【フロエー】ねえ、オレに夢中になってよ!
見切り発車で書いた甘々のフロエーです。楽しかった。
なお当初の構想からは大幅に外れました。
※もう完全に今更ですがフロのユニバパソストネタです。ガッツリネタバレしてます。ご自愛ください。
※フロが大分ベタ惚れのフロ→←エー(付き合ってない)
※なんでも許せる方向け
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何年ぶりかに小説を仕上げました。サクサク話が進みサクッと読める話を目指したものの、結構文字数が増えましたね。何故でしょう。
まあでも個人的に1万字いってないならサクッと読める括りに入れるので、これはサクッと小説ということにします。暇なときにでも読んでください。
あとマジでどうでもいいことなんですがエスポラの一人称めちゃめちゃ書きやすいですね。ていうかエスポラがそもそも書きやすい。
この話書いてるときに一番困ったのはエデュの同室の子たちの口調です。一応区別がつくように書いたつもりではありますが、完全に捏造です。
出たパソスト全部読んでるわけではないうえに結構話を忘れたりしてるので、わからないままに書きました。面倒なので調べてません。もし彼らの口調があまりにも間違っていたらコソッと教えてください。あと誤字脱字もちゃんとチェックしてないのであったらコソッと教えてください。気力があれば直します。
ちなみに同室の子たちですが、ダイヤの子とクラブの子ということにして(マジで調べてません)、ダイヤの子はゆるっとした喋り方、クラブの子はThe・男子高校生の喋り方、というイメージで書いてます。
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夜9時半。良い子は眠る時間だが、現役男子高校生のオレらにとっちゃここからが夜本番だ。夜本番とか言って、別にはしゃいで騒ぐってわけじゃないけど。ちょっと同室のヤツらとだべったり、マンガとかスマホ見て軽く夜更かしするくらいはしたいじゃん。少なくとも、オレはジャックみたいに規則正しい生活バンザイ!とか、思ってねーし。
今日の課題はもう終わらせた。一番手強かった課題はオレの得意な魔法解析学だったから順調に終わったし、他の教科はだいたい基礎演習って感じで、苦戦なんかするわけない。同室の、隣で机に向かってウンウン唸ってるデュースはそうじゃないみたいだけど。
まあ、つまり、今日はもう寝るまでゴロゴロダラダラできる。明日も学校はあるけど、飛行術はたしか無かったし、明後日は休みだしで、多少の夜更かしは何とかなるでしょ。はい、オールオッケー。
ベットに寝っ転がり、スマホを頭上に掲げて眺める。いいなって思ってるブランドの新作の靴と服を見たり、参考にしてるバスケプレイヤーのシュートを繰り返し再生したりして。うーん、やっぱサイコー。ダラダラに適うものはねーわ。
恨みがましくこちらを見てくるデュースに、のんびりしてますよ、とこれみよがしに鼻歌なんか歌ってみせていると、さっきまでスマホゲームに興じていたはずの残りの同室のヤツらが、おもむろにデュースに話しかけてきた。どうやらゲームに飽きて手持ち無沙汰になったらしい。課題やってるやつにわざわざ話しかけるとか、配慮ゼロでウケる。
「ねー、そういやデュースってさ、あのオクタヴィネルのフロイド先輩の、バースデープレゼンターだったんでしょ?たしかちょっと前誕生日だったよねぇ、あの双子」
「ああ、幸運のダイスに選ばれたって言ってたよな、そういや。どうだった?」
幸運のダイス。そしてそれに選ばれたプレゼンター。そうそうたしか、デュースはそれで、フロイド先輩のもとに行っていた。プレゼントを選ぶために、オレにも先輩の好みのものとか聞いてきてたし。
「いや、どうと言われても。別にそんな変なことはなかったぞ。ちゃんとプレゼントも渡したし」
「うわ、マジでやってきたんだ。すげー。怖くねえ?あの人。俺あんま関わりないからさあ」
「うーん、まあ怖くないと言ったら嘘になるが、意外となんとかなったな。プレゼント喜んでくれたぞ。インタビューもちゃんとしたし」
「へえ、そうなんだ。まー、浮き沈み激しいもんなあの人。よかったじゃん」
プレゼント渡してインタビューして、ってことをフロイド先輩相手にやり遂げるとなると、不機嫌状態だととても出来たもんじゃない。機嫌が良いときですら急にドン底までいったりすることもある。最後まで手綱握ってインタビューまでやり遂げたなんて意外とやるじゃん、デュース。別にわざわざ褒めはしないないけど。……多分オレだってやろうと思えばできるし。
「ちなみに、何渡したの?」
「僕と一緒に、マジカルホイールでドライブできる券だ。リーチ先輩は楽しいことが好きだってエースから聞いたからな」
「マジ!?何それやばくない、ウケる!」
「え、それフロイド先輩と2人乗りするってこと?お前すげえな……俺怖くて無理だわ……」
「ビビりぃ〜」
