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警戒心低すぎるアーチャーさん/Novel by 亡霊

警戒心低すぎるアーチャーさん

2,614 character(s)5 mins

あらゆる地雷への配慮しておりませんので、自己責任でお願いします

ふと書きたくなって書いてみました
天然で変な思考回路してるエミヤが書いてみたかったけどよくわからない
出てくるのはエミヤとクー・フーリンだけ
エミヤ視点で書いてます
誤植とかあったら申し訳ないです

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ある日、家に帰ると見慣れない青い紐が絨毯の上に落ちていた
いや、持ってみたところ紐ではなく髪の毛なのだが…
はて、私の家に青い髪の毛が落ちている原因として考えられるのは私の服にくっついてきたか、もしくはこの髪の持ち主がいつの間にか部屋に侵入していたかになるが…
まあ取られて困るものは無いからいいだろう
それにしてもこんな部屋に侵入したところで盗むものなどなかっただろうに。侵入した人物が少しかわいそうになる
が、そんなこと私の知ったことではない
この髪の毛をゴミ箱に捨ててしまうついでに記憶からも消してしまうべきだろう
さっさと夕飯を食べて風呂に入って寝てしまおう


* * *


朝日の眩しさに意識が浮かび上がってくる
なぜ眩しいんだ?昨日の私はカーテンを閉めて寝なかったのか?貴様のせいで今の私は不機嫌なのだが?何を考えているんだ
そうやって文句を言うがまだ寝ていたい気分なので布団を顔まで引き上げる
あれ?布団を引き上げても上がらない。なぜだ。そんなに私の腕は働きたくないのか?
さらに不機嫌になりながらしぶしぶ目を開けるが、朝日は眩しい
目がしばしばするし、目を開けるのが辛い
すると何かで日の光が少し遮られた
これで目が開けられると思い瞼を持ち上げると、視界に飛び込んできたのは白と青
目の前に美形の男がいた
青い髪に赤い目ってどうなってんだよと突っ込みたくなったが見ず知らずの相手にそんなこと言われる筋合いはないだろう
そういう私も日本人なのに黒い肌に白い髪だからどうなってんだよ、なんて言われても答えようがないのだから彼だって答えられないだろう
でもこうして見つめ合っていると何か聞いた方が良い気がしてくる

「君、なぜそんな綺麗な顔をしている」
「さあなぁ、俺もよく知らねえわ」
「そうか」

終わってしまった
というか綺麗だと言われながら照れもしなかったぞ?
さてはこいつ日本人ではないな?
いやまあ見た目でわかるだろと言いたいのも分かるが最近はハーフとかいろいろいるじゃないか
人を見た目で判断するのはよくないだろう?
それに彼は日本語をとても流暢に操っているし
はっ、ならばやはり日本人か
日本語を覚えるのは難しいと聞くしな
こんな若そうな彼が何年も前から日本で暮らしているということはないだろう

「ちょっとどいてくれないか?」
「おう」

掛け布団越しとはいえ成人男性が上に乗っているとさすがに重い
私が動けないように乗っかっているのだと思っていたからどいてくれると思わなかった
思ったことは言ってみるものだな


きれいさっぱり目が覚めた私はいつも通りに洗面台へ向かい、顔を洗う
洗面台の横にかけてあったタオルで顔を拭う
鏡越しに私の方からこちらを見ている男と目が合う
じっと見つめ合うが、ただ見ているだけのようだったのでそのまま部屋着に着替えに行く


服をタンスから出してベットに置くと、また視界に男が映る
また目を合わせた
貴様はこんなむさくるしい男の着替えシーンが見たいのか?という想いを込めて見つめてみたがこちらの想いを悟ることはないらしい
まあ同性に着替えを見られるくらい構わないのでそのまま着替えることにした


朝は朝食を食べるべきだ
そして今日は時間がある
というか予定すらない
どうせだからちゃんとご飯を作ってしまおう
ということで冷蔵庫の中身を確認し、後ろにいる男へ振り返る

「君も朝食を食べるのか?」
「ああ」
「そうか」

目を合わせるだけで会話のできない男のために言葉にすれば今度はちゃんと返事が返ってきた
だがいちいち声に出さなければいけないの面倒だな
だが言葉は相手に自分の思いや考えを伝えるための手段であるのだから、言葉を使わないというのは言葉を生み出した先人達を侮辱していることになるのではないのか?
それに言葉のほうが目で伝えるより正確なのだから彼より私の方が原始的な方法を用いて、それが通じないからと怒っているなどただ逆上しているやつみたいだな
私だって昔の稲刈りの石包丁みたいなものを渡されて、はい仕事してね、などと言われてもできないし
まあ現代の道具だって使い方など知らないが
そうこう考えているうちにパンが焼け、他のものも出来あがった

「できたぞ」
「おう」

そういえばこの男は全然言葉を話さないな
まさか日本人ではないのか?
やはりそうか、こんないかにも外国人ですみたいな男が日本国籍のはずがない

「いただきます」

え?この男返事以外も出来たのか?
いただきますを知っているのか?
ポーカーフェイスで定評のある私が一秒ほど動きを止めて彼を見つめてしまったが、大口を開けてパンにかぶりついている彼は気付かなかっただろう
外国人が日本人かよくわからなかったから今朝の朝食はパンにベーコン、スクランブルエッグに昨日の残りのサラダだ
どんなに考えても彼が日本人か外国人か判別がつかなかったので、彼の前にはフォークとナイフを用意している
これだけもてなしておきながら文句を言うようであればキッチンの包丁で刺し殺してやろう
私も家に侵入されていることに気付かなかったのだから殺して死体をどこかに隠したり処理したりしても誰も気付かないだろう
こんなに綺麗な男の最期を看取るのが私だけというのも可哀そうだがそれはしかたない
あとこの男を殺すときはやたら大きな声で叫ばれそうだな
ならば殺すときは口にタオルでも詰めてから殺さないと

「ごちそうさまでした」

この男文句は言わなかったな
ならば殺す時ではないか
それに食べ終わった食器を流しへ運んでいる
意外と礼儀正しい
私も少し遅れて食べ終わり、自分の使った食器を流しへ運ぶ
そして机の上に残っているお茶やサラダを冷蔵庫に仕舞い、流しの食器を洗っていく


一通りの仕事が終わって後ろを向くと、男はこちらを見ていた

「どうした」

目で会話できない彼のために言葉を喋ってやる

「んー、そろそろ帰るわ」
「そうか」
「じゃあな」

そういって彼は玄関で靴を履き、鍵のかかっていない玄関から出ていった
素性の知らない男が知らない間に家にいて、なぜか朝食まで食べていった
そういえば記憶から消していたが昨日絨毯の上に落ちていた青い髪の毛は彼のものだろう
昨日も今日もまだ害はないのだから気にしなくていいか

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