TBS 1968年9月28日
あらすじ
この美しい娘がなぜ狙われる? 10億円の遺産を相続するからだ。証拠は左の胸にある赤いアザ。そのボディーガードは、なんと女探偵。イカすムードもキイハンターもフラフラッとよろめく。だが、そうしてはいられない。殺し屋は近づく。水中からも。キイハンター、赤いシグナルは女探偵の指輪のベルを鳴らすとき。感度良好!
2025.11.5 J:COM BS録画
ナレーター<この部屋のグループは5人>
元 諜報部員・黒木鉄也:丹波哲郎
元 諜報部員・津川啓子:野際陽子
カー狂・島竜彦:谷隼人
記憶の天才・谷口ユミ:大川栄子
元 新聞記者・風間洋介:千葉真一
<彼らの愛するものは自由。求めるものは平和>
国際警察特別室
UNIPOL JAPAN
国際警察・村岡特別室長:仲谷昇
<彼らの活躍がここに始まる。彼らの行くところ不可能の文字なく、彼らを遮る国境もない。彼らは、こう呼ばれる…>
KEY HUNTER
制作:東映株式会社
TBS
年輩男性を乗せた車が突然、蛇行を始め、カーブを曲がり切れず崖から落ちた。東映名物、崖の途中から炎上する車。
後部座席に乗っていた年輩男性は助かったものの、病室でうめき声をあげていた。
昌代「あなた…あなた!」
吉岡「社長!」
車が蛇行し始めた時、銃声が聞こえたことを思い出す男性。
年若い妻と若い男が呼びかけている。吉岡役の人、見たことあるな。
10話に出てきた目つきの鋭い整備士…実は! みたいな役だった。
年輩男性・塙が目を覚ました。
昌代「あなた、よかったわ。一時は、お医者さまもダメだとおっしゃって」
吉岡「運転手は即死でしたからね」
塙「瀬沼」
瀬沼「はっ」
塙「君だけ残って、ほかの者は外してくれ」
昌代「あなた、何をおっしゃるの」
塙「言うとおりにしろ!」
昌代「でも…」
塙「うるさい! 出ていけ!」
名残惜しそうに出ていく吉岡と昌代。
塙「俺を殺そうとしたやつの見当はついている」
瀬沼「なんですと? では、事故ではなく…」
塙「目的は俺の財産だ。瀬沼」
塙は楠 千枝子という女を捜してくれと頼んだ。実の娘・千枝子が大陸からの引き揚げのどさくさで消息が絶えて20年。生きているうちに財産のすべてを娘に譲ってやりたい。
塙「千枝子を捜し出してくれ!」
瀬沼役の加藤和夫さんは赤いシリーズや大映ドラマで時々見る顔。
塙役の北竜二さんは小津映画に出ていた。
ナイトクラブ
ムーディーな音楽が流れる中、踊る黒木と金髪女性。
女「あなたの翼の中で空を飛んでるみたいな気分」
黒木「あとでもう一度」
女「えっ?」
黒木「僕の翼に抱かれて飛んでみないか? 空の中、あの夕焼け様に燃えた、あの真っ赤な空の中を」
女「炎のように赤いベッドで」
なんちゅー会話! 今回は吹替だろうと思います。
そんな2人を席で座ってみている風間とユミ。「せっかく連れてきてもらったのにつまんないわ。どうでしょう、ボスったら。目尻下げちゃってさ」
風間「久しぶりに大いに飲もうって言うからついてきたんだぜ。それなのに自分だけ、こんなことしちゃって、もう」
女「表で待っててね」
黒木「オーケー、オーケー」
女と別れ、風間たちの席に来た黒木。「さ~てと、そろそろ退散するか」
立ち上がる風間とユミが声をそろえる。「大変ごちそうさまでした」
黒木「ちょっと用があるんでね、俺は」これでタクシーを拾って先に帰ってくれないかと風間に小銭を渡す。
風間「これでごまかされちゃうんだからね」
ユミの肩を抱いて歩きだす風間。「さっきのグラマーと話つけたんだぜ、きっと」
ユミ「頭きちゃうわ」
そんな2人の目の前でタクシーに乗ろうとした女性が男性に横入りされていた。
風間「おばあちゃん、急ぐんじゃない?」
女性「ええ」
ユミ「どうしてこう、老人をいたわる気持ちが欠けてるのかしら」
細身のワンピースでおばあちゃんに見えないけど…
「おばあちゃん、こっちいらっしゃい」と風間は荷物を持って、黒木の車へ。
黒木「なんだ、まだいたのかよ、2人とも」
ユミ「このおばあちゃん急いでんの。送ってあげて」
黒木「えっ? じょ…冗談じゃないよ。用があるって言ったろう、俺は」
女性を後部座席に押し込む。「どちらさんか存じませんが…」
黒木と踊っていた金髪女性が外へ出てきょろきょろ。
黒木は仕方なく車を出した。
風間「さよなら、さよなら」←淀川長治さん風?
