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横浜市中学校給食が2026年4月から全員提供へ!温かい給食・アレルギー対応を支える新給食センター

いよいよ2026年4月から、横浜市立中学校で全員給食が始まります!

「温かい給食って、どんな感じ?」「たくさんつくると聞くけれど、どうやって運営されるの?」そんなふうに思っている保護者の方も、いらっしゃるかもしれません。

今回取材したのは、これから毎日、中学生のお昼ごはんを支えていく「横浜中学校給食センター」。2025年12月に完成したばかりの新しい給食工場で、竣工式と施設内覧に潜入しました!

工場の外観を斜めやや下から映した写真。外壁は青色、水色、白色がベースになっている。2階建てで、窓がいくつかある。湯気などを排出する銀色のパイプが太陽光を受けて光っている。空は雲一つない快晴。
給食工場の外観

横浜市の中学校給食を支える、新しい拠点!
“日本最大規模”の給食センター

横浜中学校給食センターは、1日あたり最大3万食を調理できる、日本最大規模(提供食数ベース)の学校給食センターです。

横浜市立中学校全体では、給食の提供数は約8万1,000食。そのうち、この給食センターからは約2万8,000食が、金沢区、磯子区、中区、南区、港南区、栄区、戸塚区の7区・56校の中学校に届けられる予定です。

とても大きな規模に驚きますが、実際に見学して感じたのは、この給食センターは「たくさんつくる」ためだけではなく、毎日安全でおいしい給食を安定して届けるための場所であり、安全につくるための工夫が沢山なされているということでした。

温かい汁物を食缶方式で提供すること。アレルギー対応食を、一般食とは分けて調理できること。そして、毎日変わらない品質で、安定して給食を届けること。そうした思いを実現するために、建物の構造や人の動きに至るまで、細やかな工夫が随所に施されています。

給食の様子。2人の生徒が写っている。1人は箸を持って笑顔を浮かべている。もう1人はその生徒の方を見て笑っている。机の上には汁物が入っている食器、ご飯やおかずが入っている容器、ドリンクがある。後ろにはロッカーが見える。
6人が机を合わせて給食を食べている。1人は片手でグッドサインを出して笑っている。まわりには、汁物の具材を食べている生徒や、おかずに箸をのばして笑っている生徒がいる。
並木中学校の給食の様子

竣工式には、関係者80名以上が参加!
新しい給食センターの船出を祝う一日

竣工式の様子。中央上部には「祝 竣工 横浜中学校給食センター」と書かれたパネルがある。その下には金色の屏風があり、その前に7人のスーツを着た関係者が立っている。白手袋をつけた手元にはカットしたばかりの紅白のテープとハサミを持っている。胸元には花形のリボンをつけている。足元に赤い絨毯が敷かれている。手前には14人ほどの参加者が椅子に座って拍手をしている。屏風の両脇には資料を投影するためのモニターがあり、さらにその後ろの壁には紅白の布が張られている。

給食センター完成の節目として、1月9日、横浜中学校給食センターの竣工式が行われました。

式には、横浜市の関係者をはじめ、運営事業者、設計・建設・設備に携わった関係企業、地域の方々、市内中学校の校長など、80名以上が出席しました。

当日は、市立並木中学校(以下、並木中)の生徒が給食センターを見学した際の動画も上映され、新しい設備を前にした生徒たちの様子が紹介されました。


工場施設内の中央で、黒いコンテナボックスを手に担当者1人が説明をしている。その横で2人がごはん用の容器を手に持っている。手前には13人ほどの参加者が、説明を聞いている。奥には給食をつくる機械が写っている。
竣工式にあわせて行われた、施設内覧の様子

これからこの場所が、毎日の中学校給食を支える拠点として本格的に動きだす。そんな始まりの空気を感じるひとときでした!

見学して実感!横浜中学校給食センター“6つの注目ポイント”は?

横浜中学校給食センターでは、安全・おいしさ・続けられることを大切にしながら、日々の運営を見据えた設計や仕組みづくりが行われています。実際に見学して見えてきた、6つのポイントをご紹介します。

①衛生管理は「がんばり」だけに頼らない

施設内では、生の食材を扱う工程と、加熱後の給食を扱う工程がはっきり分けられています。調理前と調理後の作業が交わらないよう、人の動きや通路も細かく設計されています。

