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MRIを1億円かけて入れたと自慢しているクリニックの先生を見かけましたが、正直言って「経営の才能がない」と自分から宣言しているようなものです。 今、1.5テスラの一般的なMRIはだいたい6000万円で買えます。もちろん一般の医者だと無理かもしれない。なので一般の医者が買っていいものじゃないんですよ。 1億円と言っている時点で、設備会社に相当うまく営業されているか、完全にカモにされています。 そしてもっと言うとと、普通のクリニックにMRIなんて基本いりません。地域のニーズがあるわけでもないし、採算が取れるわけでもない。 入れている理由はだいたいこの3つです。「格好いいから」「患者へのアピール」「他院に紹介するのが面倒」。つまり医療ではなく、見栄と自己満足です。 MRIを入れると何が起きるか。放射線技師の人件費、年間メンテナンス費、電気代、設置費用、遮蔽工事。固定費はとんでもない額になります。外来が200人や300人の普通のクリニックでペイすると思っているなら、かなり甘い。 CTがあるのに技師がいないクリニック、、医者が設定して回しますが,大体楽に撮影できない。まあそんなの関係ないんでしょう。お金取るためだけに回してるので。 さらに問題なのは、機械があるとCTを回したくなること。本来必要ない患者にも検査を勧めるようになる。こうやって医療費は膨らみ、医療の信頼も落ちていく。 クリニック経営で一番大事なのは「設備自慢」ではありません。固定費を上げないことです。 これから診療報酬は確実に締め付けられます。MRIやCTを当初の回収計画が絶対に可能な数字じゃないのに借金で入れているクリニックは、正直危ないと思います。倒れるクリニックの多くは、だいたい設備投資から崩れます。そりゃそうだ,倒産はキャッシュが尽きることで起きます。 医療は聖職かもしれませんが、経営はただのビジネスです。借金して機械を買って、返せなくなってから「こんなはずじゃなかった」と言っても遅い。 そのツケを払うのは銀行でもメーカーでもありません。本人と家族です。破産した医者の家族,何人も見てますが,そりゃまあ悲惨です。 格好いい機械を置くより、潰れない経営をした方がよほど立派だと思います。そもそも別にクリニックの開業医なんてカッコ良くも何ともないですよ。