止まれと言われても…見えない“消えた横断歩道”――こすれて摩滅、新たに2100カ所。新年度控え保護者ら不安の声…鹿児島ならではの厄介な理由も
白線がすり減ったり消えたりしている横断歩道が鹿児島県内の至る所にある。南日本新聞にも「新小学1年生が通学を始める4月までに整備できないか」との声が寄せられた。県警は2025年度、補修が必要な横断歩道を新たに約2100カ所把握し、対策を急いでいる。県教育委員会は入学を前に「親子で通学路を下見し、危険箇所を把握してほしい」と呼びかける。 「なぜ早く免許返納しなかったのか…弟の命を返して」――車が歩道に突っ込み4人死傷、85歳被告が起訴内容認める 過去の事故歴も明らかに…「自分の運転だめだな」 鹿児島地裁
11日午後3時過ぎ、鹿児島市の田上小学校近くの横断歩道では連れだって帰宅する児童の姿があった。足元の白線は薄く、5本のうち1本はほぼ消えていた。信号機はない。別の日には、渡ろうとする児童がいるにもかかわらず一時停止せずに走り去る車もいた。 同校は5月、県警などと連携した合同点検を市教委に要望する予定。佐土原隆校長(58)は「命に関わる問題。点検結果を踏まえ、可能な限り早急な補修をお願いしたい」と訴える。 ◆危機感◇ 県警交通規制課によると、県内には横断歩道が約1万5000カ所ある。25年度は2450カ所の補修を完了する予定。しかし、同年度中に新たに2100カ所の要補修箇所が確認されており、未補修の横断歩道は26年3月末時点で約3000カ所残る見込み。 白線は、横断歩道や停止線といった「道路標示」と、中央線などの「区画線」に分かれる。前者は県公安委員会、後者は国や県、市町村が管理する。すり減るのはタイヤとの摩擦が主な要因で、桜島の火山灰も影響しているとみられる。
補修の順番はどう決まるのか。同課によると「事故の発生件数や利用者数の他、周辺の要補修箇所を踏まえた作業効率を総合的に判断して決める」という。 県警は25年4月からの5年間で、道路標示を集中補修する方針を示し、25年度予算に約2億8400万円(前年度比約1億1200万円増)を計上した。26年2月27日の県議会代表質問で、岩瀬聡本部長は25年度の上申数は例年以上に多かったとして、「現場の警察職員も危機感を持っている。より多く解消するため努力する」と意欲を示した。 ◆事故防止◇ 摩滅した横断歩道はドライバーにとっても視認性が悪く、注意が必要になる。 道路交通法38条は、歩行者や自転車がいないことが明らかな場合を除き、「車は横断歩道の直前で止まれるような速度で進行しなければならない」と定めている。信号機のない横断歩道の手前には、必ず白線のひし形マークがある。横断歩道に気付かないことがないよう、事故を回避する慎重な運転が欠かせない。
自己防衛も大切だ。県教委保健体育課の山元尚史課長は「入学前に、保護者は児童と通学路を歩き、薄れた横断歩道など危険箇所がないか確認してほしい」と訴える。登下校は日々のことなので「横断歩道では左右を確認し、車が止まってから渡るという基本動作を意識付けることが大事」と述べた。
南日本新聞 | 鹿児島
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