鉄道事業法
第一章 総則
この法律は、鉄道事業等の運営を適正かつ合理的なものとすることにより、輸送の安全を確保し、鉄道等の利用者の利益を保護するとともに、鉄道事業等の健全な発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。
この法律において「鉄道事業」とは、第一種鉄道事業、第二種鉄道事業及び第三種鉄道事業をいう。
この法律において「第一種鉄道事業」とは、他人の需要に応じ、鉄道(軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道及び同法が準用される軌道に準ずべきものを除く。以下同じ。)による旅客又は貨物の運送を行う事業であつて、第二種鉄道事業以外のものをいう。
この法律において「第二種鉄道事業」とは、他人の需要に応じ、自らが敷設する鉄道線路(他人が敷設した鉄道線路であつて譲渡を受けたものを含む。)以外の鉄道線路を使用して鉄道による旅客又は貨物の運送を行う事業をいう。
この法律において「第三種鉄道事業」とは、鉄道線路を第一種鉄道事業を経営する者に譲渡する目的をもつて敷設する事業及び鉄道線路を敷設して当該鉄道線路を第二種鉄道事業を経営する者に専ら使用させる事業をいう。
この法律において「索道事業」とは、他人の需要に応じ、索道による旅客又は貨物の運送を行う事業をいう。
この法律において「専用鉄道」とは、専ら自己の用に供するため設置する鉄道であつて、その鉄道線路が鉄道事業の用に供される鉄道線路に接続するものをいう。
第二章 鉄道事業
鉄道事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
鉄道事業の許可は、路線及び鉄道事業の種別(前条第一項の鉄道事業の種別をいう。以下同じ。)について行う。
第一種鉄道事業及び第二種鉄道事業の許可は、業務の範囲を旅客運送又は貨物運送に限定して行うことができる。
一時的な需要のための鉄道事業の許可は、期間を限定して行うことができる。
鉄道事業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
予定する路線
経営しようとする鉄道事業の種別
業務の範囲を旅客運送又は貨物運送に限定して許可を受けようとする場合には、その旨
期間を限定して許可を受けようとする場合には、その期間
鉄道事業の種別ごとに、国土交通省令で定める鉄道の種類、施設の概要、計画供給輸送力その他の国土交通省令で定める事業の基本となる事項に関する計画(以下「事業基本計画」という。)
その事業の開始のための工事の要否
第一種鉄道事業を経営しようとする場合であつて、鉄道線路の譲渡を受け、又は鉄道線路を使用させるときは、その旨並びにその相手方の氏名又は名称及び住所
第二種鉄道事業を経営しようとする場合には、鉄道線路の使用を許諾する者の氏名又は名称及び住所
第三種鉄道事業を経営しようとする場合には、鉄道線路を譲渡するか又は使用させるかの別並びにその相手方の氏名又は名称及び住所
前項の申請書には、事業収支見積書その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。
国土交通大臣は、申請者に対し、前二項に定めるもののほか、当該申請者の登記事項証明書その他必要な書類の提出を求めることができる。
国土交通大臣は、鉄道事業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
その事業の計画が経営上適切なものであること。
その事業の計画が輸送の安全上適切なものであること。
前二号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
その事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
国土交通大臣は、第三種鉄道事業の許可をしようとするときは、当該事業により敷設される鉄道線路に係る第一種鉄道事業又は第二種鉄道事業の許可と同時にするものとする。
国土交通大臣は、鉄道事業の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その許可をしてはならない。
一年以上の拘禁刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
鉄道事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
心身の故障により鉄道事業を適確に遂行することができない者として国土交通省令で定めるもの
法人であつて、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)のうちに第一号から第四号までのいずれかに該当する者のあるもの
鉄道事業者は、国土交通省令で定めるところにより、鉄道線路、停車場その他の国土交通省令で定める鉄道事業の用に供する施設(以下「鉄道施設」という。)について工事計画を定め、許可の際国土交通大臣の指定する期限までに、工事の施行の認可を申請しなければならない。
ただし、工事を必要としない鉄道施設については、この限りでない。
国土交通大臣は、工事計画が事業基本計画及び鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)第一条の国土交通省令で定める規程に適合すると認めるときは、前項の認可をしなければならない。
国土交通大臣は、鉄道事業者から申請があつた場合において、正当な理由があると認めるときは、第一項の期限を延長することができる。
国土交通大臣は、鉄道事業者の申請により、鉄道施設又は車両の設計に関する業務を一体的かつ有機的に実施する事務所ごとに、当該業務の能力が国土交通省令で定める基準に適合することについて、認定を行う。