帽子、白衣、ズボン、靴を身につけた8体のマネキンが展示されている。それぞれ違った色の白衣を着ている。白衣は8種類、帽子は6種類、靴は4種類、色が異なっている。マネキンそれぞれの胸元に紙が貼られている。右から順に「Aライン 汚染区域」「Aライン 非汚染区域」「Bライン 汚染区域」「Bライン 非汚染区域」「炊飯・洗浄 汚染区域」「炊飯・洗浄 非汚染区域」「アレルギー 汚染区域」「アレルギー 非汚染区域」と書かれている。手前には6脚の椅子が置いてある。
工程ごとに分けられた白衣
中央に自動扉とエアシャワーが見える。扉の前とその奥は水色の床になっていて、写真手前はクリーム色の床になっている。
タッチレスで開閉ができる自動ドア。青色が加熱後の給食を扱う工程というように、床を色分けでゾーニング。「調理前」の色の白衣を着た人が間違って入らないような工夫が分かりやすい

エアシャワーを通ってから調理ラインへ。手洗いもタッチレスとなっています。タイマー付きで45秒間を2回、しっかりと手洗いができます。

盛付後は人の目で確認したあと、必ず金属探知機を通過します。異物が検知されると、ラインは自動でストップ。

手前に光るレーンがあり、その上に紙が置いてある。その奥で、1人の大人と4人の生徒がレーンを見ている。大人は指をさしている。口を開けて真剣なまなざしをしている生徒や、手を口元に当てて驚いている様子の生徒がいる。
光るレーンを上から見た図。黒い小さな点がまばらに印刷されている2枚のコピー用紙がのっている。
検品コンベア「みえるんるん」。野菜などの食材をバックライトで照らすことで、異物の発見をサポート
白いレーンに、そのレーンに通るものをチェックできるように囲む機械がある。機械を通った先に給食の容器が2つ、蓋をされた状態で置かれている。奥にも同じようなレーンがある。
盛付後は金属探知機でチェック

ほかにも、一般食とアレルギー対応食の調理場が完全に分かれているなど様々な工夫があり、「見落とさないように頑張る」のではなく、見落としにくい環境が整えられている

その考え方が、施設全体に行きわたっているように感じました。

②大量調理でも、品質は安定

1日最大3万食という規模を支えるため、調理・洗浄・盛付の一部はオート化されています。

人の手が必要なところと、機械に任せるところを分けることで、日々の品質にばらつきが出にくい工夫がされています。

角を下向きにした円錐のようなかたちの機械、その下に大きな容器が3つある。容器は動くレーンの上に置かれている。機械のそばには8つのダイヤルのようなものがついたモニターや、階段がある。
ごはんもオート化! 米の計量、炊飯、盛付が自動で行われる
ロボットを下から映した様子。いろいろな方向に動かせるようなボディで、一番上は物をつかめるように、この字型になっている。機械の右手前には黒いコンテナボックスが5つ積み上げられていて、一番上のコンテナボックスを、機械が取ろうとしている。
コンテナやランチボックスの洗浄を行う洗浄ロボット。異物混入を防ぐ専用素材のコンテナは重量があるため、ロボットアームで作業負担を軽減している
左手に洗浄用のレーン、コンテナ、機械があり、右手にその機械を眺める3人の生徒がいる。少し口を開き、真剣で驚いた表情をしている。
並木中の生徒も興味津々
モニターに、クラウドシステムの画面が映されている。右に「メイン」「設備一覧」「設備保全」「アカウント管理」などのメニューがある。画面全体には「一覧モニタ」が映されている。「凡例」という欄に、緑色に「正常運転」、青色に「オペレーション確認」、黄色に「お知らせ」、赤色に「異常」、灰色に「確認不可/運転停止」と書かれている。その下に「1号機」「2号機」などの機械名と、そのイラストと運転状況がある。運転状況は、緑色の円の中央に「運転中」と書かれているものや、灰色の円の中央に「電源OFF」と書かれたものがある。
クラウドシステムで設備や、空間の温度・湿度を一元管理

③「おいしい」を大事にする設備

焼く・煮る・蒸すができる過熱水蒸気調理器「SVロースター」も導入されています。食材の水分を生かしながら高温で調理できるため、外はカリッと、中はふんわり。大量調理でも、食感や風味をできるだけ保てるのが特徴です。

仕上がりは、機械任せにせず、人の目でもしっかり確認。毎日の給食だからこそ、細かなチェックが重ねられています。

SVロースターの蓋を担当者が開けている様子。
SVロースター。焼く、煮る、蒸すの調理を行えるコンベア式の調理機器で、バリエーション豊かな献立に対応!
回転釜の中を並木中の生徒が、驚いた様子で覗いている。
回転釜が14台ほど写っている。手前の1台は少し手前に傾けられ、蓋が開けられている。担当者が大きなヘラを持って回転釜の中に入れている。釜の横には円形のハンドルがある。
回転釜。蒸気によって、汁物やカレーなどを調理し、温かい給食が届けられます

