「在庫があるのに…」ガソリン値上げの仕組みを専門家が解説 なぜ店頭価格に今すぐ反映されるのか
鹿児島県内のガソリンスタンドで店頭価格が大幅に値上がりした。中東情勢の悪化によりホルムズ海峡が事実上閉鎖され、卸値が1リットルあたり26円上昇したことが主因である。県石油商業組合は「やむを得ない措置」と説明する一方、高市総理は石油備蓄の放出と補助金による価格抑制策を発表した。 【写真で見る】価格決定の仕組みが明かす“すぐには安くならない”理由
卸値26円上昇、小売価格は29円値上げ
県石油商業組合の高田英司専務理事は3月12日の価格改定について、「11日の発表で26円/L卸値を上げているので、それにあわせて消費税を加えると約29円。我々の経営も継続しながら安定供給するのが義務なのでやむを得ない」と説明した。 同組合には県内のガソリンステーションを運営する377社が加盟している。今回の大幅な値上げは、アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことでホルムズ海峡が事実上閉鎖されたことが直接の原因となっている。
日本の原油依存構造が価格に直結
日本は原油の9割以上を中東に依存しており、そのほとんどがホルムズ海峡を経て日本に入ってくる。高田専務理事は価格決定の仕組みについて、「中東で積んでから(日本に着くまで)1カ月かかるが価格転嫁の仕方は向こうのFOB(船に積み込まれた時の価格)で決まるのが基本的な元値のシステムになっている」と説明した。 消費者からは「今ある在庫があるじゃないか」という声も上がるが、「FOBに対して価格を連動させるのが今の動き」として、現行の価格決定システムの現実を語った。
政府が緊急対策を発表
こうした状況を受け、高市総理は11日夜、石油備蓄の1カ月半の消費量に相当する分を日本単独で放出すると表明した。さらに3月19日には、レギュラーガソリンの全国平均価格を170円ほどに抑える補助金を開始するとしている。 高田専務理事は政府のこうした措置について、「19日から元売りが販売業界に売る価格を連動させようという措置。12日から高く仕切ったガソリンが入っている。入れ替わるには2週間近くかかる。遠いところは1カ月とかかかる場合もある。徐々に価格は落ち着いていくことになる」と分析している。