その設置する事務所について前項の認定を受けた鉄道事業者(次項において「認定鉄道事業者」という。)は、第八条第一項、第九条第一項若しくは第三項(これらの規定を第十二条第四項において準用する場合を含む。)、第十二条第一項若しくは第二項又は前条の規定に基づく認可若しくは確認の申請又は届出に際し、国土交通省令で定めるところにより、その設置する事務所であつて前項の認定を受けたものが鉄道施設又は車両を設計し、かつ、鉄道営業法第一条の国土交通省令で定める規程に適合することを確認した場合には、これらの規定にかかわらず、これらの申請又は届出に係る記載事項又は添付書類の一部を省略する手続その他の国土交通省令で定める簡略化された手続によることができる。
認定鉄道事業者であつて従たる事務所について認定を受けたものは、従たる事務所における鉄道施設又は車両の設計に関する業務を適確に実施するために必要な措置として国土交通省令で定めるものを講じなければならない。
第一項から第四項までに定めるもののほか、認定に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第一種鉄道事業者及び第三種鉄道事業の許可を受けた者(以下「第三種鉄道事業者」という。)は、許可を受けた路線に係る鉄道線路を第二種鉄道事業者に使用させようとするときは、使用料その他の国土交通省令で定める使用条件について、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
第三種鉄道事業者は、許可を受けた路線に係る鉄道線路を第一種鉄道事業者に譲渡しようとするときは、譲渡価格その他の国土交通省令で定める譲渡条件について、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
鉄道運送事業者は、旅客の運賃及び国土交通省令で定める旅客の料金(以下「旅客運賃等」という。)の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して、これをしなければならない。
鉄道運送事業者は、次に掲げる者を構成員とする協議会において、地域における需要に応じ当該地域の住民の生活のための旅客輸送を確保する必要がある路線の区間に係る旅客運賃等について協議が調つたときは、第一項及び前項の規定にかかわらず、当該協議が調つた事項を国土交通大臣に届け出ることにより、当該旅客運賃等を定めることができる。
当該協議会において当該旅客運賃等の変更について協議が調つたときも、同様とする。
当該区間をその区域に含む市町村(特別区を含む。)及び都道府県
当該旅客運賃等を定めようとする鉄道運送事業者
当該区間を管轄する地方運輸局長
第四項の旅客運賃等は、当該旅客運賃等が適用される路線の区間に係る鉄道事業の能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものとしなければならない。
第四項の旅客運賃等を届け出た鉄道運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、当該旅客運賃等が適用される路線の区間に関する収支の状況を公表しなければならない。
鉄道運送事業者は、特別車両料金その他の客車の特別な設備の利用についての料金その他の国土交通省令で定める旅客の料金を定めるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
鉄道運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、列車の運行計画を定め、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
鉄道運送事業者は、他の運送事業者と連絡運輸若しくは直通運輸又は運賃に関する協定その他の運輸に関する協定をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
鉄道事業者は、輸送の安全の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない。
鉄道事業者は、安全管理規程を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
安全管理規程は、輸送の安全を確保するために鉄道事業者が遵守すべき次に掲げる事項(第三種鉄道事業者にあつては、第五号に係るものを除く。)に関し、国土交通省令で定めるところにより、必要な内容を定めたものでなければならない。
輸送の安全を確保するための事業の運営の方針に関する事項
輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の体制に関する事項
輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の方法に関する事項
安全統括管理者(鉄道事業者が、前三号に掲げる事項に関する業務を統括管理させるため、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にあり、かつ、鉄道事業に関する一定の実務の経験その他の国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任する者をいう。以下同じ。)の選任に関する事項
国土交通大臣は、安全管理規程が前項の規定に適合しないと認めるときは、当該鉄道事業者に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
鉄道事業者は、安全統括管理者及び運転管理者(第三種鉄道事業者にあつては、安全統括管理者)を選任しなければならない。
