佐世保から22年ぶり紛争地へ…米海軍の強襲揚陸艦が中東派遣、平和団体関係者ら不安
情勢が緊迫化する中東方面に、米海軍佐世保基地配備の強襲揚陸艦トリポリ(4万4971トン)が向かったと報じられ、地元・佐世保市の平和団体関係者らは不安感をあらわにした。同市で米軍の動向を監視するリムピース編集委員の篠崎正人さん(78)によると、佐世保から紛争地への派遣は対イラク支援での2004年以来、約22年ぶりという。輸送した海兵隊員らの中には死者も当時出ており、篠崎さんは「犠牲が出ることも覚悟しないといけない」と厳しい表情で語った。 トリポリは米本土以外に配備された唯一の強襲揚陸艦。航空作戦に特化した設計で、ステルス戦闘機F35Bや輸送機MV22Bオスプレイなどを搭載し、海兵隊最大1800人を輸送できる。 篠崎さんによると、1月から沖縄やフィリピン沖で別の任務に従事しており、14日にルソン島沖を通過。直接中東へ向かったとみられる。今回、沖縄に駐留する海兵隊員が作戦に参加するための航空機のプラットホームとしての役割や負傷兵士の受け入れを担うと推測する。これまでイランに対する攻撃は米本土から艦船が参加していたというが、現在定期メンテナンス中など参加できない艦が多いといい、「トリポリの参加は、選択肢がなく切羽詰まった状況を表しているのでは」と分析した。 04~05年、佐世保に配備されていた強襲揚陸艦エセックスが対イラク作戦支援に参加し、沖縄の海兵隊員ら30人以上の死者が出る事態となり、関係者に衝撃を与えた。 佐世保地区労の山口原由事務局長(57)は「佐世保が出撃基地となったことで『敵の味方は敵』と攻撃の対象となる可能性がある」と不安を漏らした。紛争拡大による自衛隊派遣の可能性についても「米国から要請があればあり得るのでは」と懸念を示した。 14日午後、同基地内は慌ただしさもなく、正面ゲート付近の警備も普段と変わらない様子だった。周辺の米軍施設内ではジョギングや野球をする姿も見られ、緊迫した雰囲気はなかった。 同基地は13日、4月18日に予定していた基地の一般開放イベントを中止したと発表。市関係者によると、13日に連絡があったが理由は知らされていないという。