- 1二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 12:42:08
- 2二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 12:46:15
「ねぇ芦花。正直彩葉のあの話、どう思う?」
「……かぐやちゃんが月から来た宇宙人だってこと?」
かぐやちゃんと彩葉のヤチヨコラボライブが終わった後彩葉から告げられた告白は、まるで罪の告解のようだった。
コラボライブの終盤に起こった単なるドッキリ演出か、はたまた誰かのハッキングによる性質の悪い悪戯かと思われた、謎のアバターによるライブステージ襲撃事件。彩葉は「月の使者がかぐやを連れ戻しに来たい」と静かに告げた。 - 3二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 12:49:34
「正直、どっちでもいいかな。嘘でも、本当でも」
彩葉の手が震えているのが分かった。無理もない、かぐやちゃんの正体が月から来たかぐや姫だった、なんてまるで三流SF作家の描いた出鱈目にしか聞こえない。だけど――
「頼ってくれたんだよ、あの彩葉が」
「……うん、だね」 - 4二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 12:51:09
例え嘘つきだと罵られたとしても、かぐやちゃんを助けたいのだと、今まで全く助けさせてくれなかったあの堅物彩葉の心からのSOSをどうして無視なんてできるだろうか。
「全く妬けるなぁ……」
「……? 今なんて言ったの?」
「なぁーんでもないよ」
友達だけで集まるいつものプライベートエリア。ソファに座りながらアバターの足で床を蹴る。チャプチャプと効果音を立てて水面に波紋のエフェクトが広がった。 - 5二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 12:53:45
「彩葉、大丈夫かな…思い詰めすぎてないと良いけど…」
「ご飯ちゃんと食べてるかが私は心配だよぉー」
学校に顔を出した時は、無理をしすぎている様子はなかった――なかったように思う。だけどその後すぐ、また彩葉との連絡は途絶えた。 - 6二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 12:55:03
「よし!決めた!明日もう一度彩葉の家に――およ?誰かからメッセージだ」
「あれ?私のところにも来てる」
「芦花と私、同時に?」
「! もしかして彩葉から?」
PON!と空気を読まない小気味よい音と共にダイレクトメッセージが私たちの前に表示された。巻物状のメッセージウインドウに記されていた名前は。
「ツクヨミ運営……管理人ヤチヨより?」 - 7二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 12:57:24
「来ちゃった……」
「来ちゃったねぇ……」
ツクヨミ中心部、摩天楼が立ち並ぶ中でも一等高い天守閣。管理人であるAI、ヤチヨがいる特別なエリアだ。正直今回のように招待でもされなければ内部へアクセスできない、一般ユーザーにとってあまり縁のない場所である。 - 8二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 12:59:08
「ヤチヨから私たちに招待って言っても心当たりはさ〜」
「こないだのかぐやちゃんの為の戦いのこと、だよね多分」
正直あの戦いで彩葉の助けになれたのか、かぐやちゃんを引き止めることができたのか、自信はなかった。
月からの来訪者は圧倒的だった。戦闘力がじゃない、有り様がだ。 - 9二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 13:00:35
ツクヨミや日本の高度な情報インフラを麻痺させた地球外の電子知的生命体、それがわざわざKASSENというお遊びに自らのレベルを下げて戦ってくれていた。まるで癇癪を起こした子供の我儘に渋々付き合う保護者のように。
「彩葉や黒鬼のメンバーならともかく、彩葉からの救援で参加した私たちがヤチヨに呼ばれる理由があんまり思い浮かばないんだよね」
「はっ!じゃあ帝様たちも呼ばれてるのかな〜!」
「真実はブレないね……」
思わず吹き出す。難しく考えてる私が馬鹿みたいだ。 - 10二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 13:03:08
「とりあえず進もうか、私たちが呼ばれてるってことは彩葉も中にいるかもしれないし」
「おお!確かに確かに!」
深呼吸して一歩。天守閣へと続く門へと踏み出すとまるで見ていたかのようにひとりでに門が開いていった。
「行こっか」
「そだね」 - 11二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 13:07:11
一旦ここで切ります
終わりまでは書いてあるので夕方あたりにまた投下します
おらぁ!公式!10年間の設定を隠し持っていることはわかっているんだ! - 12二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 14:43:50
とりあえず乙
楽しみにしてる - 13二次元好きの匿名さん26/03/12(木) 14:57:21
彩葉曰くの「ハッピーエンドになった」だから
少なくともかぐやがいないこと以外ではむしろ前向きに進めてたイメージがあったな