スーパーで、立ち飲みで…クジラ人気上々 低価格で大衆化【大漁!水産部長の魚トピックス】
ワンコインでクジラの刺し身、肉じゃが
専門料理店もクジラ消費の裾野を広げようと動きだした。東京都港区にクジラ料理専門店「鯨の胃袋」などを展開する「ひとうみ」の大越勇輝社長は、魚介とクジラを提供する立ち飲み居酒屋店「いさな」を今月5日にオープンし、クジラ料理をリーズナブルな値段で提供している。 ニタリクジラの赤肉の刺し身、ナガスクジラを使った「肉じゃが」は、ともに1皿480円(税込み)。ほかにもさまざまな部位を使った料理を手軽に楽しめるとあって、早くも人気だ。 大越社長は、「クジラはおいしいだけでなく、栄養面でも優れた食材。これまでなじみのなかった若者も含めて、多くの人にその魅力を味わってもらいたい」と話す。今後は同店のランチでクジラの焼き肉丼(税込み1000円)を提供する予定という。 栄養豊富で安価だった鯨肉は、大量に消費されていた。しかし、反捕鯨運動の高まりや、国際捕鯨委員会(IWC)で商業捕鯨モラトリアム(一時停止)が採択されたことで、生産、消費量が大幅に減少。食卓から姿を消した。 日本は2019年にIWCを脱退し、領海と排他的経済水域(EEZ)で同年、商業捕鯨を再開。ナガスやニタリなど、三百数十頭の鯨類を捕獲しており、生産・流通関係者らは消費拡大への取り組みを進めている。 国内最大の鯨類生産を担う捕鯨会社、共同船舶(東京)で、販路拡大を進める高野雄介営業部長は、「クジラの専門店に加え、飲食店やスーパーなどにも売り場を拡大することで、需要の底上げを図りたい」と意気込んでいる。