中高年が鍛えるべき「4つの筋肉」 一生動ける体の作り方
第3回 筋肉は短時間でタイパよく鍛える! たんぱく質のとり方も紹介
田中美香=医療ジャーナリスト
「まだ歩けるし、筋トレはそのうちでいい」──そう思っている間に、筋肉は少しずつ衰えていく。筋トレは自立した生活を送り続けるために大切だ。とはいえ、「毎日、長時間やる」などハードルを高くすると続かない。そこで今回は、中高年が優先して鍛えるべき「4つの筋肉」に絞り、短時間で効く筋トレの具体的なやり方を紹介する。気軽なちょいトレで、今日から効率的に健康長寿を目指そう。
『中高年のちょいトレ入門』 特集の内容
- 第1回筋トレでよくある5つの誤解 健康長寿の近道は「ちょいトレ」
- 第2回筋トレは「1日1分」でよかった! 時短でも速筋線維に効く方法は
- 第3回中高年が鍛えるべき「4つの筋肉」 一生動ける体の作り方←今回
「毎日筋トレ」「直後のたんぱく質」…その常識、正しい?
筋肉は、年を取ると衰えていく。特に60代から減少速度が加速し、70代以降は激減してしまう。加えて、筋肉は使わないことでも減っていく。筋肉が衰えるとさまざまな病気を発症するリスクが上がり、死期まで早まるというデータもある。そんな事態を回避するには「筋トレ」が欠かせない。
だが、筋トレといえば、「ジムなどに通い、長い時間やらないといけない」など、いわば修行のように大変なものだと思う人も多いかもしれない。だが、そうとは限らない。筋トレには、「◯◯べき、◯◯しなければならない」と挫折につながるような誤解が多くある。この特集ではこれまで、よくある誤解(下表)の1~3についてひもといてきた(詳しくは第1・2回参照)。
- その1. 筋トレは長時間やらなければならない
- その2. 同じ筋トレを繰り返しするべきだ
- その3. 1回ごとに休んではならない
- その4. 筋トレの前後はたんぱく質をとらなければならない ←今回
- その5. サボらず、毎日やらなければならない ←今回
いざ筋トレを始めても、「サボらず、毎日やらなければならない」「筋トレの前後はたんぱく質をとらなければならない」などと思う人もいるだろう。実は、これらも必ずしも正しいわけではない。今回はその理由を見ていこう。
中高年に重要な「4つの筋肉」を狙い撃ちして鍛えよう
イスから立ち上がる際に手をつくようになった、階段や坂の下りが怖い、つまずく場面が増えた──。思い当たる人は少なくないだろう。このような筋肉の衰えを感じたら、早めに筋トレを始めたい。ただし、全身を鍛えるのは大変なので、衰えやすい部位や日常生活に深く関係する部位から強化したいものだ。
では、重点的に鍛えるべき部位はどこか。「自立した生活を続けるために優先的に鍛えたい筋肉は『4つ』あります」。そう話すのは、筋肉の研究者である東京大学大学院総合文化研究科准教授の佐々木一茂氏だ。
次ページから、上述した誤解をクリアにするとともに、将来の自立度を左右する「4つの筋肉」、そして短時間で簡単に鍛えられる筋トレを紹介しよう。