鉄道事業者は、安全統括管理者又は運転管理者を選任し、又は解任したときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
鉄道事業者は、輸送の安全の確保に関し、安全統括管理者のその職務を行う上での意見を尊重しなければならない。
国土交通大臣は、安全統括管理者又は運転管理者がその職務を怠つた場合であつて、当該安全統括管理者又は運転管理者が引き続きその職務を行うことが輸送の安全の確保に著しく支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、鉄道事業者に対し、当該安全統括管理者又は運転管理者を解任すべきことを命ずることができる。
鉄道事業者は、列車の衝突若しくは火災その他の列車若しくは車両の運転中における事故、鉄道による輸送に障害を生じた事態、鉄道に係る電気事故又は鉄道に係る災害であつて国土交通省令で定めるものが発生したときは、遅滞なく、事故の種類、原因その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。
国土交通大臣は、毎年度、前二条の規定による届出に係る事項、第二十三条第一項の規定による命令に係る事項、踏切道改良促進法(昭和三十六年法律第百九十五号)第十七条第一項から第四項までの規定による勧告に係る事項その他の国土交通省令で定める輸送の安全に関わる情報を整理し、これを公表するものとする。
鉄道事業者は、国土交通省令で定めるところにより、毎事業年度、安全報告書(輸送の安全を確保するために講じた措置及び講じようとする措置その他の国土交通省令で定める輸送の安全にかかわる情報を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をいう。)を作成し、これを公表しなければならない。
鉄道事業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事業年度並びに勘定科目の分類及び貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する諸表の様式を定め、その会計を整理しなければならない。
鉄道事業者は、鉄道に係る災害による損失又は鉄道事業の一部の廃止により生じた損失若しくは鉄道事業の用に供する施設(車両を含む。以下「鉄道事業用施設」という。)の除却に要する費用が多額であつてその全額をこれらの事由の生じた事業年度において負担することが困難な場合には、当該損失及び費用に相当する額を、国土交通大臣の許可を受けて、当該事業年度の決算期において、貸借対照表の資産の部に計上し、繰延資産として整理することができる。
この場合には、当該決算期から五年以内に、毎決算期に均等額以上の償却をしなければならない。
前項の規定により鉄道事業者が同項の損失及び費用に相当する額を貸借対照表の資産の部に計上した場合における会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百六十一条第二項の規定の適用については、同項中「の合計額を減じて得た」とあるのは、「及び鉄道事業法第二十条第二項の規定により貸借対照表の資産の部に計上した金額の合計額を減じて得た」とする。
鉄道事業者は、鉄道事業用施設を担保に供しようとするときは、鉄道抵当法(明治三十八年法律第五十三号)の定めるところによらなければならない。
鉄道事業者は、鉄道施設に関する測量、実地調査又は工事のため必要があるときは、国土交通大臣の許可を受け、他人の土地に立ち入り、又はその土地を次に掲げる目的のため一時的に使用することができる。
材料置場の設置
天災、事変その他の非常事態が発生した場合における道路運送車両(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第一項に規定する道路運送車両をいう。)の置場、土石の捨場、作業場又は索道の設置
鉄道事業者は、前項の規定により立ち入り、又は使用しようとするときは、やむを得ない理由がある場合を除き、土地の占有者にその旨を通知しなければならない。
鉄道事業者は、第一項の規定による立入り又は使用によつて損失を生じたときは、損失を受けた者に対し、これを補償しなければならない。
前項の規定により補償する損失は、通常生ずべき損失とする。
都道府県知事は、前項の規定による裁定の申請を受理したときは、その旨を他の当事者に通知し、期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならない。
都道府県知事は、第五項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を当事者に通知しなければならない。
損失の補償をすべき旨を定める裁定においては、補償金の額並びにその支払の時期及び方法を定めなければならない。
第五項の裁定のうち補償金の額について不服のある者は、その裁定の通知を受けた日から六月以内に、訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。
前項の訴えにおいては、他の当事者を被告とする。
第五項の裁定についての審査請求においては、補償金の額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。
鉄道事業者は、植物若しくは土石が鉄道線路その他の輸送の安全の確保に必要な鉄道施設として国土交通省令で定めるものに障害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物若しくは土石が当該鉄道施設に関する測量、実地調査若しくは工事に支障を及ぼす場合において、やむを得ないときは、国土交通大臣の許可を受けて、その植物を伐採し、若しくは移植し、又はその土石を除去することができる。
