京都アニメーション放火殺人事件をめぐり、大阪高裁は17日、青葉真司死刑囚(47)による昨年1月の控訴取り下げは無効だとする弁護団の申し立てを退けた。内幕を取材すると、極刑でさえあっさりと確定してしまう日本の刑事司法の「穴」が浮かぶ。
控訴を取り下げた昨年1月27日、青葉死刑囚は大阪拘置所で刑務官と面談し、こう説明したという。
「また『妄想』って言われるなら何のために裁判するのかわからない。それで取り下げたほうがいいと思ったんです」
「妄想」とは、青葉死刑囚が事件直後から一貫して訴えてきた「京アニに作品のアイデアを盗まれた」「盗作は闇の組織のナンバー2の指示」という考えだ。
青葉死刑囚は2024年1月の京都地裁判決で「妄想」と認定されたことに不満を述べ、弁護人を解任しようとした。だが、刑務官からなだめられるなどして弁護人に謝罪し、弁護人に続き自らも控訴した。
弁護団が控訴審で妄想との主張を続けることについて、「清濁合わせ飲まないといけない」と同意していたという。
最初に動きがあったのは、日常的にラジオが聴ける病棟の居室に移って約7カ月たった、24年10月24日のことだ。突然、刑務官に「控訴を取り下げる」と訴えた。
裁判関係者によると、こんなやりとりが続いたという。
刑務官「どういう心境か」
青葉死刑囚「自分は全て120%で目標に取り組みます。こうと決めたら全力で向かいたい人間なんです」
刑務官「具体的には」
青葉死刑囚「昔、悪さばっか…
- 【視点】
本件では、重傷を負った青葉死刑囚を治療し、回復を待って裁判を行うなど、多くの人が努力をし、事件発生から一審判決までに5年半の時間をかけた。そのことを考えると、記事のリードで、日本の刑事司法制度について「極刑でさえあっさりと確定してしまう」
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