置いてきた心をお前と、【前編】
10,289 character(s)20 mins
此方も一緒に上げさせていただきます。
後半、凛が出て来ます。(士と結婚してますが彼は不在)
追記
思ったよりも長くなってしまっているので、後編公開が遅くなってしまうかもしれません。大変申し訳ありませんm(_ _)m
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必要最低限の荷物と相棒のバイク。それがランサーの全てだ。
旅に出たのは確か12歳の時だった。まだ人生も恋愛もセックスも煙草も知らない頃、ランサーは父親のバイクに乗り町を出たのだ。
それから27歳になった今まで、無数の出会いと別れを経験した。
初めてのセックスは旅先で世話になった家族の女。まだ酸いも甘いも知らず幼かったランサーは、旦那も子供も居る年上の女に押し倒されその性を奪われた。
翌朝、にこにこと笑う夫婦に見送られたランサーは心の中で思った。女ってのは怖ぇ生きモンだ、と。
15年間。各所で女と関係を持つ度に、泣き縋る綺麗な女達を宥め次の目的地へとバイクを走らせた。
別に女を信用できなかった訳ではない。レイプされた過去がトラウマになっているという事も無かった。ただ、ランサーは次の町を目指したのだ。
理由があるとするならば、家を出たままもう幾年も帰っていない故郷の情景が脳裏に浮かぶからかもしれない。
答えのない疑問を隅に追いやり見ないようにしたまま、ランサーはこの終着点の無い旅を続けていた。
これは愛を知らぬふりをする男と、独りで生きようとする愛を知らぬ褐色の青年が出逢い恋に落ちるまでの物語だ。
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