鉄道事業者は、前項の規定により植物を伐採し、若しくは移植し、又は土石を除去するときは、あらかじめ、その植物又は土石の所有者に通知しなければならない。
ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、伐採若しくは移植又は除去の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる。
前条第三項から第十一項までの規定は、第一項の規定による植物の伐採若しくは移植又は土石の除去について準用する。
鉄道事業者は、利用者の利便の増進を図るため、他の運送事業者その他の関係者と相互に協力して、連絡運輸、直通運輸その他の他の運送事業者の運送との間の旅客の乗継ぎ又は貨物の引継ぎを円滑に行うための国土交通省令で定める措置を講ずるよう努めなければならない。
鉄道事業者が他の鉄道事業者に対し旅客の乗継ぎに係る前項の措置であつて鉄道施設の建設又は改良によるもの(以下「乗継円滑化措置」という。)に関する協議を求めたときは、当該他の鉄道事業者は、当該乗継円滑化措置により鉄道施設の有する機能に著しい支障を及ぼすおそれがあるときその他の国土交通省令で定める正当な理由がある場合を除き、これに応じなければならない。
国土交通大臣は、鉄道事業者間において、その一方が乗継円滑化措置に関する協議を求めたにもかかわらず他の一方が当該協議に応じず、又は当該協議が調わなかつた場合で、当該一方の鉄道事業者から申立てがあつたときは、前項に規定する正当な理由がある場合に該当すると認める場合を除き、他の一方の鉄道事業者に対し、その協議の開始又は再開を命ずることができる。
前項の規定による命令があつた場合において、鉄道事業者間の乗継円滑化措置に関し、当事者が取得し、又は負担すべき金額その他の乗継円滑化措置に関する取決めの条件について当事者間の協議が調わないときは、当事者は、国土交通大臣の裁定を申請することができる。
国土交通大臣は、鉄道事業者が鉄道線路又は停車場の建設又は改良を行おうとする場合において当該鉄道線路又は停車場の建設又は改良に関連する乗継円滑化措置を講ずることが経済的かつ合理的であるときその他利用者の利便の増進の程度、建設又は改良に要する費用等を考慮して特に必要があると認める場合には、鉄道事業者に対し、乗継円滑化措置を講ずべきことを勧告することができる。
国土交通大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
国土交通大臣は、鉄道事業者の事業について輸送の安全、利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、鉄道事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。
列車の運行計画を変更すること。
鉄道施設に関する工事の実施方法、鉄道施設若しくは車両又は列車の運転に関し改善措置を講ずること。
鉄道施設の使用若しくは譲渡に関する契約を締結し、又は使用条件若しくは譲渡条件を変更すること。
他の運送事業者と連絡運輸若しくは直通運輸若しくは運賃に関する協定その他の運輸に関する協定を締結し、又はこれを変更すること。
旅客又は貨物の安全かつ円滑な輸送を確保するための措置を講ずること。
旅客又は貨物の運送に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約を締結すること。
鉄道事業者は、その名義を他人に鉄道事業のため利用させてはならない。
鉄道事業者は、事業の貸渡その他いかなる方法をもつてするかを問わず、鉄道事業を他人にその名において経営させてはならない。
列車の運行の管理その他国土交通省令で定める鉄道事業に係る業務の管理の委託及び受託については、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
国土交通大臣は、前項の許可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。
その事業を継続して運営するために必要であること。
受託者が当該業務の管理を行うのに適している者であること。
鉄道事業の譲渡及び譲受は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
鉄道事業者たる法人の合併及び分割は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
ただし、鉄道事業者たる法人と鉄道事業を経営しない法人が合併する場合において鉄道事業者たる法人が存続するとき又は鉄道事業者たる法人が分割をする場合において鉄道事業を承継させないときは、この限りでない。
鉄道事業者たる法人の合併又は分割があつたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により鉄道事業を承継した法人(以下この条において「合併法人等」という。)は、許可に基づく権利義務を承継する。
鉄道事業の譲渡を受けた者又は合併法人等が同一の路線について第一種鉄道事業の許可及び第二種鉄道事業の許可を取得することとなつたときは、当該路線に係る第二種鉄道事業の許可は失効したものとみなす。
鉄道事業の譲渡を受けた者又は合併法人等が同一の路線について第一種鉄道事業の許可及び第三種鉄道事業の許可を取得することとなつたときは、当該路線に係る第三種鉄道事業の許可は失効したものとみなす。
