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P「激甘プロデュース期間!?」/Novel by ふくまさ

P「激甘プロデュース期間!?」

12,814 character(s)25 mins

三十一作目。

シリーズです。前作から人数をだんだんと増やしていった結果、1万字を超えてしまいました。あと普通に前置きを長くしすぎました。反省。今まで2千字前後で、多くて5千字くらいだったので、書き終わってびっくりしました。妙に筆がのったようで。1万を超えると読むのも疲れるかもしれませんが、どうかご覧いただきたく思います。

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P「……例のあれですか?」

はづき「はい〜。来週から実施予定です〜。」

P「前回のスパルタプロデュースは少し難しかったんですけど……。今回の『激甘プロデュース』というのは……?」

はづき「今回の『激甘プロデュース』は至極単純です〜。前回の『スパルタプロデュース』が鞭とするならば、次は飴を。目一杯甘やかす、ただそれだけで良いですよ〜。」

P「……前回の目的としてはアイドルたちに社会の厳しさに負けない精神力を身につけさせる、みたいな感じでしたけど……?」

はづき「そうですね〜。プロデューサーさん、物事には『波』が必要だと私は思うんですよ〜。」

P「……『波』といいますと?」

はづき「つまりは『緩急』ですね〜。前回のプロデュースでアイドルたちに多かれ少なかれストレスがかかったハズです〜。そのストレスを和らげるために、今回の『激甘』が必要なんです〜。」

P「それならいつも通りのプロデュースで大丈夫なんじゃないですか? はづきさん曰く、俺は『甘い』らしいですし……。」

はづき「あれ〜、気にされてましたか〜?」

P「そんなことないですケド……。」

はづき「ふふ〜、すみません、この前は言い過ぎたかもしれません〜。良いですか、プロデューサーさん〜。『波』ですよ〜。いつものプロデュースによるアイドルたちのストレス値を基準、つまり±0とすると、『スパルタプロデュース』によって値は+に振れてるわけです〜。ここで『波』を起こすには、再び±0に戻すだけでなく、−に振る必要があるんです〜。」

P「はぁ。……その〜、先程から『波』って言ってますけど、そんなに大事ですかね? いつも通りにすればそれで良くないですかね…?」

はづき「……プロデューサーさん、『揺れないブランコ』は果たして楽しいでしょうか〜?」

P「はい?」

はづき「プロデューサーさんの言っていることは、ブランコに乗っていながら、漕ぎもせずにただ座っているのと同じです。」

P「……!」

はづき「アイドルたちも人間なんです。アイドル業は……仕事かもしれませんが、楽しいに越したことないじゃないですか。前回のプロデュースでブランコは動き出しました。それを止めないための……、その『波』を絶やさないための今回なんです。」

P「……なるほど。わかりました、やりましょう!」

はづき「ふふ〜、ご理解いただけたようで何よりです〜。」

P「……それにしても、『激甘』か……。いつも以上に、ってことですよね……?」

はづき「はい〜。ドロドロにしちゃってください〜。」

P「ドロドロ……か。」

はづき「あ、ちなみに今回は、事前にアイドルの方たちにはお知らせしませんので〜。」

P「え? なんでですか?」

はづき「前回の反省ですね〜。プロデューサーさん、設定に徹しすぎていませんでしたか〜? 例えば、正当な理由で遅刻した娘を有無を言わせずに叱責してしまったり……だとか〜。」

P「はうっ……!」

はづき「やっぱり〜。それ以外にも、『スパルタプロデュース』期間中は、アイドルの方々があまり事務所に寄り付かなかったので〜。」

P「た、たしかに……!」

はづき「つまりですね〜、実施期間を伝えると、アイドルたちに意図的に避けられてしまったり、プロデューサーさんも『こういったプロデュースをします』と連絡したものだから、それに徹しなければいけないと思ってしまうんですね〜。」

