佐賀県は、唐津市厳木町と多久市をつなぐ「厳木多久有料道路」の通行料を、計画通り7月30日から無料化する。開通から30年の徴収期間は満了するが、交通量は当初の需要予測を大きく下回って約3割にとどまった。通行料収入は伸びず、路線収支は約78億円の赤字となる見通し。県の出資金は回収されない上、無料化に向けて新年度当初予算案に約5億7千万円を計上する。「無料化で佐賀と唐津の往来の活発化が期待できる」としている。
厳木多久道路は1996年7月、国道203号の渋滞や交通難所の笹原峠を回避するため、延長3・6キロで開通した。有料道路方式は早期に開通できるメリットがあり、県は事業主体の県道路公社に対して建設時に約40億円を出資していた。
開通から30年を迎え、7月30日で無料化される厳木多久有料道路=多久市
佐賀県は、唐津市厳木町と多久市をつなぐ「厳木多久有料道路」の通行料を、計画通り7月30日から無料化する。開通から30年の徴収期間は満了するが、交通量は当初の需要予測を大きく下回って約3割にとどまった。通行料収入は伸びず、路線収支は約78億円の赤字となる見通し。県の出資金は回収されない上、無料化に向けて新年度当初予算案に約5億7千万円を計上する。「無料化で佐賀と唐津の往来の活発化が期待できる」としている。
厳木多久道路は1996年7月、国道203号の渋滞や交通難所の笹原峠を回避するため、延長3・6キロで開通した。有料道路方式は早期に開通できるメリットがあり、県は事業主体の県道路公社に対して建設時に約40億円を出資していた。
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県道路課によると、30年以上前の建設時の計画では交通量が増える需要予測を立てていたが、社会情勢の変化で苦戦。22年度の実績は、1日平均の通行量約1万4千台の計画に対し、3割に満たない3972台にとどまった。
通行料は普通車210円。料金による収入で建設費や維持費を賄えず、県道路公社内で三瀬トンネル有料道路の収入を融通するなどしても約60億円不足する。このため建設時に県が出資した約40億円は償還されないという。
県は、鳥栖筑紫野道路に5億円、二丈浜玉道路には7億8千万円を出資していた。これら県道路公社から償還されるはずの債権も今回、厳木多久道路に充てる。最終的に収支を合わせるのに足りない分を埋めるため、県は5億7千万円の支出を新年度当初予算案に盛り込んだ。
県道路課は、収入が伸びなかった要因に関し、地元の要望を受けた国事業で、道の駅厳木そばの牧瀬インターチェンジの形状変更があり、有料区間を避ける通行の流れが生まれたことも挙げる。「整備後のさまざまな情勢変化で、見込んだ収入を得られなかった。出資金は償還されることが望ましいが、有料道路整備に県が取り組んだことで、早期に事業効果が発揮された」としている。
厳木多久道路の開通後は、相知町までの厳木バイパスが順次整備され、東多久バイパスの一部と併せて延長11キロの自動車専用道路区間となった。(中島幸毅)