ちょっと同情する風間だったが、ユミはもらったタクシー代が少なかったため、いいわよと笑う。小銭だもんね。
黒木の車に乗ったおばあさん?は「あの車をつけてちょうだい」と黒木に言う。黒木は、あの車に誰が乗っているのか聞くが、女性は歯だけは丈夫で、全部自分の歯ですよと質問に答えない。ピーナッツの殻を車の座席にたくさんこぼしながらかじっているので、黒木はうんざり。「答えたくない質問には耳が遠くなるということですな」
女性「そうなの。あたしはナンキン豆は大好物でね。おひとついかが?」
前の車が止まったので、追い越して止まる黒木。
車から降りた吉岡と昌代は辺りを気にしながら
KATOREA
へ入って行った。
黒木「おばあさん、じゃ、もういいですね? それじゃ」
女性「おかげさんで助かりました。あのご親切ついでに一緒に来ていただけませんか?」
黒木「一緒に? えっ?」
女性「『御同伴専門』。あたしとアベックってことで」
黒木「そんなバカな」
HOTELの下に「御同伴専門」って書いてあった。
黒縁メガネの中年女性に案内されて部屋に入った黒木と女性。
従業員「こちらご休憩ですか?」
女性「いえ、お泊まりですよ」
黒木は女性に縦半分に細長く折ったお札を従業員の女性に渡した。
従業員「あら、まあ、どうもすいません。じゃ、どうぞごゆっくり」
女性は隣の部屋の壁を気にし、レコードをかけ始める。ベレー帽、白髪のショートカット、上半分の黒縁メガネにワンピース。でも、どう見ても若い。
♪(スピーカー:『交響曲第5番 運命』)
女性「ぼんやりしてないで、そのカバン取ってちょうだい」カバンの中身は工具セット。ドリルで壁に穴を開け、何かを埋め、壁をパテで埋めた。導火線に火をつけ、爆発が起こる。
爆発音にびっくりする塙の妻と吉岡…と思ったら、「こんなところで音楽…うるさいわね」だって。しかし、部屋の隅から煙が出ていて、吉岡は冷房が壊れたんじゃないのかなと笑う。
黒木は壁に開いた穴から昌代と吉岡がキスしているのを見て、ニヤリ。
女性はレコーダーで昌代たちの会話を録音しながら盗聴する。
昌代「どうしたのよ? 吉岡。吉岡ったら」
吉岡「奥さん」
昌代「いやだわ、そんなに改まって」
吉岡「社長は病院を引き払って、どこかへ雲隠れしやがった」
昌代「あたしたちが狙ってるってこと、感づいたのね」
吉岡「弁護士と連絡を取って遺言状を書き換えたらしい」
昌代「えっ?」
吉岡「娘、千枝子に全財産を贈る」
昌代「なんですって? 娘の千枝子ですって? 初耳だわ」
吉岡「昔、満州で日本人の女に産ませた子らしい」
昌代「どこにいるの? その千枝子って」
吉岡「弁護士が八方、手を尽くして捜している。女探偵まで雇ってな」
ニヤッと笑う女性。
昌代「それで? まだ見つからないの?」
吉岡「うん」
昌代「あたしたちも負けずに捜しましょうよ。その千枝子って娘。見つけしだい殺すのよ」
黒木「殺しの相談じゃありませんか。何者(なにもん)です? 隣は」
女性「まあ、ゆっくり聞いていらっしゃい。あたしは、ちょっとお風呂でも頂いてきましょうか」
黒木「おかしなババアだな」
昌代「あたしは塙のれっきとした妻よ。財産を受け取る権利があるわ。それをどこの馬の骨だか分かんないやつに…」
吉岡「まあ、俺たちは女探偵の動きを張ってりゃいいんだ。やがて千枝子を見つけ出す。当然、社長の隠れ家に連れていって引き合わせる。消すチャンスはいくらでもある」
昌代「そうなりゃ元どおり財産は、あたしのもの。あたしとお前のもの」
吉岡「奥さん」
昌代「フフッ、抱いて」
黒木の心の声<奥さんと呼ばれる女。その情夫。遺産。殺人計画。そして、えたいの知れない、あの老婆>
