専用列車で極秘訪中した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、中国の習近平国家主席との首脳会談でしおらしい優等生のようだったと話題になっている。会談の様子を伝える中国のニュースでは確かに、両腕を椅子の肘掛けにゆったりと預けて語りかける習氏と、発言を書き取る正恩氏が教師と生徒のようだ。
今回の会談では両国の和解が演出されたが、史上最悪とさえささやかれた中朝関係の下、急転接近した両首脳の思惑や背景をめぐって、むしろさまざまな臆測を呼んでいる。
正恩氏は米朝首脳会談前に中国の後ろ盾を得たい。習氏も北朝鮮への影響力を再度、米国に見せつけられる。利害一致だ。北朝鮮にはさらに、対中関係改善をてこに対話姿勢を広く印象づけ米国の軍事、制裁の圧力を下げる効果も狙えた。
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中国の北朝鮮への接近について、実は今年に入って中国共産党の外交窓口である中央対外連絡部(中連部)幹部が日本の有力与党政治家を対象に、対北認識や政策の軟化を誘導しようと動いたフシがある。
中国筋によると与党有力者に中連部は「正恩氏は平昌五輪を足掛かりに対話姿勢に転換する」と予告し、「転換の最大要因は制裁による国内経済の行き詰まりである」と主張した。