幼なじみキャプテンの本当の顔
梅澤美波ストーリー
〇 …お見合いですか?
上司 そうだ
お前もそろそろ身を固めてだな…
余計なお世話を焼かれる
手にはお見合い相手の写真
側から見ても綺麗な女性でタイプではある
上 社長令嬢さんで…
〇 はあ…
相槌もそこそこで聞き流す
また余計な事を…
座っていたイスを
正しく座り直したのが間違いだった
でもこれが出来ないのがこの会社
家族経営でアットホームな雰囲気は良いが
こうして頼んでもない事がちらちらと起こる
普段は別に良いんだ
俺もこういう雰囲気は昔から好きだし
何も言う事ない
だか、こうして時々恋愛事に突っ込んでくる
そこだけがマイナスな点
〇 考えときますんで…
上 おう、いい返事待ってるぞ
ただこうして写真を持ち
曖昧な言い訳をして去る事しか出来なかった
幼なじみであるアイツは
とあるグループでアイドルをしている
その容姿の良さは昔から地元では有名で
男ならず女性にもモテていた…と思う
ただアイツはちょっと男を遠避ける節がある
昔聞いたのはその容姿のせいでつきまとわれ
好きでもない、まして興味もない男から
自分のステータスの為に彼女になってくれと
言われたらしい
そのあたりの本当の事は聞いた事ないが
その時のアイツの機嫌の悪さは
稀に見るやつで冷たく見えるあの視線は
俺でもばつが悪かった
親友であるアイツの妹
それが今までもそしてこれからも
俺が??に思っている事
〇 ん?
定時を迎え帰宅の準備中
おざなげに鞄へと写真を入れてると
スマホに通知が入った
??という名に顔がほころぶ
顔認証が読み込んでくれた事に安堵する
〇 ふっ、またいきなりだな…
悪態をつきながらも〇〇の足は軽やかに
スーパーへと向かう
これからくるアイツの為
材料を一人前から三、四人前に変更
??のヤツはよく食べるからなぁ…
〇 さてと作りますか…
帰って来た俺はスーツを脱ぎ
持って帰ってきた例の写真をローテブルに
乱雑気味に置いた
今の俺はアイツへの料理にしか頭がない
ワイシャツを腕まくりをし調理開始
荷物で多少疲れた腕
今日残業がなくて本当に良かった
いち社員の立場としては大分低い
残業もあるにはある
ブラックとは言わないけどそこそこ忙しい
それに…
いやアイツが来るのにこの話は辞めておこう
〇 よし…できたな
時間帯はもう8時まわる
食べたい気持ちを抑えて待つと
ガチャ
その音は突如としてなった
勝手に入って来たのはアイツが
鍵を持っているから
別に俺が自発的に渡したわけではない
いつの頃たったか、鍵を要求されたのだ
まあ知らない仲じゃないし
それでいいと思っている
? こんばんは、来たよ〇〇
〇 おう美波、いらっしゃい
今日はまたいきなりだったな
美波 別にいいでしょー?
これでも忙しいんだかんね
手に持って来たのは果物の数々
何かしら来る時の
こいつはお土産を持ってくる
別にいいって言ってはいるが
美波なりに気を遣っての事らしい
〇 キャプテンさんは色々あるからな
美 本当そうなの!
〇 うおっと!?びっくりした
今日は余計にイライラしてるのか?
生理…
美 はぁ?
〇 ごめんごめん
軽い冗談じゃんか…
美 あまりそういうの言わないほうが良いよ?
セクハラだからね?
私だから笑って流してるんだからさ
〇 どこが笑ってだ笑
冷酷な笑顔で凍えるかと思ったぞ
美 はい罰ポイント〜
なにかあると罰ポイント
それはメンバーにしか効かなくないか?
〇 くくくっ なんだそれ?
美 〇〇は気にしなくていいの
それよりほらご飯ついでよ
もう用意してくれてるんでしょ〜?