別のレコードに自動で切り替わる。「小さなスナック」のインストゥルメンタル。
シャワー室から出てきた女性は、やはり若い女性だった。
黒木「女探偵ってわけか」
女性は部屋の照明を消しながら自己紹介。「松原薫。変装が得意中の得意ですの」
黒木「なるほど。状況が突然変わっても慌てず騒がず、敏捷に次の行動に移る。こういうわけですね?」
薫「それが探偵の第1科」
なぜか2人してベッドに仰向けになる。
薫「探偵の第2科…」
黒木「そいつは俺に言わしてもらおうか。度胸と非情とハレンチでいく」体を起こし、キスしようとする。
スッと顔を横に向ける薫。「ちょっと待って。本当の探偵の第2科は…」黒木をかわして立ち上がる。「いくと見せかけて、引く。動かぬ証拠をテープに入れたわ。これでお隣のアベック、財産を受け取る権利を失うことになる」
黒木「千枝子さん、見つかりましたか?」
薫「順調に進んでるわ」
黒木「お手伝いしたいもんですな。少々、探偵修行も思案しておりますもんですからな」
薫「ありがとう。でも、断る。これはプロの仕事よ。プロだけの知る厳しさ。じゃ、ひと足お先に。バイバイ。じゃあね」と部屋を出ていった。
腕組みする黒木。
黒木の部屋
ユミ「へえ、あのおばあちゃんがうら若き女性の変装とはね」
黒木「年寄りには親切にしておくもんだよ」
啓子「でも、ボスが乗り出すほどの事件じゃなさそうね」
黒木「そんなことはないさ。よく調べてみるとね」
ユミ「あっ、ボスの魂胆は読めてる」
風間「そう。事件を通して、あの探偵と仲よくなるでしょう。そして、あわよくば…」
”そして、あわよくば…”がなぜか字幕に出なかった。
昨夜のことを思い出してニヤッとする黒木。「ひと月ほど前にね、熱海のスカイラインで自動車事故。1人の男が瀕死の重傷を負って病院に担ぎ込まれた。恐喝から脱税に至るまで政界の黒幕とつながって私腹を肥やしてきた男なんだ。戦時中は満州の馬賊とも関係があったらしいんだよ。私有財産がね、10億を超える」
啓子「音声マイクで盗聴した内容っていうのは、その財産争いに絡んだ殺人計画?」
黒木「うん、命を狙われているのはね、その元馬賊が満州時代につくった娘のことらしいんだ。千枝子とか言ってた」
風間「ボス、協力しますよ。あぶく銭を狙う、そのハゲタカどもをこの手で…」
ユミ「皆さん、それについては、ちょっとした情報があるわ」
新聞記事
尋ね人 楠 千枝子 二十…
財産上の事にて重大な話しあり
お心当たりの方は左記宛電話乞う
電話番号 五九一-三四三八
啓子「なるほど。これは、おもしろい広告だわ。ほら」
黒木「え~っと『尋ね人、楠千枝子、23歳。財産上のことにて重大な話あり。お心当たりのお方は左記まで電話乞う』と。電話番号が591の…」
風間がすぐに電話をかけ始めた。
薫「薫探偵局です」
風間「実はね、先日の新聞広告の件だが、楠千枝子って女性に心当たりがないでもないんだよ」
ユミが即座に電話帳を調べる。「薫探偵局。港区西新橋」
西新橋はすぐそこだと啓子が望遠鏡をのぞく。
風間は薫から楠千枝子は見つけ出したといわれ、所長を出したまえと言うが、「所長は、あたしです」と薫が答えた。
啓子は薫の事務所を見つけ出した。
薫「ああ、ちくしょう。ハァ、こういうガセ電話が多くて往生するわ」
BGMは、また「小さなスナック」のインストゥルメンタル。
瀬沼「で、千枝子さんは今、どこに?」
薫「ここへお連れしてありますの」
瀬沼「ここへ?」
髪の長い美人が「楠千枝子でございます」と瀬沼に頭を下げた。薫は弁護士の瀬沼先生だと紹介した。加藤和夫さんは「赤い衝撃」でも弁護士だった。
瀬沼「なるほど。そういえば子どものころの面影が」
はにかむようにうつむく千枝子。