P「そう、ですね……。」

はづき「なので、事前に伝えなければ、そういった諸々の縛りがなくなるので、プロデューサーさんも臨機応変に対応できるわけです〜。」

P「なるほど。」

はづき「そんなわけなので、『激甘プロデュース』、来週からよろしくお願いしますね〜。」

P「は、はい! がんばります!」



ガチャ

めぐる「おはよー、プロデューサー……!」

灯織「おはようございます……!」

P「おぉ、おはよう、めぐる、灯織! 一緒にきたのか?」

灯織「は、はい。事務所に来る途中で会いまして。」

めぐる「……あの……プロデューサー……?」

P「どうした? めぐる。」

めぐる「あの……もう大丈夫だよね……? あの、あれ……

P「あぁ、『スパルタプロデュース』ならもう終わってるぞ。大丈夫だ。」

めぐる「……そうだよねっ! じゃあ……

P「あぁ、ハグだよな。」ギュッ

めぐる「!!!???」

灯織「なっ!!? プロデューサー!!?」

P「え? 違ったか?」ギュー

めぐる「ちちち、違くないけどっ! プロデューサーからだったからっ! びっくりしたよぉっ!!」ギュー

P「めぐるはあったかいな……。」ミミモトササヤキー

めぐる「ふわぁっ!?」ゾクゾクッ

灯織「ぷ、ぷぷ、プロデューサー!?」

P「どうした、灯織?」

灯織「な、なな、何をしてるんですか! いつもはそんなんじゃ……!」

P「あ、そうだ。今日は灯織が来るだろうと思って……。」

めぐる「あ〜、プロデューサー、ハグ〜!」

P「すまん、めぐる少し待ってくれ。えーと、鞄に入れてきたやつ……。」ガサゴソ

灯織「……?」

P「あった。はい、灯織これ、良かったら。」

灯織「なんですかこれ……ってもしかして……!」

P「お弁当だよ。作ってみたんだけど……いらなかったか? まぁ、いらなかったら……

めぐる「えー!? いいなー!!」

P「おっ、じゃあ、いらなかったらめぐるに……

灯織「い、いります! 食べます!! ありがとうございます!!」

P「そうか、良かった。でも、無理しなくても……

灯織「いえ! ちょうど今日はお昼ご飯どうしようか迷っていたので!」

めぐる「えー!? うそだよ、灯織ー!! さっき来る時に『お昼一緒にファミレス行こう』って言ったー!!」

灯織「シャラップ!!」

P「いやいや、本当に無理して食べなくても……

灯織「シャラップ!!!」

P「お、おう……。」

めぐる「ずるいずるいずるいずるいぃーー!!」ギューーー

灯織「めぐるはプロデューサーの前面にコアラよろしく引っ付いてるんだから、こちらもお弁当くらい貰えないと割に合わない……!」

めぐる「じゃあ、プロデューサー、灯織にハグして!」

P「え?」

灯織「へ?」

めぐる「そうすれば、わたしもお弁当半分貰っていいよね!『割』って言うんなら!」

灯織「そ、そんなの……!?」

P「お、めぐるが背中側に移動した。おんぶだな、こりゃ。」

めぐる「ほらほら〜、前が空いてるよ〜? ひ・お・り!」

灯織「く、くぅ……ぅ……!」

P「……灯織。」スッ

めぐる「もうプロデューサーは両手を広げて準備万端だよ〜?」

灯織「くぅ……うわぁぁぁ!!」ダッ

P「どんとこい!!」ダキッ

灯織「っっっ!」ギュー

めぐる「堕ちたね……!」

P「あっ、良い匂い……。」ボソッ

灯織「っ!?」クラッ

P「ん!? おいっ、灯織!?」

めぐる「お?」

P「貧血か……? 耳まで真っ赤だ……。」


めぐる「オチたね……!」



摩美々「おはよーございまぁす。」ガチャ

P「おはよう、摩美々。」

摩美々「……あれー、なんかいつもと雰囲気ちがくないですかー?」

P「そうか?」

摩美々「……なんかぁ、慈愛の目というかぁ。」

P「ははっ、いつも慈愛をもって接してるつもりだぞ。」

摩美々「えー? でも前はスパルタでしたよー?」

P「あれはそういう設定というかなんというか……。」

摩美々「ふーん。そうですかぁ。」

P「……?」

摩美々「……慈愛っていうんならぁ、摩美々のいたずらにも寛容なハズですよねー?」

P「……度合いにもよるけどな。」

摩美々「さっき来る時に、向かいのコンビニで咲耶見たんで、そろそろ来るんですよねー。」

