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魚屋ニキと猫アチャさん/Novel by 亡霊

魚屋ニキと猫アチャさん

1,027 character(s)2 mins

現パロの魚屋さんでバイトするランサーとランサーにお魚貰う猫アチャのお話。

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私は猫だ。ある日海辺で釣りをする男に出会い、魚を貰った。
その男はたまに釣りをしているようで、他の日には新都のほうでバイトをしているようだ。
今日は魚屋のバイトの日のようだ。見回りを兼ねてその男を観察する。
「いらっしゃい!今朝水揚げされたばかりの新鮮な魚だよ!」
よく通る気持ちのいい声が商店街に響く。
「お、そこのお姉さん!よかったら今晩秋刀魚にしないかい?」
「ふふ、お姉さんだなんて。そうね、もう秋だものね。夕食は秋刀魚の塩焼きにでもしようかしら」
あの男に三人称とは言え名指しされて無視できる者はそうそう居ない。
そりゃそうだろう。青空のように青い髪に白磁の肌。目にはルビーを嵌めたかのように美しい赤色を携えている。
そんなイケメンは声もいい。性格もいい。
だが彼がやっているのは魚屋のアルバイトだ。
あの容姿と声を利用して売り上げを伸ばしている。
…いや、店にとっても売り上げが伸びることは喜ばしいことなのだから悪いことではない。
ただ私がムカついているだけだ。

「まいどありがとうございました!」
くどくどと考えている間に彼に魅了された女性は秋刀魚を4匹買って帰ったようだ。
その彼女の背中を見送っていた男がくるっと回りこちらを見る。
すると、ふ、という笑い声が聞こえそうな顔をする。
不機嫌な顔で睨んでいたのが面白かったのだろうか。私はさらに眉間の皺を深くした。


 * * *

「ランサーくん、そろそろお店閉めようか」
「りょーかいですー。今日もこれとこれ貰っていいですか?」
「うん、安くしとくよ」
「いつもありがとうございます」
あの男は日本人らしくないにもかかわらず「買う」という意味で「貰う」と言っている。ムカつく。
男は買った魚を袋に詰めて店じまいを始めた。


 * * *

「お疲れさまでしたー」
仕事を終えた男は挨拶も忘れない。挨拶は大事だ。礼儀は大切にしなければいけない。
ぶらぶらと歩く男の後ろをついて行く。
「ほれ、おいで」
こちらと目を合わせて言ってくる。
ようやく夕食にありつける。
魚の包みだけを解いて目の前においてくれる。
色々考えて頭が疲れたので早速食べ始める。
「うまいか?」
「にゃぁ」
美味しい、と伝えようと鳴くが、まぁいいように取ってくれるだろう。


「なぁう」
食べれるだけ食べて満足したので終わったと合図する。
「またな」
「にゃー」
また今度、そう答えて踵を返す。

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