20校以上が誘った“ある有望中学生”の争奪戦「両親との面談で“一枚の紙”を渡した」山口の私立・高川学園への進学を決断させた“その内容”
全国に木下の名前が知れ渡る日
42年ぶりの春は、高卒プロ入りを目指す木下にとって、恰好のアピールの場となるのは間違いない。それと同時に、エースを筆頭に、昨夏を経験した選手が多数残る状況での夏春連続出場で、上位進出を狙って然るべき大会でもある。西岡が言う。 「昨夏は下関国際や宇部商が力のある学年で、難しい大会になると思っていた中、3年生と木下たち2年生がかみ合って、甲子園を経験できました。是が非でも勝負したいと思っていた代が、夏の経験を持ってセンバツに臨めるのは大きい。勝負をかけられるところまでは来たんじゃないかなと」 勝負をかける。それは、今大会に複数出場する、木下争奪戦に参加した“王道”の強豪を破って、日本一を獲ることを意味する。 年末年始、香川の実家に帰省した木下は、自室の枕元にある育成計画書を、まじまじと見つめた。残る目標を再確認し、センバツへの思いを高めた。 「自分は、中国地方内では知ってもらえているかもしれないですけど、全国的にはまだまだの存在。センバツではスピードを出すことはもちろん、点を取られないピッチングがしたい。ノーアウトでピンチを背負っても、『点が取れないな』と思わせるようなピッチングで、できるだけ多くの試合で完封したいです。それが自分のアピールにもなるし、チームの目標にも直結すると思うので」 高校野球の終着点である3年夏の目標も、改めて目に焼き付けた。 「3年夏:ストレートは最速152キロ。スライダーなどの変化球の精度も上げて、日本一になり、ドラフト1位でプロに行く」 春が終わったとき、ひょっとすると計画の“上方修正”が必要になるかもしれない。
(「甲子園の風」井上幸太 = 文)
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