「調停で元夫と向き合うことは苦痛でしかない」離婚後の共同親権4月スタート…DV被害者の不安
離婚後も父母双方が子どもの親権を持てる「共同親権」を柱とする改正民法が、4月に施行される。現在、離婚後は父母のどちらかが親権者になる単独親権だが、海外では離婚後も共同で親権をもったり、子どもと別居の親との交流が続いたりすることが一般的だ。一方で、父母の関係が継続するため、「DV(配偶者からの暴力)や虐待の被害者を危険にさらす」などと支援団体に指摘される。「再び相手と向き合うのは苦痛でしかない」とDV被害者は不安を訴える。(生田ちひろ) 【図表】一目でわかる「共同親権」と「単独親権」の違い
■元夫への恐怖心、理解してもらう難しさ
「家裁がどこまで被害をくみ取ってくれるか心配でならない」 元夫の精神的DVで離婚した中部地方の50代女性は、小学生の娘との交流を強く主張していた元夫が、改正民法の施行後、共同親権を申し立てる可能性は高いと考えている。 共同親権では、子どもの進学や転居先などを父母が協議して決める。既に離婚した父母でも適用され、一方が家庭裁判所に申し立て、認められれば共同親権に変更できる。 女性の元夫は、女性の言動が意に沿わないと、自殺をほのめかす、運転する車を女性の目の前でわざとぶつけるなどの自虐的な行為を行った。服従せざるを得ない状況に追い込まれることに疲弊し、離婚。その後、元夫は娘との交流を巡って家裁に調停を申し立て、最終的に月1回の親子交流で合意した。 女性は2年に及ぶ調停の間、元夫への恐怖心を調停委員に訴えても十分に取り合ってもらえず、精神的な支配を理解してもらう難しさを実感したという。「調停で再び相手と向き合うことになれば苦痛でしかない」と語る。 身体的DVを受けていた関西地方の40代女性は、相談していた役所の福祉部門の職員がたまたま撮影してくれていた体のアザが証拠になり、地裁が元夫に保護命令を発令したという。 「暴力を受けている間は、相手を怒らせないことしか考えられない。録音などを残したくても、見つかったら何をされるかわからない。被害を客観的に証明できない人はたくさんいるはず」と話す。