〇 はいはいお嬢様
梅 うんよろしい♪
うわぁ…今日もいい匂いするじゃん♪
〇 あんまり変わらないけどな…
大体梅が来る時は決まったメニューに
プラスαで事が済む
あとデザートは焼き芋アイス
美 はあ…落ち着いた
〇 お疲れ様
美 うん
弾むことのない会話
黙ってるだけでいい
それが2人
ソファーに座る美波
口をぱくぱくさせ天井を見上げる
目は閉じたまま
なんて事ない焼き芋アイスを噛み締めて食べる
美 うーん、生き返る〜
〇 そうとう疲れてんのか?
美 うんほら、ツアー始まるからさ
〇 ああ…もうそんな時期だったか?
美 相変わらず〇〇は来れないの?
〇 行けたら行くかな?
時間が合えばだな
美 これるんならチケット渡すから
〇 じゃあその時はアイツと行くよ
美 えっやだよ
お兄ちゃんに見られるとか
〇 そんな言ってやんなよ
溺愛されてんだからさ
美 暑苦しいんだよ?
〇〇は分かってるでしょ?
〇 まあ否定はできないな
幼なじみのアイツは本当美波を好きすぎてた
でも美波はどちらかというと鬱陶しそうに
アイツを払い落とす
俺はそんな美波をなんとか宥め
アイツとの仲を取り持って来た立場
美 〇〇だけで良いのに…
ジッと見られる…いや睨まれてる笑
〇 分かった分かった
今回は神宮行けるように調整するから
美 ほんと!?
嘘ついたら後で酷いからね?
こういう時は罰ポイントじゃ無いんだな笑
〇 くくっ♪ 分かったって
美 よし♪
何でそこまで嬉しがるのか分からないけど…
身体を伸ばすと美波のやつは帰る支度を始める
明日も朝からレッスンやらなにやら
キャプテンとして忙しく動き回るんだろうな
そんな事を思ってたら帰ってきて
ソファー横のローテーブルに置いておいた
封筒からバランスが崩れ下に落ちる
美 ん?何これ?
〇 あっ…
美 これ…
親切心で拾ってくれたんだろうけど
それはちょっとまずい
〇 ばか見るな
美 はあ?バカ?拾ってあげてんのに
その言い方…
ってこれって………お見合いするの?
凄く強く睨まれた
口調は穏やかだか
表情までは抑えきれないみたい
写真と俺の顔を行き来する視線
蛇に睨まれた蛙とはいうが
まさにその通り俺は動けとないでいた
〇 …す、勧められてだな
美 へぇ〜?
〇 上司がな、一度会ってみないかって…
何故美波に言い訳するのかわからない
別にやましい事でも無いはず
それなのに
あの視線で見られるとどもってしまう
美 ………しないで ボソッ
静寂した空間に響いた1つの声
〇 えっ?
2度目は確かにしっかりと聞こえた
美 お見合いしちゃやだ
〇 えっと…
美 今そういう事言える立場じゃない
都合の良い話だと思う
けど〇〇には私が卒業するまで
待ってて欲しい
〇 美波…
美 だめ?
〇 …待っててくれか
美波の気持ちはそういう事?
俺、勘違いして待っててもいいの?
いつの間にか綺麗になって輝く美波
変わらず甘えてくれる事に
妹としての守りたいから
異性への守りたいに変わったのはいつの頃か
それでも輝くコイツに自分とは
不釣り合いだと思い込み気持ちを押し込めて
妹として対応していた
なのに…
美 じゃなきゃこんな狭い部屋こないでしょ?
珍しいコイツの頬に赤みが刺すのは
〇 …そっか
美 そういう事♪
結局美波は去り際に
本当さりげなくウインクしてでていった
カッコいい去り方に憧れるよ
ただアイツの、気持ちをしれたのはデカい
いつかとは分からないけど
隣にいれる権利を確約で貰ったのだ
〇 明日断らないとな
折角のお見合いの機会を貰ったけど
上司に泥を塗る形になってしまうけど
はっきりと言おう
結婚を…将来を約束したやつがいますって
おわり
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