インフラエンジニアが底辺といわれる6つの理由
「インフラエンジニア=底辺」という意見を目にすることがありますが、実際の就業環境は企業や案件によって大きく異なります。ここでは、インフラエンジニアが「底辺」といわれる6つの理由について解説します。
ただし、すべての職場がこのような状況というわけではありません。あくまでも参考としてご覧ください。
待機時間が長くやりがいを感じづらい
インフラエンジニアが底辺といわれる理由の1つに、待機時間の長さとそれに伴うやりがいの欠如が挙げられます。運用監視業務においては、システムが正常に稼働している限り、実質的に「何もすることがない」時間が続く場合があります。そのため、自分の技術やスキルを活かす機会が限られる可能性があります。
特に、厳しいセキュリティ管理が行われている現場では、参考書やスマホの持ち込みが禁止されているケースがあります。そのような環境では、ただモニターを眺めて待機するだけの時間が発生し、学習機会が得られないことも少なくありません。
このように、待機時間の長さと行動制限によりインフラエンジニアがやりがいを感じづらいことが、底辺といわれる一因となっています。
スキルアップが難しい
成長機会の少なさによるスキルアップの難しさも、インフラエンジニアが底辺といわれる理由の1つです。インフラエンジニアの運用監視業務では、新しい技術に触れる機会や自己裁量で業務を進める余地が限られているからです。
具体的には、運用監視業務では日々のアラート対応や定型的なチェック作業が中心のため、システム全体の構成や設計に関与する機会が限られます。また、案件によっては、システム障害発生時には既存の手順書に従った対応が優先され、根本的な原因分析に携わる機会が少ない場合もあります。
こうした業務特性により技術的に成長しづらいことが、インフラエンジニアの仕事が底辺と評価される原因の1つです。
現状維持が重視され改善提案が通りにくい
インフラエンジニアが底辺といわれる理由として、現状維持が重視され、改善提案が通りにくい組織風土があります。インフラ部門は、システムの安定稼働を第一としているため、「動いているものに手を加えない」という保守的な姿勢が強い傾向が珍しくありません。
このような環境では、たとえ効率化や自動化の提案をしても「今のやり方で問題ないから」と却下されてしまうこともあるでしょう。特に、長年同じ定型業務を続けているメンバーが多い職場では、変化を好まない空気があり、前向きな提案が受け入れられにくい場合があります。
「現状を変えたくない」という風土が強い職場では、エンジニアとしての成長意欲が削がれたり、やりがいを見出せなかったりすることが、底辺と呼ばれる理由の1つです。
クレーム対応が発生しやすい
インフラエンジニアが底辺といわれる理由の1つに、クレーム対応の多さがあります。インフラ部門はシステムの土台を支える重要な役割を担っているため、小さなトラブルでもユーザーの業務に直接影響する場合が多いです。
たとえば、ネットワークの一時的な遅延やサーバーの応答速度低下といった問題が発生した場合、ユーザー部門から苦情が寄せられる場合があります。また、予定されたメンテナンス作業でも、わずかな時間延長や想定外の影響が出れば、クレームが来ることも少なくありません。
短期間に何度もクレームを受けると、現場から退場を求められるケースもあり、常に心理的なプレッシャーを抱えながら業務を行います。このようなストレス環境下で働く必要があることも、インフラエンジニアが底辺と評価される一因となっています。
雑用を任されることが多い
雑用の多さもインフラエンジニアが底辺といわれる理由の1つです。特に役割が明確に定義されていない職場環境では、インフラ担当者がシステム関連の「何でも屋」として扱われることがあります。
たとえば、本来の業務であるサーバー管理やネットワーク保守のほかに、以下のような業務を任される場合があります。
-
・ユーザーからの問い合わせ対応
・PCのセットアップ
・プリンタのトラブル解決
・会議室の機器設定
上記のような「誰が担当すべきか不明確な作業」がインフラチームに振られ、雑用係のように扱われがちな状況が、インフラチームが底辺と評価される一因となっています。
夜間/休日出勤がありワークライフバランスがとりづらい
夜間や休日の出勤が多く、ワークライフバランスがとりづらいこともインフラエンジニアが底辺といわれる理由です。インフラエンジニアの業務は、システムやネットワークの安定稼働を支える役割のため、業務時間外でのメンテナンスや障害対応が多くなりがちです。