「うるせ、テメーもだろが」
まあ、うん、たしかにオレじゃ絶対浮かばない発想だ。これで喜んでもらえてるんだから割とマジでやるな、デュース。…まあ、オレだって先輩が喜ぶプレゼント、ちゃんと個別であげましたけど。
「エースがいろいろ教えてくれたから、自分できちんと考えられたんだ。まあ、どうせなら好きなことじゃなくて欲しいもの言えとは言われたが……。……ああ、そうだ、そういえば、エースの話も結構したな」
「え?オレ?」
「えぇ、エースのこと?部活で一緒だからってこと?何、何話したの?」
「生意気だって?」
「ツメが甘いってぇ?」
「殴るぞお前ら」
「あ、ツメが甘いって話はしたな」
「してんのかよ!」
夜なのに叫んだじゃん。オレのいないとこでどんな話してんだよ、ふざけんなっつの。クソ、お前ら笑いやがって。後で覚えてろよ。
「いや、なんか、リーチ先輩はエースのそういうツメが甘いとこ、面白いと思ってるって話だった」
「はあぁ?あの人、オレのことバカにしてるじゃん!面白いってオモチャかよ!」
「オモチャ……うん、まあ、そんな感じの言い方だったな……。フフッ」
「笑ってんじゃねえ、バカデュース!」
「誰がバカだ」
あの人、ほんとマジ、そういうとこ!いっつもオレで遊んでくるし、こっちのことブンブン振り回してくるし、もう、マジでムカつく!でもこんなこと思ってるって本人の耳に入ったらえらい目に合うに決まってるから、結局なんも言えないのもムカつく〜!
「でもまあ、リーチ先輩はエースのこと大分気に入ってるみたいだったぞ。この話したのも、エースなら弟にしてもいい、ってリーチ先輩が言ったあとの流れだったしな」
「…弟ォ?ああ、なんか、兄弟にするなら、みたいな質問?あったなそういや。オレも誕生日んとき聞かれたわ」
「そうか、エースはもう誕生日来てるもんな。リーチ先輩、その質問にエースの名前を出したんだ。お前は面白いから見てて退屈しないし、弟にしてやってもいい、らしいぞ」
「………へえー」
「先輩、退屈なやつと兄弟なんてごめんなんだそうだ。エースはお眼鏡にかなったみたいだから、結構気に入られてるなって。ツメが甘いってことがわかってるのも、エースのことちゃんと見てるんだなって感じたしな。ウマというか好みというか、まあ気が合ってるって楽しそうに言ってもいたぞ。よかったなエース、かわいがってもらって」
いや別によかないけど。でもまあ、ふうん、へえ。そうなんだ。フロイド先輩、オレのこと叩けば喚くオモチャくらいにしか思ってない感じしたけど、オレ、意外とかわいい後輩だったんじゃん?デュースの目にもわかるくらい気に入られてるんだ?
……ま、そんなに可愛がられてちゃ、悪い気はしないかな。さすがオレ、愛嬌たっぷりってね。ふふん。ツメが甘いとか面白がってるのは馬鹿にされてる気がするから、聞かなかったことにする。
「満更でもなさそうだな」
「ちょろ」
「ちょろエース」
「ちょろいな」
「っっるせぇテメーらマジで殴んぞ!つーかそんな話してる暇があるデュースくんは課題終わったんですかぁ〜?」
「あ゛っ!?やべっ、」
「手伝わねーからなバーカ!」
「そっ、うっ、誰がバカだ!」
なんて、話をしたのがつい先日。あの日から今日まで何回か部活はあったけど、フロイド先輩は気分が乗らなかったらしく、今まで姿を見なかった。
つまり今日、フロイド先輩が部活にやってきた今、久々に、かわいい後輩のエースくんが話しかけてあげようじゃん。とか、言っちゃってね。先輩の機嫌も悪くなさそうだし。
「フロイドせーんぱい!ちわーっす!」
「あ、オレの誕生日に靴プレゼントしてくれなかったカニちゃんじゃ〜ん」
「ちょちょ、どんだけ引っ張るんすかそれ!靴じゃないけどプレゼントは贈ったでしょ!」
「ハァ〜?オレが散々アピったのに袖にしてたじゃん。酷いよねえ」
「いや、言い方!袖にするって!ていうかそれフロイド先輩も一緒じゃないすかしたこと!オレも靴アピったし!でも贈ってくれなかったし!」
「記憶にございませぇん」
「ずっる!」
部活が始まるギリギリの時間に、人よりいっとうでかい体を揺らしながら更衣室に入ってきたフロイド先輩に近寄って、軽口を言う。オレを弟にしてもいい、とか言ってたって話を聞きたいと思ってたから、先輩の方から誕生日の話振ってくれるなんてラッキーだ。乗らせてもらおっと。あわよくば、先輩の口からかわいい後輩のエースくん、なんて言葉を引っ張り出してやる。せっかくなら本人から聞きたいし、ね。
「まあ、それはじゃあどっちもどっちってことで、しょうがないんで水に流すとして。先輩、誕生日と言えばさ。兄弟にするなら?って質問にオレの名前出したって、聞いたんですけど!」
「あー……?ウン、言ったけど。何、サバちゃんから聞いたの?」
「ハイ、そーです!フロイド先輩、オレだったら兄弟にしてもいいんだ〜?ねね、なんでですか?なんでオレ?」
「………………んー、別にい。なんとなく」
………………えっ。なんとなく?
