先日、池袋のソフマップに立ち寄ったとき、ワゴンの中に大量に積まれていたアニメのDVDを見ました。放送していたのが、5・6年前の作品で決してヒットした訳ではないけど、人々の記憶からすぐに忘れ去られてしまうのだと考えると、ものすごく寂しい気持ちになりました。逆に3月16日に放送された「ドラえもん新のび太と鉄人兵団」は、ツイッター上において非常に反響が高かったです。これは26年前の1986年に公開された当時、子供だった人が大人になって懐かしいと思った人が多かったと思います。事実私もその1人なのですが、当時と異なるアレンジされた作品でも、本質の素晴らしさを残した
かつてゴールデンタイムに放送されていたアニメは、番組コンテンツとして視聴率の稼げる優良な資産として枠をきちんと確保されていました。20年前に放送されていた美少女戦士セーラームーンは、今年の3月7日が最初の放送日から数えてちょうど20年の節目となり、ツイッター上で書き込みが非常に多かったです。これも過去の記憶があったからこそで、本当にいい作品は心の中に残っているのだと再認識させられました。ただし、何度も何度も繰り返し放送されている作品は、既知感がいっぱいいっぱいなんですけどね。(笑)
上記作品のようにずっと記憶の中にとどまる作品がある一方で、私はある懸念を持ち始めました。今、放送されている作品の中で5年・10年経過しても心に残り続ける作品がどれぐらいあるのか?ワゴンセールのDVDを見てふと思いました。今回は警鐘を含めて、今のアニメの問題点について書きたいと思います。まず最初に5年前の春どんな作品が放送されていたのか振り返ってみたいと思います。5年前、2007年は深夜アニメが全盛で数多くの作品が放送された年です。結構良作が多かったとしだと思うのですが、皆さんは何作品覚えていますか?
2007年春の深夜アニメ一覧
4月1日 - 9月30日
瀬戸の花嫁
4月1日 - 9月30日
ヒロイック・エイジ
4月1日 - 9月23日
魔法少女リリカルなのはStrikerS
4月2日 - 9月24日
アイドルマスター XENOGLOSSIA
4月2日 - 9月24日
エル・カザド
4月2日 - 9月24日
桃華月憚
4月3日 - 6月26日
ウエルベールの物語 ~Sisters of Wellber~
4月3日 - 9月25日
大江戸ロケット
4月3日 - 9月25日
Over Drive
4月3日 - 9月25日
キスダム -ENGAGE planet-
4月3日 - 9月25日
CLAYMORE
4月3日 - 6月26日
この青空に約束を― ~ようこそつぐみ寮へ~
4月3日 - 6月19日
神曲奏界ポリフォニカ
4月3日 - 6月26日
セイント・ビースト ~光陰叙事詩天使譚~
4月4日 - 9月26日
機神大戦ギガンティック・フォーミュラ
4月4日 - 9月26日
ながされて藍蘭島
4月4日 - 9月26日
ロミオ×ジュリエット
4月5日 - 9月27日
鋼鉄三国志
4月5日 - 9月27日
DARKER THAN BLACK -黒の契約者-
4月6日 - 9月28日
かみちゃまかりん
4月6日 - 6月30日
シャイニング・ティアーズ・クロス・ウィンド
4月6日 - 6月29日
sola
4月8日 - 9月30日
ぼくらの
4月8日 - 9月16日
らき☆すた
4月11日 - 9月19日
風のスティグマ
4月12日 - 9月27日
おおきく振りかぶって
4月12日 - 9月27日
怪物王女
4月16日 - 7月2日
英國戀物語エマ 第二幕
5年前の春は個人的にはあまり興味を引く作品がなかったですが、京アニがハルヒに続いてのヒット作となったらき☆すたのインパクトは本当に強かった。それ以外は正直自分の中では残っている作品はないですね。勿論、私の思い入れなので読者の皆さんは、それぞれ思い入れの強い作品はあるでしょう。しかし、一般の人が誰でも知っている知名度の作品は、聖地巡礼でブームになったらき☆すたぐらいです。しかも、5年前は深夜アニメが好調だった事がうかがい知れる現象がありました。
それは今よりも圧倒的に2クールの作品の方が多いという事です。2クールで放送するという事は、長期で作品を描きたい意図が見えます。これは本当に今と異なっていると実感させられます。成功していたからまた新しい作品を制作してヒットさせたいとも考えられるほどです。しかし、そんな5年前の作品も今でも語られる事は殆ど無いのが実情だと思います。その例が灼眼のシャナとゼロの使い魔の空気っぷりです。5年前には釘宮理恵さんが活躍して、多くのアニヲタの興味をひきました。
それが5年経過したら話題にもあがらず、ひっそりと最終回を迎えようとしているのです。その原因は放送期間の間隔もありますけど、次々と運ばれてくる料理のように1クールごとにアニメ作品が放送されているので、古い作品が簡単に消えていく状況が作られている事が原因の1つだと思います。他にも原因があります。過去の成功にとらわれ似たような作品がアニメ化されている傾向が強い。だから、まどマギやタイバニのようなオリジナル作品が、ネット上の議論や考察からヒットしたのかもしれません。
しかし、1クール作品でも1億円以上の投資が必要になる訳ですが、アニメーターのため声優の仕事のためにアニメが製作されている感じがします。更に声優はまだ技術的に稚拙な若手の新人声優が起用され、はまればでかいですがはずれの時は、棒読みが原因でファンから総スカンを食らってしまいます。勿論好例もあります。けいおん!みたいにはまり役を得られれば、その後も起用されて続けますが、5年後も同じ立場にいられるとは限りません。若手はどんどん登場しており、豊崎愛生さんや竹達彩奈さんに憧れてデビューする女の子も出て来ます。自分のファンがライバルになる可能性もありますし、いつまでも美少女キャラだけしか出来なければ、需要が無くなってしまいます。
アニメ作品だけではなく、声優も使い捨てになってしまう。10年間声優として活躍するのは本当に難しく、残っている人はさまざまな役を演じ、ナレーターや洋画の吹き替えなどにも重宝されます。つまり、本当に実力のある人しか生き残れない。生き残れなければエロゲ声優になるか結婚して引退したりするなど、第一線を退かなければなりません。今、人気を集めていてもすぐに追い抜かれて消えてしまうのです。収入も仕事が無ければ全く無いですし、人気の反面ものすごいギャンブル性の高い職業だと思います。
このようにアニメ業界は、使い捨て・消耗品と言われても仕方が無い状況ですが、唯一アピール手段としては劇場公開が一番可能性が高いです。劇場公開される作品は、覇権を奪った作品が殆どで、ビジネス的に成功しています。安定した集客も望めますし、ファンの熱気もヒートアップします。一般社会に良質な作品をアピールする事にもなります。消耗品にならないようにするには、記憶に残る展開をしなければならないでしょう。デメリットが多いアニメ業界ですが、無限の可能性があると思うので、これからも良質な作品提供を期待したい。それが出来なければ駄作ばかりが作られるだけになってしまいますから。