P「そうなのか。……それがどうしたんだ?」

摩美々「いやぁ、いつもプロデューサーがターゲットなのは申し訳ないのでぇ、咲耶にいたずらしたくてー。」

P「咲耶に……か?」

摩美々「例えばー、『アイドルとプロデューサーが実はデキてた』、なんていうのはどうですかぁ?」

P「……それって、どういう……

摩美々「つまりー……!」グイッ

P「んおっ!?」

摩美々「こうやって、プロデューサーがアイドルをソファに押し倒してるっていう現場を見せるんですよー……!」

P「あくまで俺が押し倒した感じにするんだな……。」

摩美々「そうですよー。あっ、廊下から足音が……。」

P「摩美々、いたずらするならもっと『デキてる』ところを見せたほうがいいんじゃないか?」

摩美々「? それってどういう……

P「例えば、こうやって……。」ズイッ

摩美々「っ!?」

ガチャ

咲耶「やぁ、おはよう……って」

咲耶「な、何をしているんだい、プロデューサー? それに、下にいるのは……摩美々かい!?」

P「……あぁ、咲耶か。……すまん、今見たのは忘れてくれ。」

摩美々「」

咲耶「い、今の、は……? き……キスをしていたのかい……?」

P「……見なかったことにしてくれないか。」

咲耶「……は、はは、はは……。す、すまない。邪魔をしてしまったようだね……。そ、それじゃあ私は、れ、レッスンに……

P「待ってくれ、咲耶。」

咲耶「……っ、なんだい?」

P「テッテレー!! ドッキリでしたー!」

咲耶「……は?」

P「いやー、摩美々の提案でな! 咲耶への即興ドッキリだ!」

咲耶「ほ、本当かい? でも摩美々が……。」

摩美々「」

P「あれ、おーい! 摩美々ー!」

咲耶「失神しているね……。それにしてもアナタが摩美々のいたずらに付き合うなんてね……。それに、さっきのキスは……?」

P「まぁ、たまにはな。さっきのはただ顔を重ねてただけだぞ。ちょっと近すぎたかもしれないが……。」

咲耶「そ、そうなのか……! フフ、すっかり騙されてしまったね。柄になく動揺してしまったよ。」

P「ははっ、そんなにか。やり甲斐があるなぁ。」

咲耶「……ねぇ、プロデューサー。」

P「ん?」

咲耶「摩美々にいたずらしてみないかい? 少し……仕返しをしたくなってね。」

P「咲耶が……珍しいな。いいぞ! おもしろそうだしな!」

咲耶「フフ。じゃあ、少しこっちに来てくれ。」

P「ん、摩美々の隣? ……ところで咲耶、どんないたずらを……

咲耶「それは……!」グイッ

P「んおっ!!?」

咲耶「……自分が仕掛けようとしたいたずらに自分がかかるなんて。摩美々は一体どんな顔をするだろうね?」

P「ははっ……咲耶は失神しないでくれよ……?」

咲耶「フフ……私は『してるふり』では終わらせないよ?」

P「ははっ……ドラマのオファーも積極的に取ろうか?」

咲耶「その必要はないよ、プロデューサー。アナタとだからするんだ。」

P「ははっ、それは……光栄だな……。」



智代子「ほ、本当にいいんですか? プロデューサーさん。」

P「あぁ、好きなの頼んできていいぞ。」

智代子「わーい! 行こ、樹里ちゃん!」

樹里「お、おう。アンタはいらないのか?」

P「あー……じゃあコーヒー味のやつとかで。」

樹里「ホント好きだよな、コーヒー。」

P「ははっ、美味いんだなこれが。悪いなパシリみたいになっちゃって。」

樹里「気にすんなよ。奢ってもらうんだから、このくらいはさせてくれ。じゃ。」

P「おう、ありがとう。頼んだ。」



智代子「お待たせしましたー! おいしそー!」

樹里「ほらよ。アンタの分。」

P「おう、ありがとな。」

智代子「さっそく頂いちゃいますね! プロデューサーさん!」

P 「あんまり急ぎすぎるなよ、智代子。頭キーンなるからな。」

樹里「にしても、なんでいきなりアイス食いに行くことになったんだよ? アタシもたまたま事務所にいたから一緒についてきたけどよ……。」

P「あぁ、この前の『スパルタ』で智代子には厳しくしちゃったからな。そのお詫びというか、ご褒美というか。それに、樹里が一緒で助かったよ。俺と智代子の二人でサー◯ィワンにいたら変に誤解されそうだしな。」