鉄道事業の譲渡を受けた者又は合併法人等が同一の路線について第二種鉄道事業の許可及び第三種鉄道事業の許可を取得することとなつたときは、当該路線に係るこれらの許可は失効し、当該路線について第一種鉄道事業の許可を受けたものとみなす。
鉄道事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該鉄道事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。以下同じ。)が被相続人の経営していた鉄道事業を引き続き経営しようとするときは、被相続人の死亡後六十日以内に、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
相続人が前項の認可の申請をした場合には、被相続人の死亡の日からその認可があつた旨又は認可をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした鉄道事業の許可は、その相続人に対してしたものとみなす。
第一項の認可を受けた者は、被相続人に係る許可に基づく権利義務を承継する。
前条第五項から第七項までの規定は、第一項の認可があつた場合について準用する。
鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を休止しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
前項の休止の期間は、一年を超えてはならない。
鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするとき(当該廃止が貨物運送に係るものである場合を除く。)は、廃止の日の一年前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
国土交通大臣は、鉄道事業者が前項の届出に係る廃止を行つた場合における公衆の利便の確保に関し、国土交通省令で定めるところにより、関係地方公共団体及び利害関係人の意見を聴取するものとする。
鉄道事業者は、前項の規定により廃止の日を繰り上げるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするとき(当該廃止が貨物運送に係るものである場合に限る。)は、廃止の日の六月前(利用者の利便を阻害しないと認められる国土交通省令で定める場合にあつては、廃止の日の三月前)までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
鉄道事業者たる法人の解散の決議又は総社員の同意は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
国土交通大臣は、当該法人の解散の決議又は総社員の同意によつて公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除き、前項の認可をしなければならない。
国土交通大臣は、鉄道事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、期間を定めて事業の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。
この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したとき。
正当な理由がないのに許可又は認可を受けた事項を実施しないとき。
第八条第一項の規定による申請につき却下の処分を受けたとき。
第一種鉄道事業者にあつては、当該鉄道事業に係る鉄道線路の譲受の相手方である第三種鉄道事業者について、当該鉄道線路に係る路線について許可の取消し又は事業の廃止があつたとき。
第二種鉄道事業者にあつては、当該鉄道事業に係る鉄道線路の使用を許諾した者である第一種鉄道事業者又は第三種鉄道事業者について、当該鉄道線路に係る路線について許可の取消し又は事業の廃止があつたとき。
第三種鉄道事業者にあつては、当該鉄道事業に係る鉄道線路の譲渡の相手方である第一種鉄道事業者について、又は当該鉄道線路を使用する第二種鉄道事業者のすべてについて、当該鉄道線路に係る路線について許可の取消し又は事業の廃止があつたとき。
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第三章 索道事業
索道事業を経営しようとする者は、索道ごとに、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
ただし、国土交通省令で定める索道については、この限りでない。
国土交通大臣は、索道事業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
工事計画が第三十五条の国土交通省令で定める技術上の基準に適合するものであること。
その事業を自ら安全かつ適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
索道事業者は、国土交通省令で定める技術上の基準に従い、索道施設を維持し、及び管理しなければならない。
索道事業者は、旅客の運賃(国土交通省令で定める種類の索道に係るものを除く。)を定め、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
索道事業者は、索道事業の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
索道事業者は、六月以上休止している索道事業の全部又は一部を再開しようとするときは、当該索道施設が第三十五条の国土交通省令で定める技術上の基準に適合していることを確認し、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