んなバカな。
「ちょ、いやいやいや、なんとなくって。わざわざオレ選んだんだから、なんか理由あるんじゃないんですか?ほら、自分で言うのもなんですけど、話しやすいとか、面白いとかさあ」
「えー、そんなんねーけど。マジでなんとなく。サバちゃんがあんとき目の前にいたから、なんとなくサバちゃんとおんなじ寮のカニちゃん」
「なにそれ!?オレ見てると退屈しないからってのは!?」
「えー、そんなん知らねーけど」
は!?いやいやどうなってるわけ、デュースの話と違うんですけど!オレが、退屈しないかわいいお気に入りの後輩だからじゃないの?
いや、待て。バカ正直なデュースがフロイド先輩の言ってたことをわざわざ変えるなんて、そんな面倒で変な嘘吐くわけない。これ、フロイド先輩がとぼけてるんじゃね?いや、でも、なんのために?意味がわからない。
「なんか、デュースが言ってたんすよ!オレだったら退屈しないって、先輩が話してたって!アイツ嘘なんか言うタイプじゃないって、分かるでしょ?」
「じゃあ、サバちゃんの記憶違いじゃねえの?オレ、そんなこと言ってねえもん」
「いやいやいやいや!そんな記憶違い普通ある!?いくらアイツでも!」
「あるんじゃね?てか普通に失礼でウケる〜」
んなバカな!納得いかない!なんで先輩、こんな妙なとぼけ方すんの!?オレのこと、退屈しない、面白いって、なんでデュースには言ってて、直接オレに言わないわけ!?
「……あは、カニちゃん、変な顔してんねえ。頭ん中、いっぱいになっちゃって」
「んむ゛、ちょ、手ぇでか!ほっぺ挟まないでくだ、むむむ゛」
「んふふ、そういやさあ、話してて思ったんだけど、サバちゃんって、素直でかわいい後輩って感じだよねえ」
は?
「一生懸命でまっすぐって言うかあ、なんか、よしよし頑張ってんね、って言ってやりたい感じって言うかあ」
は?……はあ?
「オレの周りには今まで居なかったタイプだし、ウン、サバちゃんだったら弟にしてもいいかも、……なーんて」
……は、
はああああああああ!?!?!?
「な、なん、なにそれ!オレじゃないの!?だって、インタビューのときはオレって言ったんでしょ!お気に入りなんじゃないの!?退屈しないんじゃないの!?素直な後輩がかわいいって、デュースって、オレと完全に正反対じゃん!」
「あ、正反対って自覚はあるんだあ」
「いやそりゃさすがに、じゃなくて、オレの方がアイツより先輩と、せん、フロイド先輩のかわいい後輩枠って、だって、」
オレなんじゃないの!