薫「捜し出すのに苦労いたしましたわ。20年近い空白を探り探って、やっと」
千枝子「いまだに信じられませんわ。父は死んだものと聞かされていましたし、そのうえ、降ってわいたような何億という財産。父は今、どこに?」
瀬沼「熱海に近い、ある別荘にひそかに静養しておられます」
千枝子「そうですか」
薫「早速、千枝子さんをお連れして、親子の確認をしていただきましょう」
瀬沼「ハァ、問題は、このテープ。連中は千枝子さんを殺そうとしてプロの殺し屋も何人か配下に…」
薫「その点でしたら、こちらもプロですわ。熱海のニューフジヤホテルまで千枝子さんを無事にお守りいたします。ご安心のほどを」
ニューフジヤホテル再登場。
ロングのカツラをかぶった薫が千枝子と新幹線に乗り込む。サングラスにスーツの怪しげな男たちも後に続いて乗り込む。座席から足を引っかけて転ばす薫。スーツの男は拳銃を落とした。
薫「あら、申し訳ございません。おケガ、ございませんでした?」
サングラスの男は別の車両の吉岡の席へ行き、行き先は熱海と報告した。
吉岡「到着直前を狙え」
昌代「抜かりなくね」
あと2分で熱海到着という時、男が薫たちの座席を見に行っても不在。まもなく新幹線はホームに到着した。ホームを降りた男たちはシスター姿の薫たちが分からなかった。
でかでかと映し出される看板
NEW FUJIYA HOTEL
薫たちはシスター姿のままでチェックインし、ロビーで待った。
薫「もう、これで安心。殺し屋もうまくまいたし」
千枝子「あんなスリル、初めての経験ですわ」
薫「フフッ、あたしにとっては午後のコーヒー代わりってところかしら」
そんな2人の前で新聞を読むサングラスの男…黒木。「見事なお手並みでしたね。さすがにプロの仕事だ。殺し屋があなたの変装にまんまんと引っかかりましたね。ゆうべの私と同じように」
薫「人違いですわ。あたし、あなたを存じ上げませんけど」
黒木「ナンキン豆は栄養があって、いいですな」
悔しそうな薫。
ホテルマンが呼びに来て、部屋に行った薫たち。
黒木「どうだい?」
口笛を吹く風間。
黒木「いい女だろう?」
風間「ボス。女ってのはね、喪服とか黒い衣装を身に着けると1割方、美人に見えるものなの」
水着でプールサイドにいた薫たちに飲み物を渡す黒木と風間。
黒木「黒衣を脱いだら…」
風間「ますます結構」
薫「何者なの? あなたたちも10億を狙うハゲタカ?」
黒木「同じハゲタカでも…」
風間「美しい獲物を狙う」
黒木「探偵の第3科。プロはプロと組む」乾杯してグラスの飲み物を飲む。
風間「それでは、若い僕たちは…どうぞ」と千枝子と行ってしまった。
黒木「敵は強力だ。必ずここを嗅ぎつけてくる」
薫「口説いてらっしゃるの? 残念ながら、あたし、こう見えても至って身持ちは堅いほうですの。今まで一度だって殿方と…」…う~ん、ロングヘアが地毛なのか!?
黒木は薫の左胸にアザがあるのに気づいた。「そういう、あなたの胸に愛の印をつけた殿方は、いったい?」
薫「虫に刺されたんですわ」羽織っていたもので隠しつつ、ニヤリ。
岩場を歩いてきた瀬沼。
塙「千枝子が見つかったそうだな」
瀬沼「ああ、お嬢さまは熱海のニューフジヤホテルにお着きのころでございます。何分(なにぶん)、殺し屋の目が光っとりますので、明朝の船でこちらへお連れ申します。これがお嬢さまの最近のお写真」
塙は封筒に入っていた千枝子の写真を見た。「君は、この娘の胸元を見たかね?」
瀬沼「はあ? まさか、わたくしがどうしてお嬢さまを…」
塙「いや、失敬、失敬。そんなつもりで言ったんじゃないよ」
風間と千枝子は一緒にプールに飛び込んで遊ぶ。水の掛け合いはいいけど、頭を沈め合うのはどうなんでぇ!?