第六条、第九条、第十二条、第十八条から第十九条の四まで、第二十三条(第一項第二号及び第四号に係る部分を除く。)、第二十四条、第二十五条、第二十六条第一項から第四項まで、第二十七条第一項から第四項まで及び第三十条(第五号から第七号までに係る部分を除く。)の規定は、索道事業について準用する。
この場合において、第九条第二項(第十二条第四項において準用する場合を含む。)及び第十二条第四項において準用する第八条第二項中「事業基本計画及び鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)第一条の国土交通省令で定める規程」とあり、並びに第十二条第四項において準用する第十条第二項中「鉄道営業法第一条の国土交通省令で定める規程」とあるのは「第三十五条の国土交通省令で定める技術上の基準」と、第十二条第一項中「第十条第一項又は前条第一項」とあるのは「第三十四条の二第一項」と、第十二条第三項中「完成したときは、遅滞なく」とあるのは「完成したときは」と、第十八条の三第二項第五号、第四項、第五項及び第七項中「運転管理者」とあるのは「索道技術管理者」と、第二十三条第一項第一号中「旅客運賃等の上限若しくは旅客の料金(第十六条第一項及び第八項に規定するものを除く。)又は貨物の運賃若しくは料金」とあるのは「旅客の運賃(第三十六条の国土交通省令で定める種類の索道に係るものを除く。)」と、第二十六条第三項及び第二十七条第三項中「第五条第一項」とあるのは「第三十四条」と読み替えるものとする。
第四章 専用鉄道
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第五章 削除
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第六章 雑則
許可又は認可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。
前項の条件は、公共の利益を確保するため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可又は認可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
国土交通大臣は、この法律の施行に関し特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、鉄道事業者又は索道事業者から業務の委託を受けた者(許可受託者を除く。)に対し、その委託を受けた業務の状況に関し報告をさせることができる。
国土交通大臣は、この法律の施行に必要な限度において、国土交通省令で定めるところにより、専用鉄道設置者に対し、その業務の状況に関し報告をさせることができる。
国土交通大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、鉄道事業者又は索道事業者(許可受託者を含む。)の事務所その他の事業場に立ち入り、業務若しくは経理の状況若しくは事業の用に供する施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
国土交通大臣は、前項の規定による立入り、検査又は質問を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、その職員に、鉄道事業者又は索道事業者から業務の委託を受けた者(許可受託者を除く。)の事務所その他の事業場に立ち入り、その委託を受けた業務の状況若しくは当該業務に係る事業の用に供する施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
国土交通大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、専用鉄道設置者の事務所その他の事業場に立ち入り、専用鉄道の施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
前三項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
第一項から第三項までの規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
国土交通大臣は、第五十五条第一項の規定による報告の徴収又は前条第一項の規定による立入検査のうち安全管理規程(第十八条の三第二項第一号(第三十八条において準用する場合を含む。)に係る部分に限る。)に係るものを適正に実施するための基本的な方針を定めるものとする。
第十条第一項、第十一条第一項、第十二条第三項(第三十八条において準用する場合を含む。)又は第三十四条の二第一項の検査を受けようとする者は、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を国に納めなければならない。
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この法律の規定は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が行う第三種鉄道事業に該当する業務については、適用しない。
前項の場合において、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から鉄道線路を直接借り受け、又は独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が所有する鉄道線路を直接利用して、他人の需要に応じ、鉄道による旅客又は貨物の運送を行う事業については、当該事業を第一種鉄道事業とみなして、この法律の規定を適用する。
