広島「ワニ料理」を教えて…「美味しんぼ」からの依頼に料理研究家は
矢代正晶
広島で「ワニ料理」といえばサメのこと。山深い県北東部に根付いたワニの味を広め、グルメ漫画「美味しんぼ」(小学館刊)にも登場した郷土料理研究家(89)が、自伝とレシピ集を一冊にまとめて自費出版した。
「ワニ」とは庄原市や三次市などの備北地方や、山陰地方でのサメの呼び名。古事記の神話「因幡(いなば)の白兎(しろうさぎ)」に出てくる「和邇(わに)」もサメのことだといわれる。
ワニ肉はアンモニアが残っていて腐りにくいため、海から離れた備北地方に持ち込まれた。もちもちとした食感が特徴で、正月などに刺し身などで食べられてきた。
だが昭和後期、冷凍技術や輸送網が発達して他の魚も入手しやすくなると、少しずつ「ワニ離れ」が進んでいった。
そんな頃、地域おこしの目玉として改めてワニに注目したのが小林さんだった。
岡山県新砥(あらと)村(現・新見市)出身の小林富子さん=広島県庄原市東城町=は1961年に広島県職員になり、生活改良普及員として農村の生活改善に取り組んだ。
腐りにくい「ワニ」、山奥で愛され
なかでも力を入れたのが、農…