殺し屋の男がナイフを手にしてプールに潜り込む。気付いた風間とプールの中で格闘。
プールサイドでは黒木と薫が今にもキスしそうな雰囲気。しかし、プールから顔を出した千枝子が泳いできて、プールサイドにいたもう1人の殺し屋が銃を向けているのに気づいた薫が発煙筒を投げた。
黒木が殺し屋を殴り、薫は千枝子を連れてプールから出た。格闘に勝った風間はプールから顔を出し、水を噴く。
夜、瀬沼とロビーで合流した薫。
瀬沼「ああ、無事でよかった。千枝子さんにもしものことがあったら大変でした」
薫は黒木を「あたしと同業」と瀬沼に紹介した。
吉岡と昌代がその様子を陰で見ている。
昌代「女探偵1人と見くびっていたのが失敗の元だわ」
吉岡「焦ることはない。消すチャンスは、いくらでもある。必ず千枝子を殺す」
瀬沼、薫と千枝子、黒木がそれぞれの部屋へ入る。
薫は黒木に大きな石のついた指輪を右手薬指にはめた。「フフッ、あたしのと対になってますの。あたしの身に危険が迫ったとき、これを押すと…」指輪の石が光り、ブザーが鳴る。
感心する黒木。「ほう」
薫「助けに来てくださるわね?」
黒木「もちろん」
風間はスーツ姿で廊下をウロウロ。人影に気付き、人影を追う。脱いだ靴下?発見。
薫たちの部屋にストッキングをかぶった男が入ってきて、薫が灰皿で殴って倒した。
男は風間だった。「ひどいことをなさる。せっかく様子を見に来てあげたのに。ああ、痛(いて)え」
いやいや、あのカッコじゃ怖すぎるでしょ。階段で拾ったのはストッキングだったのね。
薫「ごめんなさい。当方、異常なし」
風間「結構、結構」
今度は窓からストッキングをかぶった男が入ってきた。さっきと違い、透け感がない!
薫「フフッ、やだ。風間さん、またふざけちゃって」
しかし、男は銃を持っていた。「手を上げろ」…ん? 何となく声で分かるような?
薫は左手薬指にはめていた指輪に小指でタッチするが、黒木はシャワーを浴びていた。なんだよ、黒木さんのシャワーシーンって!
薫は男に殴られ倒れ、廊下に出ようとした男は廊下で風間がウロウロしているのに気づき、廊下の電話をかけた。千枝子に呼ばれた。
風間「また後ろからボインッてのは、いやですよ。フフッ」
部屋に行った風間はドアの後ろに隠れる千枝子に気付き「お遊びは、もうやめましょう」と部屋に入ったが、男に当て身をされて倒れた。後ろむいたまま部屋に入るって不自然だよな。
男は嫌がる千枝子を引っ張って廊下へ。
目を覚ました風間は薫も倒れていることに気付く。薫は目を覚まし、指輪を押す。
黒木「そ~ら、来た」←じゃないよ! さっきは気付けなかったのに!
薫たちの部屋に行った黒木。
薫「すいません。千枝子さんをさらわれました」
風間「すいません」
ホテルマン「私は、ず~っとここにおりましたが出はいりしたお客さまはありません」
黒縁メガネで瀬沼かと思ったけど、蝶ネクタイだし、違うね。
黒木、風間、薫とホテルマンでホテル内を捜す。さりげなく施設案内!?