④「混ざらない」から安心。アレルギー対応給食の仕組み

一般食とアレルギー対応食は、食材の納品から調理、盛付、配送まで、入り口から別。同じ建物の中でも、人の動きや作業が交わらないように設計されています。

食品庫や仕込室、調理室も、アレルギー対応食専用のラインを確保。

アレルギー対応食をつくるエリアでは、栄養士が立てた献立に基づき、卵・乳・小麦・そば・落花生(ピーナッツ)・大豆・えび・かに・くるみといった9大アレルゲンを使わない給食が調理されます。横浜市では、この工場と都筑区の工場の2ヶ所で市全体のアレルギー対応食をつくるとのことです。

左の扉に「アレルギー食用調理前冷蔵庫」と書かれている。その前には、足元がローラーになっている台が6つ、2列に並んでいる。その先には上下にスライドするガラス窓があり、ガラス窓の先にも同じ高さの台がある。室内にはエアコンや時計がある。
アレルギー食用盛付室。アレルギー対応の給食だけで1日1,600食つくれる規模! 食材の納品から、一般食と分けて管理

対応を複雑にしすぎると、確認すべきポイントが増えてしまいます。そこでこのセンターでは、工程を明確に分けることで、日々安定して安全性を保ちやすい仕組みが選ばれています。

「気をつける」だけではなく、そもそも混ざらない前提で設計されていることが大きな特徴です。

⑤災害時にも、地域を支える場所に

施設には太陽光発電設備が設置され、災害時に備えた備蓄や移動式の調理設備も用意されています。緊急時には、地域の方への炊き出しにも対応できる体制です。

左に災害時用の移動式回転釜、右にコンロがある。移動式回転釜は下に4つの大きな車輪がついている。寸胴で、上がお椀型になっている。ハンドルがついていて、動かしやすくなっている。コンロは四角い、シンプルな形をしている。小さな車輪が4つついている。
災害時用の移動式回転釜とコンロ

⑥給食ができるまでを、見て知る

見学通路や多目的室もあり、調理の様子を間近で見たり、食育の授業を行ったりすることができます。実際の調理風景に触れることで、給食がどのようにつくられ、学校へ届けられているのかを知ることができます。

事業責任者に聞きました!この給食センターで、大切にしていること

寺田さんがインタビューに答える様子。にこやかに話している。
横浜中学校給食センター 統括責任者の寺田直生さん

── この給食センターで、特に大切にしていることは何ですか?

「何よりも衛生ですね。給食において、安全であることは絶対の前提です。例えば、一般食とアレルギー対応食が調理過程で交差しないよう、入り口から動線を完全に分けています。人の注意力だけに頼らず、『仕組み』でミスや事故を防ぐことを大切にしました」

── 新しい中学校給食が始まるにあたり、今どんな思いがありますか。

「安全については当たり前のこととして徹底した上で、やっぱり『おいしかった』と思ってもらうことが一番ですね」

写真左手に炊飯のレーンがある。その前に寺田さんが立っていて、レーンのほうに手を伸ばしながら説明している。
炊飯室の中を案内する寺田さん

「私も横浜市の出身なのですが、当時は中学校給食がありませんでした。小学校の給食は『あれが好きだったよね』とよく話題になりますが、中学校にはその思い出がありません。だからこそ、今の生徒たちには、中学校の給食についても『あれ、おいしかったよね』と語り合えるような、そんな時間を持ってもらえたらと思っています」

インタビューの様子。両手を前に出して、説明している。
「地元の横浜にこのような形で恩返しができることを、とても嬉しく思っています」と語る寺田さん

「給食で思い出をたくさんつくって、将来大人になってからも、当時の思い出を語り合ってもらえるような給食にしていきたいです」

毎日の給食を、仕組みで支える場所

給食は、毎日の生活を支えるもの。

その「当たり前」を守るために、さまざまな工夫や仕組みが積みかさねられています。横浜中学校給食センターを取材することで、その背景を知ることができました。

いよいよこれから始まる中学校給食。安心でおいしい給食を提供する環境が整い、横浜市は中学校給食の新たなスタートを迎えます!

ヨコエデュ編集部 高橋
30代ライター。教育や学びをめぐる、人の思いや変化に関心があります。
日常のなかで出会う小さな気づきを大切にしています。

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