「健康のために1日3食しっかり食べる」は大間違い…医師が警鐘「食事が体に与える計り知れないダメージ」
■つい最近までの基準は昭和初期に出された数字 ところが、この数字が出る以前の健康常識では、1日3食でないと摂取が難しい数字が示されていたのです。 1935(昭和10)年に、国立栄養研究所の佐伯矩医学博士(「栄養学の父」といわれる人物です)が、「日本男子が1日に必要とするエネルギーは2500〜2700キロカロリーである」「それを2食で摂るのは難しく、3分割しバランスよく摂ることで、最も健康に生きることができる」と提唱しました。 これは現代よりもかなり多い数字です。たしかにこれでは2回の食事で摂取するのはちょっと無理でしょう。ご飯もおかずも、大盛りというか特盛りレベルのものを食べきらなければならない感じです。 こういった戦前に行なわれた提言も、1日3食という形を深く根付かせる原因になっているのでしょう。しかしこれが、つい最近までの一般常識であったことも事実なのです。 ■現在のカロリーならば1日2食でOK 現代の日本人は、佐伯博士の時代よりも運動不足傾向が強くなっており、従って消費カロリーも少なくなっています。 ですから、先ほどの1800〜2200キロカロリーという数字が出されているわけです。これならば1日2食でも比較的楽にクリアできるでしょう。 現代を生きている私たちは、2500〜2700キロカロリーを、わざわざ1日3回に分けて摂る必要はなくなっていると思っていいのです。 たとえばパスタやカレーライス1皿で約800キロカロリー、ハンバーガーショップのセットメニューを食べると1000キロカロリーを超えるなど、外食産業が高度に発達した環境に暮らす現代人の食事は、高カロリーになりやすいと言えます。 このような食事を1日3回も摂れば、明らかに「食べ過ぎ」「栄養の摂り過ぎ」、そして肥満ということになってしまうのです。
■「空腹」でなくても食べている現代人 「昔からの習慣だから1日3回食べている」「仕事の付き合いなどで会食や宴席に行き、出てきたものを食べないと失礼だから食べてしまう」「家族が食べ残したものがもったいなくて食べてしまう」 食欲がないのに、食べる時間だからと惰性で食べていませんか。空腹を感じていないのに食べていませんか。食後に眠気や疲れ、だるさなどを感じることはありませんか。 健康を維持するために、体が必要とする栄養分を必要なだけ摂取することが、本来の食事の目的です。習慣や惰性で、体が必要としていないのに食べていては、かえって体にダメージを与えることにもなりかねません。 また、年齢を重ねるほど、1日の活動に必要なエネルギー量は少なくなっていきます。必ずしも去年までと同じ量を食べる必要はないのかもしれません。 このようなことも考えながら、自分の食事について考えて、自分で回数も質も量もコントロールしていくことが大切です。それがあなたの健康作りにとって、何にもまさる基盤になるでしょう。 ここまで読まれたあなたは、1日3食にこだわる必要はないということをおわかりいただけたのではないでしょうか。 ---------- 青木 厚(あおき・あつし) 医学博士 あおき内科さいたま糖尿病クリニック院長。自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科などを経て、2015年、青木内科・リハビリテーション科(2019年に現名称に)を開設。糖尿病、高血圧、脂質異常症など生活習慣病が専門。著書『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)がある。 ----------
医学博士 青木 厚