男は千枝子をボイラー室に連れていき、管に拳銃で穴を開けた。千枝子の左胸に蒸気が当たる。
大広間を靴を脱いで歩いていた黒木たちは地下のボイラー室に向かった。
千枝子が苦しみながら男の顔のストッキングを脱がせると、男の素顔が見えた。
ボイラー室へ行った黒木たちは千枝子を見つけた。
ボイラー室の死角でメガネをかける瀬沼。メガネないと分かんないね。
部屋で医師の診察を受ける千枝子。命に別状はないが、かなりのヤケドでケロイド状に残るといわれた。医師たちと入れ違いに瀬沼が入ってきた。「こんなことになっているとは、つゆ知らず不覚にも眠り込んどりまして」
黒木「どうもよく分からんな。例のストッキングの男がどうして千枝子さんをボイラー室なんかに運んだのか」
瀬沼「そりゃ、あなた、ここでピストルをぶっ放すわけにはいかんでしょう。音がすれば私だって目が覚めますからね」と葉巻を吸う。
風間「ボス、それともう1つ。ボイラー室まで連れ込んでおきながら、どうして殺してしまわなかったか、ヤケドを負わしただけでですよ」
黒木の指輪のブザーが鳴り、光る。何かと瀬沼に聞かれ、「大人のおもちゃですよ」と答え、さりげなく部屋を出た。
屋上にいた薫は黒木に首筋に拳銃を振り下ろされたとき、薄れていく意識の中で、ふっと葉巻のにおいがしたと報告。「この事件関係者の中で葉巻を愛用している殿方は…」
黒木「弁護士の瀬沼だ」
信じられない薫。黒木はヤケドを負わすことが目的だったという。千枝子が偽物だったとしたら? 財産の横取りを狙って、弁護士がニセの千枝子をでっちあげて、探偵に捜させるようにしむける。本物の千枝子の胸には特徴のあるアザがあったとすると、見分けをつかなくするためにヤケドを負わせた。
この時点で黒木が胸のアザのことを推測するには、ちょっと無理があるような?
薫は自身の胸のアザは虫に刺された痕だと言い張り、黒木に生まれは満州じゃないかと聞かれてもはぐらかす。「見といで弁護士野郎。逆に一杯食わせてやるから」
モーターボートに乗る黒木たち。
瀬沼「向こうの島にお父さんが待っておられる。どんなお気持ちです?」
千枝子「怖いような、うれしいような」
薫「それもお金持ちのお父さま」
黒木「ヤケドの痛みなんか、すっとんじまう。ねえ?」
千枝子「えっ? ええ」
背後からボートが追っていた。
丘の上の別荘へ向かう黒木たち。ライフルを持った吉岡が昌代も上陸した。
別荘
塙が現れた。
薫「塙さんでいらっしゃいますね? あたくし瀬沼弁護士のご依頼を受けて千枝子さんを捜し出した松原薫でございます」
吉岡が別荘に向かって銃口を向ける。
塙「千枝子…」
千枝子「お父さま」
しかし、薫が「この方は千枝子さんではございません」とストップをかけた。
銃口を降ろす吉岡。瀬沼、塙も驚く。
千枝子「千枝子よ、あたしは千枝子よ」
瀬沼「そうですとも。千枝子さんは、この人だ」
薫「ご不審は、ごもっともですわ。本当のお嬢さまにもしものことがあっては。そう思った、あたしは、お嬢さまの影武者を作ったんです。弁護士さんまでだますのは気がとがめましたが、よく申しますでしょう。敵を欺くには、まず味方から。本当の楠千枝子さんは別にいらっしゃいます」
千枝子「とんでもないわ。でたらめよ。あたくしこそ本当の千枝子。お父さまの娘」
薫「ハァ、お金は人の心を曲げてしまう。10億のお金を自分のものにしたくって、しまいには自分が本当の千枝子だと思い込むようになる」
千枝子「あたしは千枝子、千枝子なのよ」
瀬沼「じゃ、本当の千枝子はどこだ? ええっ? どこにいるんだ?」
薫「この方がお嬢さまです」と連れてきたのは…
塙「ち…千枝子か?」
ユミ「お父さま」
思わず吹き出す風間。
昌代と吉岡も外で混乱。
アザがあるはずだといきなり、ユミの胸元をはだける。おいおい! ひでーセクハラ!
