日本の飲食店で急増する「中国系スマホ決済」 その課題と今後の展望は #エキスパートトピ
日本国内の飲食店で中国系スマホ決済の導入が急速に広がっています。インバウンド観光客の増加に伴い、AlipayやWeChat Payが決済手段として定着しています。これにより店舗の売上拡大や顧客満足度の向上が見込まれますが、国会では「日本国内で実質的な経済活動が行われているにもかかわらず、資金の流れが国内で捕捉できなければ、税務当局による所得や売り上げの把握が困難」という指摘がされ議論となっています。
中国系決済の拡大は日本の飲食業界にどのような影響を与えるのでしょうか。その課題と今後の展望を考察します。
ココがポイント
国内で拡大する「中国系スマホ決済」 インバウンド増加で多くの店が導入
出典:FNNプライムオンライン 2026/3/13(金)
中国スマホ決済で日本円使わず独自経済圏を形成
出典:産経新聞 2026/3/12(木)
片山財務相「売上げ把握が困難」対策の必要性強調
出典:FNNプライムオンライン 2026/3/13(金)
WeChat Payとは?日本のお店での導入メリット、使い方や手数料
出典:Square 2025/11/5(水)
エキスパートの補足・見解
中国系スマホ決済が日本に浸透し始めたのは、インバウンド需要が急拡大したコロナ禍前からです。中国では偽札問題などを背景に2010年代からキャッシュレス化が急速に進み、国民の生活インフラとして定着しました。訪日中国人にとってこれらは日常的なツールであり、受け入れる飲食店側にとってもスムーズな会計を実現できるため重宝されてきました。中国系スマホ決済は飲食店にとって訪日客を取り込む「集客装置」として欠かせない存在になっていると言えます。
一方で、課題も残ります。片山財務相は「日本の中で使われている銀行口座を持っているところと乗り入れていないところに関しては、法律上の登録義務や監督権限を実際に及ぼすことが非常に難しくなっている」と答弁しており、クロスボーダー決済における国際的な情報共有の枠組みが未整備であることは、取引の透明性という観点から今後の制度整備が求められる領域といえるでしょう。
今後、日本の飲食産業が健全にインバウンド需要を取り込み続けていくためには、透明性を持った制度設計が急務であり、飲食店側も取引記録の適切な管理と申告体制の自主的な強化が求められます。
※記事の内容を一部修正いたしました。(3.15)