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呼び水は甘露の味よ/Novel by なぁぎ

呼び水は甘露の味よ

3,735 character(s)7 mins

もうすぐ夏ですね。前回投稿したのいつだ。
お久しぶりですお久しぶりです。
取りあえずの生存確認として何故か書いて放置してあった槍弓を。
ドライな弓といつの間にか深入りしてた事に気付く槍の話。
あと、近いうちにお約束していたF1パロ槍弓の最終章をアップできれば、と。

ちび狂王様と狂王様を育てる弓の話が読みたい。弓が出かけると言うと口ではそうか、と素っ気ないのに尻尾は弓の足に巻き付いてる狂王様とか欲しい。プリンは好きだけど苦い茶色い所(カラメル)が好きじゃないちみ狂王様とかどこかにいませんか。トゲトゲ尻尾を爪切りされる狂王様とか尻尾カバー作る弓さんの話とか下さい。

ところで皆様、少し前ですがzeroイベントプレイなさったでしょうか。
控えめに申し上げて、アサシンエミヤさん、公式が夫婦最大手でもうどうしたらいいかわからない。
何あのスキル説明と最終再臨……!!

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まあ要するに、何となく、だったのだ。
「アーチャー、魔力よこせ」
あの人使いの荒いシスターが魔力を持っていないせいで、どうしようもなく魔力不足に陥っていたオレは、昼下がりの衛宮邸でそんなことを口走っていた。
固まる白い髪の持ち主を、オレは特に感情の籠もらない目で見つめる。
乗ってくる筈はないのに、どうしてこんな馬鹿げたことを口にしたのか、オレ自身にもわからない。魔力不足ではあったが、耐えられないほどでもなかった。前後不覚になるほど追いつめられていたこともない。
だからやはり、何となく、だったのだろうと思う。
ただ、付け加えたこの台詞は、自分でも本当に頭がおかしいと言わざるを得ないから、多少はオレの頭はおかしかったのだろう。
「あ、いっとくが血を飲むとかなしな。ちょっとケツ貸してくれればこっちで勝手に終わらせる」
「……ここでは困る。場所を変えろ」
「テメエ、頭大丈夫か」
だから、そんなイカレた要求に応と答えたアーチャーに、オレがつい正直な反応をしてしまったのは不可抗力で。
貴様が言うなたわけ、と頭を殴られたのは全く持って不本意な話だった。


「なあオマエ、なに考えてんだ?」
ベッドに腰掛け煙草を吸いながら、ランサーが私に尋ねてくる。なに、とは。
「だから、男とこういうことをする趣味を元々持ってんのか、ってことだよ」
「ない」
私の性的嗜好はきわめてノーマルだ。人を男相手の節操なしのように言われるのは不本意極まりない。
「じゃあ、何でオレとこんなことするんだ」
「貴様が言ったのだろう、魔力をよこせ、と」
ランサーの魔力不足は彼のマスターの問題であり、それを根本的にどうにかしなければ、いくら余所で魔力供給しても結局はその場しのぎだ。実際、ランサーは最初の一回をやったあと、定期的に私のところに魔力を求めてくるようになった。
私は、マスターたる凛が一流の魔術師なので魔力には困っていないし、むしろ非戦闘時には貰いすぎだからと減らしてもらっているくらいだ。
故に、ランサーに多少の魔力を分ける程度なら問題ない。
一体、なにが疑問だというのか。
「男に掘られる趣味もねえのに、何の代償も求めないで魔力だけ与えるってのは、どう考えても理屈が通らなくねえか?」
煙草を灰皿に押しつけてランサーが言う。
ふむ、つまり無償の奉仕は気色悪い、といいたいのか。
「代償、というほどではないがこちらにもメリットはある。でなければ凛もこのようなことは承知せんよ」
「メリットってなん……おい待て、まさテメエ、オレに魔力融通してるって嬢ちゃんに正直に報告してんのかまさか」
「当たり前だろう、誰の魔力だと思っている」
確かに、こうしてランサーに直接魔力を渡しているのは私だが、その大本は凛から受け取っている魔力だ。私の一存で使えるとはいえ、減ったそれを補充するのは凛であり、ましてや彼女は私に対してやや気を揉みすぎるきらいがある。
そんな彼女が、戦闘もないのに魔力が減っている使い魔に気づかぬ筈がない。ならば、こちらから潔く事情を話した方が、彼女に余計な負担をかけない筈だ。
そう判断して、私は全てを彼女に話した。
「魔力に飢えて問題起こされるよりましだ、そう納得してくれたぞ」
最初に報告した時、どうしてあんたはもっと自分を大切にしないのよ……と頭を抱えられたことだけは未だに納得出来ていないが。
ともかく、私にとってこうなることはそれほど負担でもない。ランサーの性技は生前の経験を反映してのものなのかとても丁寧なもので、受け入れる私に負担もそれほどなかったからだ。
「男とこういうことをする拒否感とか、そういのはねえのかよ」
「貴様が言うな」
言い出したのは貴様だと忘れたのかこの犬頭め。
勿論、好悪で言えばいい気分ではない。一応、私にも男のプライドのようなものがあるのだ。ただ目的がある以上、それを達成すべきだと思っているだけで。
それをそのままランサーに伝えると、奴はなぜか非常に不満そうな顔をして、そのままベッドに潜り込んでしまった。
「何なんだ君は」
「うっせー、テメエなんぞにオレの繊細な男心がわかってたまるか」
不満そうに言いながら、私を抱きしめてくる腕が、妙に力強かった。


