はるき「Pさんがルカちゃんを泣かせてる?」
約9ヶ月ぶりにコメティックSSを書きました。とはいえ殆ど『ルカ・はるき』がメインかもしれません。
【導入】『とある強風の吹く日、一人事務所内にいたルカは換気の為に窓を開け──』
全編通して、三人称視点になります。
【余談】
今秋、シャニアニ2期の地上波放送が始まりました。勿論、本SSを読まれる方はチェックされてますよね?
現投稿時点で3話辺りですが、ストレイ加入後はテンポ良く話が進み……毎週末が非常に楽しみです。
年始投稿済のコメティックSSとは明確に関連してませんが、共通ユニバースとしてご覧いただくと面白いかと。
作中の『灰色~』のくだりが書きたかっただけ──未読の方は是非、前作も宜しくお願いします。
日頃からすき!、いいね!、ブクマをありがとうございます!
作品にコメント等をいただけると、本作のユニバースがマルチバースへ繋がる……かもしれません。
細々とXをやってます。一応、避難用でブルスカに同名垢も。
フォローはお任せしますが……よければ、過去作のSSを"もう一本"お読みいただけると嬉しいです。
㊗️2024/10/21の[小説] 男性に人気ランキング57位
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『──本日は全国的に強風注意報が……』
事務所内のTV画面には、神妙な顔付きのお天気キャスターが映る。近くのソファーへ深く腰を下ろしたルカは、環境音と化したTVから目を背け、手元の携帯を操作していった。
【風──私から奪い──誰もいない所へ──消し去るように】
「……ふん」
ツイスタの投稿ボタンを押下した後、ルカは携帯を目の前のテーブルの上に投げ捨てる。ポン、ポンと点滅する画面通知を無視し、凝り固まった首周りを解そうと、ぐいっと背筋を伸ばす。
「痛ッ……寝違えたか」
反射的に発せられた独り言は──無人の事務所の宙を漂い消えていく。付近のコルクボードの予定欄には『コメティック:打ち合わせ』という表記のみで、集合時刻には幾分か早い。
「…………換気」
おもむろに、窓際に近づいたルカは施錠済の鍵に触れ──窓枠を掴み、そっと力を加える。
その刹那──近くのカレンダーが揺れ……隙間から侵入した風が対面のルカに吹き付けられた。
「……くっ」
想像以上の風量に面食らったルカは、急いで窓枠を戻す──ものの、両目に違和感を覚えてしまう。
まるで、眼球を刺すような痛み──瞳の中にゴロゴロした、異物が混じる感覚だ。
「チッ……砂かよ」
幾度か瞬きを繰り返すものの違和感は拭えない。開けなきゃよかった──と後悔も、つかの間……両目の痛みは引く由もなく、ルカはぎゅっと両目を瞑る。
「目薬……コンタクト外し──」
ルカは目を瞑ったまま、窓際からくるりと踵を返し、鞄を置いたソファーへ手探りで移動しようと──その時だ。
靴の爪先が固い物にぶつかり、勢いよく仰向けに床に倒れ込んでしまった。
「痛ッ……クソッ」
厄日かよ……踏んだり蹴ったり──と、心の中で毒づき、目元から流れた一筋の涙を手の甲で雑に拭う。
「……ルカ?」
「……あァ?」
ルカは顔を上げると──ぼんやりした視界に、スーツ姿の男性の姿が映った。
そして、目を強く瞑った反動からか、先程よりも大粒の涙がとめどなく溢れ出る。
その様子を目にした男性──プロデューサーは、みるみる内に血相を変えていく。
「ど、どうしたんだ……ルカ! た、立てるか……!?」
「っ……触んな」
プロデューサーが伸ばした手を振り払って、ルカはゆっくりと身体を起こす。
「あ……コンタクト……クソっ」
涙のせい──だけでなく、ぼやけた視界が、普段着けているコンタクトの行方を物語っている。
倒れた床のどこか……今のルカの視界では、這いつくばらない限り……探すことは困難だった。
「ど……どこか痛いところでも」
「だから……近寄るなって……言ってンだろ!」
心配するプロデューサーを牽制するかのように、ルカは語気を強める。
目前のプロデューサーの表情も碌にわからないが……接近を食い止めようと。
「あれ……プロデューサーさんに……ルカ……ちゃん?」
事務所の入口から少女の声。慌ただしいリビングの様子を受け、その場で立ち竦んでしまっていた。
入口に立つ少女の視界には──窓際付近で立ち竦むプロデューサーと……涙を流すルカの姿だ。
「プロデューサーさん……ルカちゃん……えっ、もしかして……?」
「は……はるき?」
~~~~~
『ごめんね、はるきちゃん。ちょっと遅れちゃうかも』
『了解。先に事務所で待ってるね~』
チェインの返信と共にはるきは事務所の入口の扉を開ける。玄関の靴箱に自身の靴を丁寧にしまって、近くのスリッパを手に取る。
「うーん。コメティックで打ち合わせ……新しい仕事とかですかねぇ~」
はるきはリビングに通じたドアノブに手を掛けた──際に、室内からうっすらと声がするのに気付く。
「あっ……もう誰か来て──」
『だから……近寄るなって……言ってンだろ!』
「えっ……」