智代子「うぅ……沁みる、沁みるよぉ……。久しぶりのアイス……!」

P「智代子……つらかったよな……! そんなに苦しそうな顔で……! たくさん食べて元気出してくれ……!」

樹里「……別にいつも通り元気だったけどな。苦しそうなのは頭キーンなってるからじゃねぇか?」

智代子「樹里ちゃん!!」

樹里「なっ、なんだよ…?」

智代子「そっちのフレーバーひと口頂戴!」

樹里「……スゲェよ、なんかお前……スゲェ。……ほらよ。」

智代子「ん〜! おいひ〜!」

P「ははっ、智代子。俺のも食べるか?」

智代子「……苦くないです……?」

P「食べてみりゃわかる。ほい。」

智代子「じゃあいただきます……! ……って、え?」

P「え? あ、そっか。すまんすまん。俺のスプーンで掬っちゃったな。」

智代子「……プロデューサーさん、『あーん』!」

P「え?」

智代子「」アーン

P「お、おう。はい、『あーん』。」

智代子「はむっ。」

P「は、ははっ……。」

P・智代子「……、」テレテレ

樹里「……。」

P「……あ、樹里はどうだ? 俺の食べてみるか?」

樹里「……おう。」

P「じゃあ、はい。」

樹里「……なんでカップよこすんだよ。」

P「え?」

樹里「」アーン

P「なっ……!」

樹里「智代子にできてアタシにできない理由があんのか?」

P「いや、樹里がいいなら良いんだが……。」

樹里「」アーン

P「ん、じゃあ……『あーん』。」

樹里「……ん。うめぇ。」

P「そ、そうか……! 良かった……。」

P・樹里・智代子「……、」

P「そ、そろそろ行くか!」


智代子・樹里「プロデューサー(さん)!」


P「お、おう?」

智代子・樹里「『あーん』!」

P「い、いや、俺にはやらなくていいぞ……?」

智代子「まだ私たちの食べてないですよね!」

樹里「逃がさねーぞ……!」

P「お、おい……近いちかい……! わ、わかったから……ん?」

智代子・樹里「あ。」

P「どうした? 二人とm……

凛世「プロデューサーさま……。」

P「!! りっ、凛世!?!?」

凛世「随分と……楽しそうで……。」

P「こ、これは……というか、いつから……!?」

凛世「プロデューサーさまたちが来店なさったときから……ご学友とあちらの席にて……。」

P「は、ははっ……奇遇だな……!」

凛世「プロデューサーさま……!」

P「なっ、なんだ?」

凛世「凛世の氷菓のお味も……!」

P「えぇ!?」

智代子・樹里・凛世「『あーん』!」

P「お……oh……」



甘奈「おはようございまーす!」ガチャ

P「おはよう、甘奈。」

甘奈「あれ、甜花ちゃん先に来てたはずなんだけど……。」

P「あぁ、ここにいるよ。」

甘奈「あ! プロデューサーさんの隣で寝てたんだ!」

P「甘奈が来るちょっと前までは起きてたんだけどな……。」

甘奈「……この間のすぱるた? のやつで甜花ちゃん最近頑張ってたから……。」

P「そうだな……。まぁ、ちょっと強めに尻を叩きすぎたからな……。頑張らせすぎちゃったか……。」

甘奈「……甜花ちゃん、ソファで寝づらくないかな?」

P「そうだな、甜花も甘奈も次のレッスンまで時間あるし、仮眠室も空いてるから移動させるか。」

甘奈「ほんと? 甘奈も少しだけ仮眠しようかな……。」

P「おう。甘奈も頑張ってるし、今くらいは休んでいいと思うぞ。」

甘奈「えへへ……じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな〜。」

P「よし。じゃあ、甜花を仮眠室のほうに移動させるか。よいしょっ。」