第二十六条第二項及び第二十九条第一項の規定は、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)第一条第一項に規定する旅客会社及び日本貨物鉄道株式会社については、適用しない。
前項の許可の手続について必要な事項は、政令で定める。
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、地方運輸局長に委任することができる。
地方運輸局長は、第六十四条の規定により鉄道事業の停止の命令がその権限に属することとなつた場合において、当該命令をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
第六十四条の規定により鉄道事業の停止の命令又は許可の取消しの処分が地方運輸局長の権限に属することとなつた場合において、当該処分に係る聴聞の主宰者は、行政手続法第十七条第一項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。
前項の聴聞の主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、参考人の出頭を求めて意見を聴取することができる。
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、国土交通省令で定める。
第七章 罰則
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第二十三条第一項の規定による命令(輸送の安全に関してされたものに限る。)に違反したとき。
第三十四条の二第一項又は第三十八条において準用する第十二条第三項の規定による検査に合格していない索道施設を索道事業の用に供したとき。
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。
第七条第一項、第九条第一項(第十二条第四項(第三十八条において準用する場合を含む。)及び第三十八条において準用する場合を含む。)、第十二条第一項(第三十八条において準用する場合を含む。)又は第十五条第一項若しくは第二項の規定により認可を受けてしなければならない事項を認可を受けないでしたとき。
第十六条第九項の規定による命令に違反して、運賃又は料金を収受したとき。
第十七条の規定による届出をしないで運行をしたとき。
第十八条の三第一項(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定による届出をしないで、又は届け出た安全管理規程(第十八条の三第二項第二号及び第三号(これらの規定を第三十八条において準用する場合を含む。)に係る部分に限る。)によらないで、事業を行つたとき。
第十八条の三第三項若しくは第七項(これらの規定を第三十八条において準用する場合を含む。)、第二十二条の三第三項、第二十五条第三項(第三十八条において準用する場合を含む。)又は第三十八条及び第三十九条第二項において準用する第二十三条第一項の規定による命令に違反したとき。
第二十八条第一項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、鉄道事業の全部又は一部を休止したとき。
第二十八条の二第一項若しくは第六項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、鉄道事業の全部又は一部を廃止したとき。
第三十七条第二項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、索道事業の全部又は一部を再開したとき。
第五十五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第五十六条第一項から第三項までの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
第六十一条第一項の規定に違反して、鉄道線路を敷設したとき。
次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
第二十八条の二第五項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、鉄道事業の全部又は一部を廃止した者
この法律は、昭和六十二年四月一日から施行する。
地方鉄道法(大正八年法律第五十二号。以下「旧法」という。)は、廃止する。
この法律の施行前に旧法第十二条第一項の規定によりした地方鉄道業の免許の申請は、第三条第一項の規定による第一種鉄道事業の免許の申請とみなす。
前項に規定する地方鉄道業者は、この法律の施行後において経営しようとする鉄道事業の種別を定め、この法律の施行の日から一年以内に、当該事業を経営することについて運輸大臣の認可を申請することができる。
この場合において、当該地方鉄道業者は、第三種鉄道事業を経営しようとするときは、当該鉄道について運転の管理の受託をしている者の第二種鉄道事業を経営することについての認可申請と同時に申請するものとする。
第六項から前項までの規定は、この法律の施行の際現に専ら車両を借り受けて運行している地方鉄道業者であつて運輸大臣が定めるもの及び当該地方鉄道業者に車両を貸し付けている者について準用する。
旧法又は旧法に基づく命令によりした処分、手続その他の行為で、この法律中相当する規定があるものは、前条に規定するものを除き、運輸省令で定めるところにより、この法律によりしたものとみなす。
前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。