月光が畳に淡く差し込む部屋で、萬燈は比鷺の細い体を寝具に押し倒していた。比鷺の黒髪が乱れ、白い肌は微かな汗で光る。かつての舞姫の面影を残すその肢体は、今や萬燈の掌に委ねられ、静かに震えていた。
萬燈の指が比鷺の首筋をなぞり、ゆっくりと胸元へ滑る。比鷺の息が乱れ、瞳が潤む。萬燈は内心で呟いた。――かつての舞姫が、今や俺の指先ひとつでこれほどに乱れるとは。
比鷺の唇から小さな吐息が漏れ、萬燈の肩に指を食い込ませる。萬燈はさらに深く触れ、比鷺の体を優しく探る。肌の感触が熱く、互いの体温が混じり合う。比鷺の腰が微かに浮き、萬燈の動きに合わせるように揺れる。夜の静寂が、二人の息遣いを包み込む。萬燈の指が比鷺の内側を撫で、甘い反応を引き出す。比鷺の声が抑えきれず、部屋に響く。
「あぁっ……」
その喘ぎ声が、萬燈の胸を熱くする。萬燈は比鷺を抱きしめ、唇を重ねる。舌が絡み、湿った音が闇を染める。比鷺の指が、萬燈の指に絡みつく。
夜が深まるにつれ、二人の輪郭が溶け合い、記憶の糸が絡まるように一つになる。
朝の光が差し込むまで、萬燈は比鷺を離さなかった。萬燈の肌に刻まれた指の跡が、まるで新しい装束の文様であるかのように、夜の闇に赤く溶けていた。
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