一般的に、システムの更新やメンテナンス作業は、ユーザーへの影響を最小限に抑えるため、深夜や休日に実施されます。また、予期せぬ障害が発生した場合には、時間帯を問わず対応が求められます。特に24時間365日稼働のシステムを管理する環境では、3交代制のシフト勤務が採用されている場合も多く、生活リズムが不規則になりがちです。
夜勤や休日出勤が日常化すると、家族との時間や自己研鑽の時間の確保が難しくなります。このような不規則な勤務体系がプライベートの充実を妨げ、長期的なキャリア形成にも影響するため、底辺といわれる要因の1つとなっているのです。
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本当に底辺?インフラエンジニアの年収
レバテックキャリアの平均年収・給料の統計調査によると、インフラエンジニアの平均年収は443万円、中央値は450万円です。エンジニア全体の平均年収504万円と比較すると、インフラエンジニアの平均年収は、61万円の差があります。そのほかの職種との比較は以下の表のとおりです。
| 職種・スキル | 平均年収 | 年収中央値 |
|---|---|---|
| ITエンジニア全体 | 504万円 | ー |
| インフラエンジニア | 443万円 | 450万円 |
| ネットワークエンジニア | 437万円 | 450万円 |
| サーバーエンジニア | 445万円 | 450万円 |
| データベースエンジニア | 483万円 | 450万円 |
| セキュリティエンジニア | 511万円 | 550万円 |
| VMwareに関わるエンジニア | 442万円 | 450万円 |
| AWSに関わるエンジニア | 509万円 | 550万円 |
この表から、サーバーやネットワークなどのインフラ領域は平均年収が440万円前後と、ITエンジニア全体の平均よりも低い水準にあることが分かります。一方、セキュリティやAWSといった比較的新しい分野のスキルを持つエンジニアは、500万円を超える年収を得ていることも明らかです。
インフラエンジニアは年収面でほかの職種より低い傾向があります。しかし、専門性の高い領域やクラウド関連のスキルを習得すれば、年収アップの可能性は十分にあるといえるでしょう。
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「底辺」と呼ばれる状況を回避するための5つの方法
インフラエンジニアが「底辺」と呼ばれる状況から抜け出すためには、キャリアアップ戦略が重要です。ここでは、市場価値を高め、より良い待遇や働き方を実現するための5つの方法を紹介します。
それぞれの方法について詳しく解説するので参考にしてください。
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上流工程の経験を積む
インフラエンジニアが「底辺」といわれる状況から脱却するには、上流工程の経験が重要です。設計や要件定義といった上流工程に関わることで、単調な運用・監視業務から脱却し、より戦略的な業務に携われるからです。
たとえば、インフラアーキテクチャの設計やシステム全体の構成検討に参加することで、技術的な視野が広がり、事業への貢献度も高まります。また、上流工程では顧客や関係部署とのコミュニケーション機会も増えるため、ビジネス感覚や交渉力も身につきやすいです。
上流工程の経験を積むためには、以下のような段階的なステップを踏むのがおすすめです。
-
・設計書のレビューに同席する
・顧客への要件のヒアリングに同席する
・現在の業務で小さな改善提案を行う
これらの経験を着実に積み重ねていくと、要件定義や設計フェーズへの参画機会が広がります。結果として、インフラエンジニアとしての市場価値が向上し、より良い待遇や働き方を実現できる可能性が高まります。
クラウドに関するスキルを身につける
クラウドに関するスキルの習得は、インフラエンジニアが「底辺」といわれる状況から脱出する有効な手段です。多くの企業がオンプレミスからクラウドへの移行を進めている現在、クラウド環境を扱える人材の需要は増加傾向にあります。
具体的には、AWSやAzure、GCPといった主要クラウドサービスの専門知識を身につけることがおすすめです。先述したとおり、レバテックのデータでは、AWS関連スキルを持つエンジニアの平均年収は509万円で、一般的なインフラエンジニアより約66万円高いです。
このように、クラウド技術の需要拡大と収入を考慮すると、インフラエンジニアがより良い待遇を得るには、クラウド関連技術の習得は有効な選択といえます。
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IaCに関するスキルを身につける
