開幕前に見えた序列 中日・中西が軸…セ新人王レースに潜む“伏兵”
開幕まで1か月を切ったプロ野球。ペナントレースの行方はもちろん、個人タイトル争いも気になるところだが、中でも注目されるのが新人王争いである。野球人生で一度しか受賞できない特別なタイトルであり、1年目の目標に掲げるルーキーは多い。一方、新人王の資格を残す入団2年目以降の選手にもチャンスはある。そんな新人王レースについて、ここまでのキャンプやオープン戦でのプレーを踏まえて展望していきたい。今回はセ・リーグ編である。【西尾典文/野球ライター】 【写真特集】プロ野球監督別リーグ優勝回数ランキングベスト10(1990年~2024年)
周囲に気を配りながら自分の意見をはっきり言える
まず本命に挙げたいのが、中日のドラフト1位ルーキー・中西聖輝(青山学院大)だ。智弁和歌山では3年夏にエースとして甲子園優勝を果たし、青山学院大では全国屈指のレベルを誇る東都一部で通算17勝3敗をマーク。学生最後の大会となった明治神宮大会では、決勝で17奪三振完封という圧巻の投球を見せた。150キロ前後のストレートと多彩な変化球を高精度で操る完成度の高さが最大の武器だが、それだけではないという。 「高校、大学と強豪校でエースを務め、大舞台を経験してきた点は大きい。精神面が非常にしっかりしています。捕手と積極的にコミュニケーションを取り、周囲に気を配りながら自分の意見をはっきり言える。性格的にプロ向きだと思いますね」(中日球団関係者) キャンプ中の練習試合では2試合4イニングを無失点と順調なスタートを切った。好投しながら打線の援護を欠く展開は懸念材料だが、ローテーションを守れれば一定の数字を残す確率は高い。 一方、対抗馬として挙げたいのが、同じくドラフト1位の左腕・竹丸和幸(鷺宮製作所→巨人)である。崇徳高時代は無名に近い存在だったが、城西大、鷺宮製作所で着実に力を伸ばし、昨年は社会人最高峰の都市対抗で堂々たる投球を披露した。 細身の体から鋭く振り抜く150キロ前後のストレートは数字以上の勢いがあり、チェンジアップやスライダーは一級品。本格派左腕にありがちな制球難は見られない。オープン戦初登板となった2月22日の中日戦では2回無安打3奪三振無失点と上々の内容だった。 課題はスタミナ面にある。社会人時代はシーズンを通してフル回転した実績が多くなく、登板間隔が詰まると球威が落ちる傾向があった。さらに巨人は楽天から獲得した則本昂大、ハワード、新外国人のウィットリーら先発候補が豊富で、状態を落とせばローテーションから外れる恐れがある。いかにコンディションを維持できるかが鍵となる。