CIGS中国研究センター

法的根拠・公式見解
全民国防ハンドブック修正について

2025年9月16日、台湾国防部は新たに改訂された『全民国防手冊』(全民国防ハンドブック)を公表し、同日、公式ウェブサイト上に電子版を掲載するとともに、印刷版を無料配布する旨を発表した。新版のハンドブックには、災害発生時および戦時において市民が取るべき対応行動に関する情報が含まれ、具体的には避難用具の準備、防空警報発令時の行動指針、負傷者の救護方法、民間防衛組織の紹介、政府による緊急連絡先の案内などが網羅されている。さらに、戦争発生時に想定される敵国による情報戦および偽情報(フェイクニュース)による攻撃への対応方法についても記載された。主な内容は以下のとおり。

  1. 情報セキュリティ
    基本的な情報セキュリティ対策として、疑わしいウェブサイトへのアクセスや不審なファイルのダウンロードを避けること、また単純なパスワードの使用を控えることが挙げられる。加えて、アプリおよびハード・ソフトウェアの使用に伴うリスクにも留意すべきである。例えば、Deepseek、WeChat、TikTok、小紅書などの中国製アプリには、個人情報を収集するリスクがある。また、監視カメラ等の撮影機能を備えた中国製機器には、プライバシー情報の漏洩の危険性が存在する。これらの技術は、戦時において中国政府により悪用される可能性も否定できない。
  2. 認知戦および偽情報
    境外敵対勢力は、プロパガンダを通じて国民の団結を分断し、自国防衛の意思を削ぐことを企んでいる。具体的には、偽アカウントや現地協力者によるディープフェイク映像の拡散、揚げ足取り、陰謀論の流布などが挙げられる。このような状況においては、入手した情報の出所と正確性を慎重に確認し、インターネット上の情報を安易に信じるべきではない。特に重要なのは、台湾が軍事的侵略を受けた際に流布される「国家が敗北した」あるいは「政府が降伏を宣言した」といった情報であり、これらはすべて虚偽である。
  3. 情報の入手手段
    インターネットや通信が遮断された場合には、軍または警察の運営するラジオ放送を通じて情報を得ることが推奨される。または、最寄りの派出所や地域の行政機関(里・村の事務所など)を訪れ、正確な情報を確認すること。