再試合も延長戦、伝説の東洋大姫路-花咲徳栄が23年ぶりの再戦 選抜高校野球19日開幕
第98回選抜高校野球大会が19日、甲子園球場で開幕する。指名打者(DH)制が導入され、試合展開に変化が出るか注目される今大会。すでに決まっている初戦のカードを見ると、高校野球の歴史を知るファンを喜ばせる「因縁の顔合わせ」が組まれている。 ■アン、福本の意地の投手戦 第3日第1試合を戦う東洋大姫路(兵庫)と花咲徳栄(埼玉)は2003年の第75回大会準々決勝で球史に残る激闘を繰り広げた。 東洋大姫路の左腕、グエン・トラン・フォク・アンと花咲徳栄のエース、福本真史が、がっぷり四つの投手戦を展開。九回まで互いに点が入らず、十回、十五回に花咲徳栄が勝ち越すが、東洋大姫路が粘りで追いつき、2-2で延長15回引き分け再試合となった。春の甲子園では41年ぶり、00年に延長戦が18回から15回打ち切りに変更されてから春夏通じて初だった。 15回を投げ切った両投手が先発を回避した翌日の再試合は点を取り合うシーソーゲーム。花咲徳栄が九回に1点を追いついて5-5とし、再試合では史上初の延長戦へ突入。幕切れは衝撃だった。東洋大姫路が十回、無死満塁と攻め立てると、九回から登板していた福本がサヨナラ暴投。マウンドで泣き崩れる福本の姿は印象的だった。ベトナム国籍で難民2世のアンも大会を通じて話題を集めた。 東洋大姫路は準決勝で、エース西村健太朗(元巨人)を擁して優勝した広陵(広島)に敗れてベスト4。ちなみに開会式の入場行進曲は平井堅の「大きな古時計」だった。 当時、初出場の花咲徳栄を率いて3年目だった岩井隆監督は「力を出し尽くした試合だった」と振り返る。両チームとも出場した今大会は「何となく対戦しそうな気がしていた。長く(監督を)やらせてもらっているといろいろある。年を取りました」と静かに闘志を燃やしていた。 ■ノーノー相手「当たる気がした」 春夏通じて初の甲子園となる帝京長岡(新潟)を2020年から率いるのは元プロ投手の芝草宇宙監督。帝京(東京)のエースとして出場した1987年夏の第69回選手権大会2回戦で東北(宮城)相手にノーヒットノーランを達成した。その相手との対戦が監督としての甲子園初陣(第5日第1試合)となる。 快刀乱麻という投球ではなかった。奪三振は3個にとどまり、逆に四死球は8個。走者を何度も出しながら、バックに助けられての快挙だった。このノーノーで勢いがつき、チームはベスト4進出。準決勝で帝京を倒した立浪和義、片岡篤史らがいたPL学園(大阪)は春夏連覇を果たした。芝草投手はドラフト6位で日本ハムに入団。プロ通算46勝を挙げた。