甘奈「!」

P「じゃあ、甘奈も荷物置いたら仮眠室利用していいからなー。」


ガチャ バタン


甘奈「……お姫様抱っこで……。」

甘奈(甘奈もソファに寝てれば、お姫様抱っこして連れて行ってもらえる……?)

甘奈(でも、寝顔を見られるのは……! いや、でもでも……!)

甘奈「よ、よーし……!」


ガチャ

P「甘奈ー? 大丈夫か……って、ん?」

甘奈「……。」ドキドキ

P「あれ、寝ちゃったのか……?」

甘奈「……。」ドキドキ

P「相当疲れてたんだな。数分で寝るなんて……。」

甘奈「……。」ドキドキ

P「……よいしょっ。」

甘奈「〜〜〜!!」

P「……。」トコトコトコ

甘奈「ぷろ……でゅ……さん……す……き……。」ゴニョゴニョ

P「……ははっ、寝言かな……。俺も好きだぞー、甘奈。」

甘奈「!!?」カァァァァ

甘奈「……っ。」ギュッ



冬優子「いや、なにしてんのよ。あんたたち。」

愛依「おっ、冬優子ちゃんじゃーん。おはよ〜!」

P「おう、冬優子。おつかれ。」

冬優子「いや、質問に答えなさいよ。あんたたちは一体なにをしてるの、って聞いてんのよ。この神聖な事務所で。」

P「なにって、膝枕だけど?」

愛依「めっちゃあったかいよー? プロデューサーの膝!」

P「硬くないか?」

愛依「まぁ、硬いっちゃ硬いけど、その分広いし、あったかいし。それにうち、プロデューサーの匂い好きなんだよね〜!」

冬優子「なにイチャついてんのよ。さっさとやめなさい! いかがわしいわ!」

P「いや、別にいかがわしくは無いんじゃないか? なぁ、愛依。」

愛依「そうだよ、冬優子ちゃん! 疲れを取るには膝枕っしょ!」

冬優子「意味わかんないことぬかしてんじゃ……

P「この前愛依にしてもらったお返しだしな。」

冬優子「……は?」

愛依「あ、プロデューサー! 手貸して〜!」

P「ん? あぁ、はい。」

愛依「こうやって瞼の上に乗せると、目の疲れも取れんだよね〜!」

P「おっ、この前のやつか。メイクとかは……?」

愛依「気にしない気にしない〜。」

冬優子「ちょっと!」

P「ど、どうした? 急に大声だして……?」

冬優子「……愛依! あんたプロデューサーの左膝に頭乗っけなさい。プロデューサーは少し腿を開く!」

愛依「え〜なんで……って、あ〜、そうゆうことね!」

P「お、おう……?」

愛依「は〜い、これで良い? 冬優子ちゃん。」

冬優子「……フンッ。」ズカズカズカズカ

P「お、おい? 冬優子?」

冬優子「なによ? なんか文句でも?」

P「文句っていうか……両膝枕は初めてなもんでな……。……いかがわしいんじゃなかったのか?」

冬優子「考え方を現場に合わせて柔軟に変えただけよ。」

P「ははっ、さすがの当意即妙さだな……。」

愛依「も〜。素直じゃないね〜!」

冬優子「うるさいわね……。」

P「……ところで、愛依には膝枕をしてもらったから良いんだが……。冬優子からはなにもないのか?」

冬優子「なによ図々しいわね。見返りがないと膝枕もしないわけ? あんたはなんのリターンもなしに善意を振り撒くのが得意じゃないの。」

P「そうしたいところだが……。それだと愛依に申し訳が立たないからな。」

愛依「ふふーん。そうだよ冬優子ちゃん。うちがプロデューサーに膝枕してなかったら、この状況にもなってなかったかもなんだから!」

冬優子「……しょうがないわね……。じゃあ……後で膝枕してあげるわよ。」

P「ははっ、ありがとう。冬優子。」


愛依 ((良かったね、冬優子ちゃん。一石二鳥ってやつ?))

