【腐向】神主兄貴と子狐弓さん小話
マジノリでなんとなーく描いたのでちび弓さんと神主兄貴についてはまったく考えてなかったのですが仕事中に湧いてきた。私の脳はツンデレ機能でもついているのか、いらんよそんな機能! ■狼=大神は妄想です。我らが慈母に心奪われた者なら一度は必ず考えてしまうと思う。
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黙っていれば見目麗しいのにと思う。自分のような妖を神社に住まわせてしまうような変り者の神主ではあるが、見た目はまるでカミサマのようだと思った。カミサマなど見た事もないのだけれど。
空より青い髪の色。夕焼けよりも赤い瞳。月のように白い肌。どこをとってもきれいだと思う。少々、中身が残念だが。
髪の色とおそろいの狐耳と尻尾をぴこぴこふさふさ振りながら小さな歩みで廊下を歩くエミヤはつらつらとそんな事を考えていた。その両手で持った笊には野菜がこれでもかと盛られている。
規模の割に神主一人だけでやりくりしているこの神社ではエミヤも立派な働き手なのだ。例えもみじの如く小さな手と足しか持たない幼子であったとしても。
けれど、それは外見上だけの話で、エミヤは見た目通りの子供ではない。ヒトでいうなら三十年ほどは生きているはずだ。あと三十年もすれば手足もすっかり伸びきるだろう。
そうしたら、
「エーミヤ」
後ろからひょいと抱え上げられた。
まるで自分が仔猫か何かのように扱われている感じで気にくわない。
背が伸びたら、そうしたら、この男を見下ろしてやろう。
エミヤは肩に己を乗せて笑う男、ランサーをじろりと睨み付け、にか、と笑い返してきたランサーの横っ面に尻尾を叩き付けてやった。
***
むしろ我々にとってはご褒美です。
***
「きさま、どこの者だ。嗅ぎ慣れぬにおいだが、狐か?狸か?」
「ど、どっちもちがう」
「なら、何の化生だ」
「え、えーっと…」
「ああ、もしかして狼か? これは失礼した」
一人…一匹? で勝手にうんうん納得するアヤカシによくわからないけどそういうことにしておこう、とセタンタは黙っておくことにした。
「…おまえはなんのケショーなんだ?」
「私は見ての通り狐だ」
ああ、やっぱり。
そう言うと狐は決まり悪げに身動ぎした。
「私だって満月の夜なら君のように完璧に化けられるさ」
今はまだ妖力が足りないのだと早口で言う。
「私のような者と違って君達狼は大神とも言うし、生まれながらの大妖が多いんだ」
少し拗ねたような口調で狐は言う。本当は大人たちが言うには自分は母上とバケモノのアイノコで、村では気味悪がられているのだが、それを言ったら大人たちと同じく自分を狐も嫌うのではないかと考えてセタンタはやっぱり黙っておいた。
ああ、それにしてもと狐はため息を吐いた。
「君のようにうつくしい妖は初めて見た」