ユミの左胸元にはアザがあった。
薫「そちらの千枝子さんにはアザはございまして? フフッ。そのヤケドじゃ、とても判別がつきませんわね」
ユミ「なんだったら出るとこへ出て決着つけましょうか? 裁判所でも病院でも科学と法律の力で、あたしが本当の千枝子だってことを証明してみせますわ」
薫「ああ、それがいいわ。早速、裁判所へ手続きを取りましょう。お父さまのほうにはご異存はございませんね?」
塙「わしは、はっきりさえしてくれれば」
薫「よろしいですわね? 弁護士さん」
薫とユミに詰め寄られる瀬沼。
黒木と風間は外でライフルを構える吉岡を発見した。
瀬沼「クソ、殺してやる。お前たち、皆殺しだ!」
銃を向けると、千枝子が瀬沼の側に来た。
瀬沼「こうなりゃ遺産は、こいつのもんだ。こいつと俺のもんだ」
千枝子「ハハッ、おっしゃるとおりさ。あたしは千枝子でもなんでもありゃしない。悪玉の弁護士と組んで一世一代の女天一坊(おんなてんいちぼう)」
塙「なぜ?」
千枝子「あたしは胸を焼いたんだ。10億円のために。熱い蒸気にさらしてさ。10億円は、あたしのもんだ。あたしのもんだよ!」
千枝子のキャラ変がすごい。さっきまですごいお嬢さまっぽかったのに。
薫「フフッ、とうとう罠にかかった。その言葉を待ってたのよ」
千枝子「なんだって?」
ユミ「あたしも本当は千枝子なんかじゃないのにさ」
吉岡「どうなってんだ? いったい」
ユミはハンカチに唾液をつけて胸のアザを消した。
薫「フフッ、おあいにくさま」
千枝子「ちきしょう」と銃を向ける。
黒木「観念するんだな」と千枝子を抑えつけた。
吉岡「こうなりゃ皆殺しだ」
そこに風間が現れたが、「撃てるもんなら撃ってみな」とライフルを突きつけられ、拳銃を捨てるしかなくなった風間。「とんだ計算違い」
吉岡は風間をライフルで脅しながら別荘の中へ。「ハジキを捨てろ!」
黒木が拳銃を捨てた。
吉岡「ぬれ手に粟の10億か。こりゃ頂きだぜ」
しかし、スキを見て吉岡のライフルを奪い返す風間。
塙「裏切り者め! どいつもこいつも」
風間「本物の千枝子さんは、この広い空のどこかでなんにも知らずに暮らしてるってわけさ。皆さん、本当にご苦労さん」
黒木の部屋に戻ってきた風間とユミ。ボスが消えたと聞いた啓子は望遠鏡を合わせる。黒木は薫の事務所にいた。
薫は10億円の相続人なんかじゃないと否定した。「あたしは松原薫。薫探偵局の女局長。フフッ。それじゃいけません?」
黒木は指輪を返そうとしたが、持っていてもよろしくってよと言われ、近くだしと預かることにした。
プロデューサー:近藤照男
坪井久智
*
脚本:池田雄一
*
擬斗:日尾孝司
*
音楽 :菊池俊輔
主題歌:キイハンター
作詩 :佐藤純弥
作曲 :菊池俊輔
唄 :野際陽子
テイチクレコード
*
黒木鉄也:丹波哲郎…字幕黄色
*
津川啓子:野際陽子…字幕緑
*
谷口ユミ:大川栄子
*
風間洋介:千葉真一…字幕水色
*
昌代:有沢正子
楠千枝子:益田ひろ子
*
吉岡:高宮敬二
瀬沼:加藤和夫
塙:北竜二
中原弘二
*
相原昇
中塚康介
山本みどり
小塚十紀雄
*
松原薫:野添ひとみ
*
監督:佐藤肇
<プロフェッショナル・キイハンター。次の赤いシグナルは…>
ゲスト
春日章良
大村文武
<沖縄への空の旅>
高須賀夫至子
松岡きっこ
<この機内に整形手術によって顔を変え別人になった男がいる。組織を裏切って脱出を謀る男。それが客の中のどれか誰にも分からない。追っ手の殺し屋にも当の恋人にも。キイハンターは巧みに姿を変えて監視を続ける。那覇着陸5分前>
<ついに殺し屋たちは最後の手段を取り始めた。『キイハンター』次は…>
殺しの招待旅行
に御期待下さい
野添ひとみさんといえば、「顔で笑って」だな。次回は夫である川口浩さんと共演。もしかして、薫は今後の準レギュラー的な役?
今回、ドジで話が展開する感じがあんまり好きじゃなかったな。