冬優子 ((うるさいわね。こいつに聞こえるでしょ、ばか。……ありがと。))



雛菜「やは〜! プロデューサー、みてみて〜!」

P「ん、どうした? 雛菜。」

透「おー。」

雛菜「透先輩のネイル〜! かわいいでしょ〜?」

P「おぉ、綺麗だな。雛菜がやったのか?」

雛菜「そうだよ〜! プロデューサーもやる〜?」

P「俺が? うまく塗れるかな……?」

雛菜「雛菜がプロデューサーの爪に塗るんだよ〜?」

P「えっ、やってくれるのか?」

雛菜「話の流れ的にわかるでしょ〜? 手だして〜?」

P「あ、あぁ。よろしく頼む……! ……って、透みたいに色は塗らないよな?」

雛菜「うん〜。透明のトップコートだけ〜。」

透「おー、やっぱおっきいね。手。」

雛菜「あは〜、ほんとだ〜! 手合わせてみよ〜?」

P「お、おう。……おー、ちっちゃくてかわいいな。」

雛菜「ほんと〜? 雛菜の手かわいい〜?」

P「ん。細いし、ちょっとひんやりしてるな。」ニギニギ

雛菜「やは〜! 恋人繋ぎ〜!」ニギニギ

透「……プロデューサー。こっちの手は私と。」ニギニギ

P「……透のほうがつめたくて気持ちいいな。」ニギニギ

雛菜「え〜! プロデューサー、つめたいほうが好きなの〜?」

P「いや、別にあったかいのも良いと思うけど……。」

雛菜「じゃあ雛菜のほっぺはどお〜?」ピトッ

P「お、おい。手を引っ張っていくな……って、あったかぁー。」

雛菜「プロデューサー、気持ちいい〜?」

P「うん。ほっぺ柔らかいなー、雛菜。」

透「……プロデューサー、私のほうもあったかいよ。ほら。」ピトッ

P「……はっ? と、透!? 太ももに挟まってる!」

透「どう? 良い? ふふふっ、あんまり指動かさないでよ。くすぐったい。」

雛菜「む〜! 雛菜の"ここ"のほうがあったかいよ〜!」

P「ひ、雛菜? おい……どこに俺の手を持ってくつもりだ……? 雛菜っ!?」

円香「すみません、レッスン室の鍵を……」ガチャ

P「それはダメだっ!!」

円香「え?」

P「え?」

透「あ、樋口。」

円香「そ、そうですか……。すみません、失礼しました……。」ウルウル

P「ま、待ってくれ、円香! 違うんだ! 説明をさせてくれ!」

雛菜「やは〜! 円香先輩の涙目かわい〜!」

透「あー、また泣かせた。いけないんだー。」

P「と、透も雛菜も! いったん俺の手を離してくれ!」

円香「……わ、私には……グスッ……まだ『スパルタ』なんですね……グスッ。」

P「ちっ、ちがうっ! これはかくかくしかじかで……!」



円香「……それで、左手は浅倉の内腿に挟み、右手は雛菜の胸に挟む状況となったわけですか……ミスター・セクシュアルハラスメント。」

P「まぁ、そういうことになるな……。あと雛菜のほうに関してはちゃんと未遂だからな。」

円香「……どーだか。私が来ていなかったら無抵抗で受け入れていたくせに。」

雛菜「プロデューサーは悪くないよ〜? 雛菜嫌じゃないもん〜!」

透「樋口は知ってる? プロデューサーの手。ごつごつしてるけど、すべすべしてるよ。」

円香「……別に触らなくても、見ればだいたいわかるでしょ。」

雛菜「雛菜もそう思ってたけど〜……。」

透「やばいよ。触ると。」

円香「……。」

P「ま、円香。この件は内密に頼む……! 俺もどうかしてたみたいだ……。事務所で今回みたいなことはもうしないよ。」

雛菜「え〜! 雛菜まだプロデューサーにネイルしてな〜い!」

透「別にいーじゃん。手触るくらい。ね、樋口。」

円香「……。」

P「円香……?」

円香「手、貸して。」

P「え……あ、あぁ。」

円香「……。」ニギニギ

ニギニギニギニギニギニギニギニギ