インフラエンジニアが「底辺」といわれる状況から脱却するには、IaCの習得も効果的です。IaCとは、Infrastructure as Codeの略で、インフラ環境の構成をコードで定義し、自動的に構築・管理する手法のことです。
たとえば、数百台のサーバーを手動で設定するのではなく、コードで一括管理できるようになれば、大規模インフラの運用においても重要な役割を担えるようになります。IaCのスキルは、CI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)の分野でも重要視されており、開発チームとの協業もスムーズになるという副次的なメリットもあります。
このように、IaCの習得は、インフラエンジニアの市場価値を向上させるため、「底辺」と呼ばれる状況から抜け出す有効な手段です。
セキュリティに関する知識を身につける
セキュリティの知識の習得は、インフラエンジニアの価値を高めるために重要です。サイバー攻撃の高度化により、企業のITインフラを安全に運用するにはセキュリティ対策の理解と実践が求められます。
たとえば、ファイアウォールやWAF(Web Application Firewall)などの設計・運用ができると、クラウド環境でもオンプレ環境でも高い評価を得やすいです。実際に年収データを見ても、セキュリティエンジニアの平均年収は511万円と、一般的なインフラエンジニアの443万円を約70万円上回っています。
そのため、セキュリティ関連の知識を習得するとより専門性の高い領域で活躍できるようになり、底辺と呼ばれる状況から脱却できる可能性が高まります。
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マネジメントスキルを身につける
「底辺」といわれる状況から脱却するには、マネジメントスキルの習得も効果的です。技術的なスキルだけでなく、人やプロジェクトを管理する能力を高めることで、リーダーやマネージャーへのキャリアアップが可能になります。
マネジメント職は、専門的な業務に加え、チームの目標設定や人材育成、予算管理などの重要な責務を担うため、エンジニア市場において価値が高いです。つまり、専門技術とマネジメントスキルを併せ持つことで、キャリアの選択肢が大きく広がります。結果として、より充実した待遇ややりがいのある職務に転職できる可能性が高まり、「底辺」と呼ばれる状況から脱却しやすくなるでしょう。
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インフラエンジニアの将来性
インフラエンジニアの将来性は高いといえます。経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、IoTやAI、ビッグデータは「今後大幅に市場が拡大する」と予想されています。これらの先端技術を支えるためには、安定したインフラ環境が不可欠です。
また、クラウド環境構築やコンテナ技術、マイクロサービスアーキテクチャなど、新たなインフラ技術が次々と登場しています。これにより、従来型のオンプレミス管理とは異なるスキルセットが求められるようになりました。このような新しい技術に対応できるインフラエンジニアの需要は、今後も継続すると予測されます。
また、サイバーセキュリティの重要性が高まる中、セキュリティの高いインフラ設計と運用のできるエンジニアの価値は今後さらに高まるでしょう。
インフラエンジニアの将来性については、「インフラエンジニアの需要・将来性は?今後、役立つスキルも解説」と「インフラエンジニアの将来性と需要を経産省のデータやAI動向から考察」をご覧ください。
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まとめ
この記事では、インフラエンジニアが「底辺」と呼ばれる理由を6つの観点から分析しました。主な要因は、待機時間の長さやスキルアップの難しさ、改善提案が通りにくい環境、クレーム対応の多さ、雑用の多さ、ワークライフバランスのとりづらさです。
「底辺」と呼ばれる状況から脱却するには、上流工程の経験やクラウド、IaCセキュリティ知識、マネジメントスキルなどを習得するのが有効です。
インフラエンジニアの仕事環境や評価は、所属する組織や持っているスキルセットによって大きく異なります。「底辺」という言葉に惑わされず、自分自身の成長と市場価値の向上に焦点を当てたキャリア戦略を立てることが重要です。この記事の内容を、自身のキャリアを見つめ直し、市場価値を高めるためのスキルアップ計画を立てる参考としてください。
※本記事は2025年7月時点の情報を基に執筆しております