「…………んふふ、ふ、あはははは」
「ちょ、何笑って、」
「あは、カニちゃん、すんごい自信だねえ。自分のこと、フロイド先輩のかわいい後輩だと思ってんだあ?」
「……う、」
…………ま、待て。今オレ、妙に焦って、……いや、これ、嫉妬…して、かなり恥ずかしいことを口走ったのでは。……………………やばい。
「うわ、いやま、オレ何言って、ちょ、忘れ、忘れてください!」
「あははは、焦ってんねえ。あんなに大声で、自信満々だったのに?」
「いや今のは冷静じゃなかったというか、言うつもりではなかったというか、」
「んふ、思ってはいたってこと?」
「うあ゛っ、ちがっ、————ああ、もう!!」
ダメだ、我ながら完全に墓穴。くそ、やらかした。自分のことかわいい後輩とか大声で言って、わかりやすく焦って、綺麗に墓穴掘って。てかまず、デュースがかわいい後輩って、弟にしてもいいって言われたのに対して、オレには言わないのに、とか思って嫉妬したとこでもう手遅れじゃん。
自分の顔に熱がどんどん集まるのが、自分で痛いほどにわかる。もはや恥ずかしすぎて、涙目になってきてすらいる。もうこれ以上顔を晒したくなくて、しゃがみこんで両腕を組み、顔を埋める。
「あは、カニちゃん、顔隠しちゃった」
「隠すでしょおそりゃ……ぜってえ真っ赤になってるし……。ああもー、ほんと最悪。恥ずかし…………」
「ホンモノのカニになったみたいじゃんねえ」
「やめ、突っつかないでくださいマジ…………」
「んふふ、安心してねえ、カニちゃん。さっきの、嘘だから」
「………………はい?」
「あは、こっち見た。あのねえ、だから、嘘なんだって。ちゃんと覚えてるよ、インタビュー。カニちゃんってツメ甘くてさあ、そういうとこ面白くて、退屈しないから、弟にするならカニちゃんが悪くないなあって言ったよ。なんとなくじゃなくて、ちゃんとオレが考えて、カニちゃんだからいいなって思ったの」
「……は、」
「んふ、固まっちゃった。カニちゃんの言うとおり、カニちゃんはちゃあんとオレのお気に入りだよ。サバちゃんもおもしれえけどねえ、ほら、単純すぎるとこあるじゃん?だからさっきの、サバちゃんを弟にしてもいいってのも、嘘。オレはカニちゃんの方が面白そうで好きかな。あは、あのね、カニちゃん。オレのいっちばあんお気に入りの、とーってもかわいいかわいい後輩はね、」
カニちゃんだけだからね。
いつもより数段機嫌が良さそうに、甘やかな声で、とろけるような笑顔で、先輩はオレに向かって囁いた。
……………………あ、これ、やば。
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お、やっほー、ウミヘビくん。呆れた顔してどうしたの?
……ああ、んふふ、今の聞いちゃってた?そっかあ、もう部活始まるから、オレとカニちゃん呼びに来てたんだねえ。ウンウン、ぜえんぜん気づかなかったなー。
……あは、ちょっと棒読みすぎ?ま、カニちゃんには黙っててあげてね、聞いてたこと。多分恥ずかしすぎて死にそうになっちゃうから。いやあ、オレってばほんと優しーね。先輩の鑑ってやつ?…………そんな微妙な顔することなくねえ?
ああ、カニちゃんならね、首まで真っ赤っかになって、走ってどっか行っちゃったよ。いろいろ耐えられなくなったみたい。今日の部活は多分サボるだろうからねえ、代わりにオレが頑張ってあげる。気分いいからね。
……んふ、ほんとかわいいよねえ、カニちゃん。サバちゃんからさ、兄弟にするなら、の質問でオレがカニちゃんを選んだの聞いたみたいで、その話してきてさ。かわいいお気に入りの後輩ですよ、カニちゃんは特別ですよって、オレの口から言ってほしそうにしちゃってねえ。オレがテキトー言ってなんとも思ってませえんみたいな態度とったら、超わかりやすくうろたえて。いやあほんと、ツメが甘いよね。顔と態度に出すぎて、オレにぜえんぶ考えてることバレちゃってるもん。ほんとかわいー。
ウン、でも、もういい感じかな。オレが他の子のこと褒めたりかわいがったりしたら、あからさまに嫉妬してたもんね。そんできれいに自爆してたし。ウミヘビくんも聞いてたでしょ?先輩のかわいい後輩はオレなんじゃないのーって。……あは、録音しとけばよかったなあ。惜しいことしちゃった。
ふふ、しかも、オレがカニちゃんがいちばんだよおって言ったとき、もうさ。もうね、すんごいかわいい顔してたの。なんて言うのかなあ、安心みたいな、歓喜みたいな。超嬉しそうで、それでいて、オレに至近距離で口説かれてるから、キャパオーバーでぐるぐるになっちゃって。なんか言おうとして、結局なんも言えなくて、鯉みたいに口ぱくぱくさせて。……ああ、そうそう、例えるなら、オレにメロメロでーすって顔に書いてある感じ。あは、ほんとかわいかったなあ。オレもメロメロになっちゃいそう。
……ん?もうなってるだろって?
あは、さすがウミヘビくん。そうだねえ、オレはもうとっくにカニちゃんにメロメロでえす。
いやあ、機嫌よくもなるよねえ。さっきの顔を見るに、カニちゃん、オレにいちばんって言われて、嬉しくて、自分の気持ち自覚しちゃったんじゃない?今までもいっとうオレに懐いてる態度ではあったけど、無意識っぽかったもんね。ウンウン、頑張ったかいがあった。
今まではオレの健気なアピールも袖にされてたけど、これからはちゃんと相手にしてくれるよね。ってか、ここまでしてオレを相手にしなかったら締める。ま、多分大丈夫だろうけど。向こうももうメロメロだもんねえ。
あは、明日からのかわいいカニちゃん、楽しみだなあ。
これからは、ずっとずっと、オレのことで頭ん中いっぱいにしてあげる。