取り合われてます。今、現在進行形で!?
新しい教室の、新しい席。
俺──○○は、右前に川崎桜、左後ろに一ノ瀬美空、という
とんでもない位置に配置されてしまった。
先生は絶対わかっててやってる。
桜は、ふわふわ笑いながら振り返った。
「○○くん、これからもよろしくねぇ」
声まで柔らかい。春の空気のようだ。
美空は、とんとんとこちらをつっついて、目を細めて言った。
「ねぇ○○くん今年は絶対、美空が飽きさせないからね?♡」
いや何の宣言だよ。
語尾にハートがつくの美空だけなんだよ。
昼休み、あざとさは突然だ
チャイムが鳴った瞬間、美空が俺の机に手を置いた。
「○○くん♡ 今日ね、美空のお弁当かわいくできたんだよ。見て?」
にこにこしながらフタを開けると、
ハート型の卵焼き
ウサギにされたリンゴ
星の人参
いや完全に男を狙ってる。
「美空、絶対わざとだろ」
「えー?なにが〜?美空が作ると自然とかわいくなっちゃうんだよね♡」
絶対自然じゃない。
でもかわいいから反論できない俺が悪い。
そのすぐあと、桜がやってくる。
「○○くん、これ……桜、クッキー焼いたの。よかったら食べてくれない、かな?」
小袋をそっと差し出してくる。
目がきらきらしている。
断れるわけがない。
「いただきます」
一口。
やさしい甘さ。ぜったい良い子の味。
「え、お。おいしすぎる...…」
「よかったぁぁぁ〜〜〜」
桜の笑顔がまぶしすぎて、俺はたぶん今溶けた。
放課後
帰ろうとした瞬間、美空が俺の腕にぴとっ。
「ねぇ○○くん♡ 今日帰り、一緒に行こ?アイス食べよ?」
その声の甘さ、砂糖なんかよりも遥かに甘い。
桜、スッと反対側の腕を取る。
「○○くん。桜も一緒がいい〜。
駅まで手つなごうよ。ね?」
おい誰かこの状況を止めてくれ。
美空が桜にツッコむ。
「ねえさくたん!それ告白レベルなんですけど?」
「え、桜は告白したつもりだよぉ?」
「いや即答しないでよー!」
桜の破壊力は強い。
なぜ俺が置いてかれてるのだろうか。
ふたりの言葉はぜんぜん違うのに、同じ気持ち
美空は、まっすぐ。
「○○くんは、美空にしたら?
絶対楽しいよ?毎日、笑わせるし、好きっていっぱい言うし♡」
桜は、ふんわり。
「○○くんは〜、桜にしよ〜
なんかね、桜といると、心があったかくなると思うんだぁ」
どちらも違う。
どちらも素敵。
どちらも俺をちゃんと見てくれる。
心が揺れないわけがない。
そしてついに、言わされる
美空「ねぇ、○○くん!答えは?♡」
桜「○○くん、どっちが好きなのぉ?」
俺は、深呼吸して、空を見上げて……
言った。
「お、俺は決められないよ......」
風に乗って響き渡る俺の絶叫。
美空「だよねー♡」
桜「やっぱりそうだよねぇ〜♡」
なぜか二人は笑って、
右と左、それぞれ俺の腕にくっついて歩き出す。
俺は引っ張られながら叫んだ。
「どっちか説明してー!!!」
でも。
夕焼け空の下、
三人で笑う声は、ちゃんとあったかかった。
これは、選ばない終わりじゃない。
まだ春が続いていくっていう、始まりの終わり。
三人の世界はそのまま、少しずつ進んでいく。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
さくみくで書いてみました!
最近さくみくが個人的に来てて書きたくなっちゃいました!
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