P「あ、あの……円香……?」

円香「……これはハンドマッサージです。……そういう名目なら、あなたも助かるでしょ?」ニギニギ

P「あ、あぁ! そうだな! 俺はハンドマッサージをしてもらっていた!」

雛菜「雛菜もハンドマッサージする〜! プロデューサー、もう片方の手出して〜?」

透「私もやりたーい。樋口代わってー。」

円香「……はい。」

P「お、おい……! もう充分じゃないか?」

雛菜「これは手がすご〜く凝ってますね〜? 透先輩のほうは〜?」モミモミ

透「んー。やばい。すぐにほぐさないと。死ぬ。」モミモミ

P「まったく……。」


円香「あとで他のところマッサージしてあげます。」ボソッ

P「っ!」ゾクッ

円香「では私はレッスンに行くので。鍵、借りていきます。」

P「あ、あぁ。無理せずにな……!」


P(『他のところ』!?!?)



ガチャ

美琴「……あれ、プロデューサー……? ……出かけたのかな。」

P 「ん? にちかかー?」

美琴「びっくりした……! プロデューサー? キッチン……?」


P「お、美琴か。」

美琴「お疲れ様、プロデューサー。……良い匂い。ケーキ?」

P「あぁ。にちかに食べてもらおうかと思ってな。苺食べるか?」

美琴「ふふっ。ありがとう。……じゃあ、一個もらうね。……うん、美味しい。」

美琴「……これ、にちかちゃんに? ……誕生日、近かったっけ?」

P「あー……いや、まぁ……な。この間の『スパルタ』でちょっと厳しくしすぎたからな……。そのお詫びというか……。」

美琴「そういえばあったね、そんなことも。……確かに、いつもより頑張ってたね、にちかちゃん。」

P「あぁ。最近元気ないし……。心ばかりのプレゼントを、と思ってな。」

美琴「そう……。私もなにか欲しいな……。」

P「え?」

美琴「……ううん、冗談。」

P「……そうか。ところで、自主練は終わったのか?」

美琴「うん。今日はもういいかな。」

P「そうか。たまにはゆっくり休んだほうが良いぞ。」

美琴「え……? 毎日3時間は寝てるよ……?」

P「……仮眠だよな?」

美琴「? 仮眠……では無いかな。仮眠はもっと短いんじゃない?」

P「えぇ……。」


P「……今度の休み、温泉にでも連れて行こうか?」

美琴「? 私はいいけど……。急にどうしたの?」

P「もう少し、自分の身体をいたわろうな、みーちゃん。」

美琴「! ……本当にどうしたの?」

P「いやぁ……無性に甘やかしたくなっただけだよ。」

美琴「もう一回言ってみて。『みーちゃん』って。」

P「ほら、ケーキ完成したぞ。『みーちゃん』。」

美琴「! ……ふふっ。……うん、すごく美味しそう。」

ガチャ

ドタドタドタドタ

にちか「ちょっとプロデューサーさん! なんかレッスン室閉まってたんですけど、美琴さんはどこ……

P「おう、にちか。お疲れ様。」

美琴「にちかちゃん、お疲れ。……私がどうかした?」

にちか「あれっ、美琴さんここにいたんですか!? いやっ、とくに美琴さんに用があったわけじゃ……って、なんですかこのケーキ!!」

P「あぁ。にちかにと思ってな。良かったら食べてくれ。」

にちか「え……? プロデューサーさんが……私に作ったんですか……?」

P「あぁ。……疲れたろう、にちか。ゆっくり休んでくれ。」

にちか(な、なに……? ドッキリ……? いや、でもプロデューサーさんの、この仏のような笑みは……。なんの悪意も無さそうな……。)

にちか「な、なんで私に……? 美琴さんには……?」

美琴「ううん。私は(もう食べたから)いいの。食べて……元気出して。にちかちゃん……。」

にちか(?? な、なに? 一体なにが起きてるの…?)