なんだかんだ言いながら疲れていたのか、すぐに寝息をたてはじめたアーチャーの顔を見ながら考える。
議題は「一体何がこんなに気に食わないのか」だ。
先刻、テメエにはオレの繊細な男心はわからねえと言ったが、正直、オレ自身も自分のこの衝動がいまいち不明だ。
オレの気紛れというか気の迷いというかいっそ血迷ったともいうべき要求に、何故アーチャーは応え続けているのか。
たった今問いだしたその疑問への返答は、オレをそれなりに納得させつつも、どうにも気に食わないものだった。
理由としてはまあ、納得できるものだ。目的があるのならば躊躇わないのも当然だろう。それが好んでのことでなくても、割り切るのに苦労しない程度のことなのだろう。アーチャーにとっては。
オレとて、目的のためには手段を選ばないことは多々ある。人を殺すことだってためらわねえし、不意打ちだって何だってやる。
だからアーチャーの考えは理解できる。理解出来るが気に食わない。

さて、本当に、一体何が気に食わないのか。
コイツの行動に文句を付けるところはない。では、オレが気に食わないのはコイツの行動ではない、ということだろうか。
「行動じゃねえ……となると、理由そのものかねえ」
こいつがこの状況を受け入れている理由。そこに不満があるのか。だがその理由には納得できている筈なのだが。
オレが魔力不足で問題を起こさないための供給。無差別に人を襲うような男だと思われているのは心外だが、所詮サーヴァントは魂食いと言われればそこまでだ。それを防止するための措置だというのはもっともだろう。
心外だが不満というほどではない。この街の管理者たるお嬢ちゃんとその使い魔の選択としては当然だ。
しかし、そこまで業務的な思考に従っていると公言されるのは流石の………。
「なるほど、そういうことか」
はたと気付く。
オレの隣ですやすやと無防備に寝る男。
本来ならば敵同士のオレに魔力を与えて、それ以外にもお人好しを発揮して、なんだかんだとこちらを気遣う男。
そんな姿に、オレは知らずに思い込んでいたわけだ。

『コイツはオレに好意を持っているから、こうして関わってくるのだ』

と。
それなのに、今までのことは全て打算100%だったと聞かされた。そして勝手に腹を立てていたわけだ。騙された、と。
「オレもふやけたもんだぜ」
他人からの一方的な好意など受け慣れていて、それが如何に移ろいやすいものかよく理解している筈なのに、そこに感情がないとわかって腹を立てるなど、オレらしくもない。
恋に恋する乙女ではないのだから、好意に好意が返ってくるとは限らないと、厭と言うほど知っているものを。
「……今、なんか変なこと考えなかったか、オレ」
好意に好意が返ってくるとは限らない。
この場合返ってこなかったのはアーチャーの好意だが、では、もう一方の好意を寄せたのは。
「いやちょっと待て嘘だろ」
導き出された結論に頭を抱える。つまり最終的にまとめると

『アーチャーが自分に対し好意を持っていると信じ、自分も無意識に気になっていた所に、アーチャーは全て義務的な行動だったと告白されて軽く傷心状態』

という、なんとも情けない話になってしまった。
なんと情けなく格好悪い結末だろう。このアルスターの猛犬ともあろうものが!
あまりの恥ずかしさに、両手で顔を覆い天を仰ぐ。誰も見ていないのはわかっているが恥ずかしすぎた。
叶うことならこのままベッドの上を転がってそのまま床に落ちてさらに転がりたいくらいだ。しかし隣にアーチャーが寝ている以上、そんなこともできない。下手にこの状態を目撃されたら、羞恥のあまりコイツを抹殺せざるを得ない。流石にそれは厭だ。お嬢ちゃんのガンドは英霊のオレでも笑えないレベルだ。
と、そこまで考えたところで、アーチャーの顔を見る。先ほどと変わらずぐっすり無防備な寝顔に、今度はふつふつと怒りの気持ちが湧いてきた。男心を弄びやがって、そのくせ一人で幸せそうに寝やがって、という逆恨みもいいところな怒り。
何とか一矢報いてやらねば気がすまない。否、オレが勝手に自爆してダメージを食らっているだけなのだが、とにかくこのままでは引き下がれない。
こうなってしまうと、半分以上は意地の問題だ。

「今に見てろよ」
絶対にオレに惚れさせてやるからな。
オレがそう宣言すると、寝ている筈のアーチャーは何故か、目尻を下げてくふん、と笑った。
寝てるときでもたらしスキル発動かテメエいい加減にしやがれ。
かわいく見えるだろうが写真撮りゃよかった今に見てろ!!

Comments

  • sei@万年金欠病
    June 14, 2016
  • 悠香
    June 12, 2016
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