ガソリン価格急騰「死活問題」「これほど上がるとは」 青森県民驚き、事業者も苦境
青森県内のガソリンスタンドが相次いで大幅値上げに踏み切った12日、給油に訪れた県民からは「死活問題」「これほど上がるとは」と驚きの声が漏れた。軽油や灯油の使用量が多い事業者にも影響が広がっており、担当者は「厳しい」「価格転嫁を急ぐ」と対応に追われた。 12日午前、青森市のあるスタンドでは訪れる客はまばらだった。この店によると、11日は大幅値上げの情報を知った利用客が給油の列を作ったが、12日は通常の半分程度だったという。 東通村在住で、同市の実家に帰省していた野原紗絢(さあや)さん(34)は「これほど上がるなら昨日のうちに給油しておけばよかった。東通では車がないと買い物や子どもの送迎ができず、値上げは死活問題」と肩を落とした。同市の木立野枝(のえ)さん(55)は、政府が16日から予定する石油備蓄の放出に触れ「早く値段が下がってほしい気持ちもあるが、放出し過ぎると有事の備えがなくなる。慎重な判断が必要」と話した。 弘前市のスタンドで給油していた70代女性は、1リットル191円というレギュラーガソリンの価格に驚いた様子。「車は毎日は使わないが、今後は歩ける所は歩いて行きたい」と、節約志向を口にした。 一方、トラック千台以上を保有し、年間の燃料費は億単位という「三八五流通」(八戸市)。軽油価格の値上がり分を運賃に上乗せする「燃料サーチャージ」は進んでいないといい、泉山和久管理本部長は「いつ値段が下がるか見通せないので、価格転嫁交渉を進めることで対応する」と説明した。 県トラック協会の葛西直樹事務局長は「燃油高騰が長引けば倒産する業者が出る恐れもある。燃料サーチャージのさらなる普及が必要」と述べた。 「青森まちなかおんせん」(青森市)はボイラーでお湯を沸かしており、年間37万リットルの灯油を使う。燃料費は約3500万円で、原油高が続くと4割ほど上がる見込みだという。 公衆浴場の入浴料は上限が定められており、容易に価格転嫁ができない。本田重善支配人は「6月ごろに上限が50円ほど引き上げられる予定だが、このままでは追いつかない。最低賃金引き上げや物価高も重なり厳しい」と苦境を語った。
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