられ、サイドに上がったハイセットは相手ブロックの餌食になった。浮き彫りになった課題から目をそらしては後に禍根を残すことになる。だからこそ、この日の中田監督は動いた。今季は「ゲームチェンジャー」として途中出場での起用が続いていた中島咲愛(26)を「もう一回チャンスを与えるべき」とスタメンでコートに送り出し、北窓絢音(21)とレフト対角を組ませた。
北窓と同様に守備力にも定評がある中島が入ったことでサーブレシーブ、スパイクレシーブともに安定。リベロの西村弥菜美(25)が統率するディフェンスが強固になり、チーム全体のサーブレシーブ成功率は前日の41・0%から、この日は59・4%に跳ね上がった。
攻撃の起点が定まれば、SAGA久光は強い。手品のような栄のトスワークがさえ渡り、相手のブロッカーが翻弄(ほんろう)された。アタックでの2桁得点選手はライト側からの攻撃を担うオポジットのステファニー・サムディ(27)の24得点(53打数)を筆頭に計4人を計上。荒木は85・7%(14打数12得点)の驚異的な数字をたたき出した。
開幕3連敗後、連敗なし
当たり前のことを当たり前にやる「平常運転」の試合運びができたからこそ、第1セットを落としても2セット目以降を落ち着いて取り切った。第3セットの25―25の場面では、コートサイドで指揮を執っていた中田監督がボールを追っていた西村と激突し、倒れ込むアクシデントが起きた。
幸い大事に至らず、チームもセットポイントを握られた25―26のピンチから3連続得点でセットを奪取。試合後に「途中…記憶が飛んでいます」と明かした中田監督は「私が転んだ瞬間から流れが変わったような気が…」と照れた。
今季のSAGA久光は開幕3連敗の後、一度も連敗がない。1敗を悔しさだけで終わらせず、糧にして手に入れた白星。残り6試合のRS後に待ち受けるPOに向けて、エンジンがかかりそうだ。(西口憲一)
SAGA久光の対姫路戦のスターティングメンバー(第1セット)
【14日=GAME1】
■セッター 栄絵里香(34)
■オポジット ステファニー・サムディ(27)
■アウトサイドヒッター 吉武美佳(22)、北窓絢音(21)
■ミドルブロッカー 荒木彩花(24)、ハッタヤ・バムルンスック(32)
■リベロ 西村弥菜美(25)
【15日=GAME2】
■セッター 栄絵里香(34)
■オポジット ステファニー・サムディ(27)
■アウトサイドヒッター 中島咲愛(26)、北窓絢音(21)
■ミドルブロッカー 荒木彩花(24)、ハッタヤ・バムルンスック(32)
■リベロ 西村弥菜美(25)