平和学習中の船転覆、問われる安全管理体制 傾いたところに横波受けたか 専門家指摘

辺野古漁港に引き揚げられた移設抗議船の「不屈」=3月16日午後、沖縄県名護市(大竹直樹撮影)
辺野古漁港に引き揚げられた移設抗議船の「不屈」=3月16日午後、沖縄県名護市(大竹直樹撮影)

今回、転覆した2隻は普段、海上から辺野古移設に抗議する活動に使われていた船だった。第11管区海上保安本部(那覇)は今後、安全管理体制に不備がなかったかどうかも含め捜査する。

辺野古沿岸部の米軍キャンプ・シュワブ沖では移設に反対する海上抗議活動が行われている。一部の参加者が、立ち入りが禁じられている「臨時制限区域」内に侵入し、ゴムボートで周辺海域を警備する海上保安官に制止されることもある。

2隻が転覆した現場も移設予定地近くの海域だった。当時周辺は晴れていたが、波浪注意報が発表されていたという。11管によると、「平和丸」の最大搭載人員は13人、「不屈」は10人。転覆当時、平和丸には12人、不屈には9人が乗っており、いずれも法定の定員に収まっていた。

辺野古漁港に引き揚げられた、転覆した移設抗議船「平和丸」=3月16日午後、沖縄県名護市(大竹直樹撮影)
辺野古漁港に引き揚げられた、転覆した移設抗議船「平和丸」=3月16日午後、沖縄県名護市(大竹直樹撮影)

元11管次長の遠山純司氏は「(定員に近い)たくさんの人が乗れば船の安定性が悪くなる。辺野古(の工事)を見学するということで、生徒が船の片方に寄るようなことがあるとバランスを崩す可能性があり、船が傾いたところに横波を受けて転覆した可能性もある」と指摘する。

最大搭載人員が12人以下の小型船舶でも、他人の需要に応じて人を運送する事業に該当すれば、運輸局へ登録する必要がある可能性がある。移設抗議に使われる船に多くの生徒を乗せることも含め、安全管理体制に不備がなかったのかどうかも、今後の捜査の焦点となりそうだ。

沖縄県の玉城デニー知事は16日午後、記者団の取材に「大変痛ましい事故となってしまった。胸が痛い」と語った。(大竹直樹)

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