にちか「み、美琴さん! 練習のほうは……!」

美琴「いいの。今日はもう(終わったから)……いいの。」

にちか(な……? 今日はもう……? 今日ってなんかの記念日だったっけ……?? いや……まさか……!!)

P「さぁ、あっちのリビングで食べよう……。なにか、他に食べたいものはあるか? 今日は贅沢をしよう……。な?」

にちか(や、やっぱり! これは最後の晩餐!! 辞めさせられる……この事務所を……! そういえばそうだ……いきなり『スパルタ』を始めて……! あれは選別だったんだ……! やる気のないアイドルをふるいにかけるための……!)

にちか「どっ、どうして……!? 私……ちゃんとレッスンも自主練もやってましたよね!?!」

P「? あぁ。だから……

美琴「……にちかちゃん。」

にちか「み、美琴さん! 私……!」

美琴「……たくさん頑張ったね、にちかちゃん。……ほら、美味しそうだよ? 食べて?」

にちか「あっ……、あぁ……っ!! あぁぁ……っ……!」

P(泣くほど嬉しいのか……! にちかにこんなに喜ばれるなんて……初めて……かもな。)

美琴「……あれ、泣いてるの?」

P「え……? あれ……なんでだろ……。涙が……。」

にちか(やっぱり……!! 送別会なんだぁ……!!)

にちか「うわぁぁぁーーん!!!(ヤケクソ)」ガッガッ

美琴「すごい……泣きながらケーキにがっついて……。そんなに美味しいんだね……!」

P「にちか……そんなにも……! ありがとな……!」

にちか「んあぁぁぁーーー!!!」ガッガッガッガッ



はづき「一週間、お疲れ様でした〜。プロデューサーさん。」

P「いやー、なんだかみんな元気になってきてますね。良かったです。」

はづき「はい〜。アイドルたちの評判はすごく良いみたいですね〜。モチベーションが明らかに高くなっています〜。」

P「飴と鞭……本当に効果があるんですね…!」

はづき「おおむね目論見通り、といったところですが……。」

P「ですが?」

はづき「……あの〜、プロデューサーさん。」

P「はい、なんでしょう?」

はづき「……にちかはまだ在籍してますよね〜…?」

P「え? ……いや、そりゃそうでしょう……? え??」

はづき「家で、しきりに『いつ解雇が言い渡されるの』と聞いてくるので〜……。」

P「はっ!? いやいやいやいや!! 解雇なんてまさか!」

はづき「……ほっ。そうですよね〜! なにを勘違いしてるんでしょうね〜あの娘は〜……!」

P「ケーキあげたくらいしか記憶にないですけどねー……。」

はづき「ケーキ……ですか?」

P「えぇ。まぁ、前回のお詫びに、といったつもりで。泣いて喜んでくれてたのになー……。」

はづき「……プロデューサーさん。」

P「はい?」

はづき「……これからは、こういった特別なプロデュースの機会でも、にちかには普通に接してもらっても大丈夫ですので〜……。というか、絶対にそうしてください〜。」

P「え? は、はい。わかりました……。」

はづき「よろしくお願いしますね〜。」

P「……ちなみに、次のプロデュースはもう考えてるんですか?」

はづき「はい〜。次はですね〜……!」



To be continued …

Comments

  • 1223

    続きを書いてくれ、待っているんだ

    December 10, 2025
  • 時計

    この話が好きで何度も読み返しに来てしまう。にちかの勘違いケーキやけ食い本当に大好きです!

    October 26, 2023
  • さんてぃあ

    やっぱりにちかちゃんには曇った顔が似合うね

    August 29, 2023
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