現場から

第1回母の慟哭「卑怯でも、生きててほしかった」息子は津波で職に殉じた

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石橋英昭
【動画】命を守る人を守る 3.11 重い教訓
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Aストーリーズ「命を守る人を守る」(1)

 月に一度、荒(あら)セツ子(77)は仙台市内からバスと電車を乗り継ぎ、ここへやって来る。

 仙台空港のそば、海沿いの集落の跡。かつて家々が並んでいた土地を、枯れ草が埋めている。

 2011年3月11日、警察官だった息子が住民の避難誘導をしていて、津波にのまれた場所だ。翌年から一人で訪ねるようになった。

 年老いた母親が、人知れず続けてきた「巡礼行」。

 荒貴行(当時36)は、宮城県警岩沼署で特殊詐欺などを担当する係長だった。揺れが収まった後、同じ課の2人と捜査車両に乗り込み、海の方へと向かったという。

 一帯は、宮城県名取市北釜と、その南の岩沼市相野釜の二つの地区が隣りあう。避難場所の空港ビルまでたどりつけず、合わせて100人余りが津波の犠牲になった。両市を管轄する岩沼署の署員6人、地域の消防団員計9人も含まれる。

 避難が遅れて亡くなった。人を助けようとして、命を落とした人がいた。それが東日本大震災だった。

Aストーリーズ 「命を守る人を守る」(全4回)

2011年の東日本大震災では、人を助けようとして、命を落とした人が大勢います。消防団員、警察官、消防職員……。災害時、命を守る人をどう守ればよいか。3.11の重い教訓と向き合います。

あの日は凍える寒さだった 人肌に温めた水持参

 地震発生時刻と同じ午後2時…

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この記事を書いた人
石橋英昭
編集委員|仙台駐在
専門・関心分野
東日本大震災、在日外国人、戦争の記憶
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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2026年3月9日8時0分 投稿
    【視点】

    人を助ける立場の方々を守るのも人を助ける立場の方々であり、人を助ける立場の方々が自分や仲間を守ることで人を助けることができる。その認識が殉職者の使命のたすきをつなぐことではないだろうか。警察官や消防士のような人を助ける立場の方々の存在が、私

    …続きを読む

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