子供の「ポカン口」放置しないで、口腔機能発達不全症の兆候といえる4つのサイン
「ポカン」と開いたままの子供の口。「ただの癖かも」と見過ごしそうだが、実は「口腔(こうくう)機能発達不全症」かもしれない。子供に増えているとされ、放置すれば健康だけでなく、歯並びや顔立ち、さらには運動能力にまで影響を及ぼす可能性があるという。 【ひと目でわかる】虫歯治療後に患者が死亡 不安和らげる「静脈内鎮静法」の注意点 ■機能が未発達の子供が目立つ そもそも口には「食べ物を正しく嚙(か)みのみ込む」「はっきり話す」といった機能がある。ところが近年、病気や障害がないのに、そうした機能が十分に発達していない子供が目立ちだした。平成30年に「口腔機能発達不全症」と病名がつき、保険診療の適用となった。現在は18歳未満の口腔機能発達不全症の子が、小児歯科医院などで専門的なトレーニングを受けられる。 子供の口腔機能発達不全症には、親がチェックすべき「4つのサインがある」と話すのは、歯科医師でアントラーズオーラルケアクリニック(茨城県つくば市)の山本千博院長だ。 目安となる兆候は、①ポカンと口を開けている(口呼吸をしている)②食べるときにくちゃくちゃと音を立てる③滑舌(かつぜつ)が悪く、ろれつが回らない④歯ブラシで歯を磨くときに出血する-の4つ。「この4つのうち一つでも当てはまる場合は、口腔機能発達不全症の疑いがあります」 ■「定期的なケアが必要」 特に感染症の流行期の「ポカン口」は要注意だ。口呼吸が日常化すると唾液による口腔の自浄作用が低下。口の中の乾きも加わり、ウイルスが喉に付着しやすくなる。同じ理由で歯周病菌も増えやすくなってしまうという。 山本さんによると、「ポカン口」は歯科で、矯正指導や唇や舌、頰の筋力トレーニングなどの指導を受ければ、改善が期待できるという。「とにかく定期的なケアが必要」と続けた。 ■選手のメディカルチェック項目にも 口内の健康状態は運動機能にも影響する可能性があると、山本さんは話す。サッカースペイン1部リーグの強豪バルセロナや、山本さんがオーラルケアドクターを務めるJリーグ鹿島アントラーズは、選手のメディカルチェック項目に歯科検診を追加したという。 「ポカン口のまま育って、口呼吸や嚙み合わせなども悪くなれば、スポーツでもいいパフォーマンスは生まれない」と山本さん。子供の口の状態に注意を払ってと促した。(久保武司)