悲鳴のような切迫した声色の主がルカと気付くのに……はるきは然程の時間もかからなかった。
普段のやり取りとは違う……その特殊な状況に急いで室内に足を踏み入れる。
目前の光景は……立ち竦んだプロデューサーと、頬を涙で濡らすルカの姿だ。
その刹那、はるきはこの異様な状況を理解すべく、即座に瞳を動かし──つぶさに周辺を観察し始める。
ルカとプロデューサー、点けっぱなしのTV、ソファーに置かれた鞄、テーブル上の携帯、窓際に立つ二人……そこから導き出せる答え──
「そんな──嘘……ですよね、プロデューサーさん」
「そ、そうだ……はるき、ルカが──」
「……動かないでください!」
「……えっ?」
はるきは、今までにない強い口調でプロデューサーに向かって掌を向ける。その場から動くことを決して許さないような語気だ。
「……ルカちゃん。ゆっくりでいいから、私の方に来れる……?」
「え…………あぁ」
よろめくような足取りのルカは、対面のプロデューサーを避けるように、大回りで入口に立ったはるきの元へ向かう。
辺りの物へ手を這わせながら、ゆっくりと歩くルカの様子を目にしたはるきは、表情を一層強張らせる。
「る、ルカちゃん。大丈夫……ゆっくりでいいから……っ」
「あ……はるき、俺は──」
「すいません。今は……黙っててもらえますか」
「え……」
「ルカちゃん……痛かったよね……もう、大丈夫だからね~」
ゆっくりと近づいてきたルカを、はるきはそっと抱き締める。
「ちょ……やめろッて」
「ううん。やめないよ……一人にさせちゃって、ごめんね」
「っ……はァ?」
「こっち……ソファーに座ろうね。プロデューサーさんは……こちらに来ないでもらえますか?」
「ちょ、はるき……なんか誤解を──俺は」
「プロデューサーさん……なんで、こんな……ルカちゃんは女の子なのに……」
「な、なにもしてないぞ、本当に。さっき事務所に来たばかりで──」
慌てた様子のプロデューサーに……はるきは眉間に皴を寄せる。
「それなら、なぜ──」
ルカと共にソファーに座ったはるきは、まるで"くだらない"という表情で、プロデューサーを見つめる。
「その──なんで『ベルト』を持ってるんですか?」
はるきが指差すプロデューサーの手には、丸めた皮のベルトが握られていた。
~~~~~
『ごめんね、プロデューサー。ちょっと時間に遅れちゃいそう』
『わかった。事務所に来るときは気をつけてな』
ふぅ、と溜息を吐いたプロデューサーは駅前の人混みを縫うように歩き出した。交差点の信号待ちの間、吹きすさぶ強風に首を竦めていると、目の前の地面に何かが転がっているのに気付く。
「ん……ベルト?」
丸めた状態で値札が貼られたままのベルトを見つけたプロデューサーは、何の気なしに拾い上げる。周りに目を向けると、丁度近くの激安量販店の店先に『驚安』のPOPと共に山積みのベルトの山が目に入った。
「ははっ、風で飛ばされたのか」
時間に余裕があることを確認したプロデューサーは、拾ったベルトを店先の山となったカゴの中に戻す。ついでに値札を確認すると『驚安』の名に違わず、相当に割り引かれた金額は、プロデューサーの目を引くのに充分すぎる程だった。
「一本……買っとくか」
カゴから一つを手に取り、店内のレジへ向かう。会計を済ませたベルトを、裸のままで上着のポケットに突っ込む。
「うん。良い買い物したな……ペンギンが目を見開くだけあるな」
少しばかり弾む足取りで、プロデューサーは事務所へ繋がった階段を登る。玄関を抜け、リビングから聴こえるTVの音……ルカかはるき……どちらかが先に到着しているのだろうと。そんな考えと共に、プロデューサーはリビングに足を踏み入れたものの、人の姿は見当たらなかった。
「あれ……?」
「痛ッ……クソッ」
窓際から聞き覚えのある声。鞄を机に置き、無意識に上着のポケットからベルトを取り出し、声のした場所に近付くと……床に倒れたルカの姿が目に入った。
「……ルカ?」
「……あァ?」
顔を上げたルカの目から涙……プロデューサーは、"あの日"──ルカの部屋が脳裏に浮かぶ。
「ど、どうしたんだ……ルカ! た、立てるか!?」
「っ……触んなよ」
な、なぜ一人で泣いて……動揺したプロデューサーの頭の中に疑問が浮かび……手にしたベルトを無意識に強く握り締める。
初めに浮かんだ疑問は……怪我をしていないか、という部分だ。大事があってからでは遅い……今すぐ病院に──そう、ルカに近づこうとした瞬間だ。
「だから……近寄るなって……言ってンだろ!」
「プロデューサーさん……ルカちゃん……えっ、もしかして……?」
その時点で、プロデューサー自身……まだ、この状況を掴めていない。
その後の顛末を──予期することも、きっと不可能だっただろう。
~~~~~
「……ベルト? あぁ、これは──」
「それで……ルカちゃんを叩い……っ……酷いです」
「なっ……そんなことするワケ……」
「"無自覚"ですか──なら、ルカちゃんは……プロデューサーさんはベルトを……?」
「そ、それは──いや、ルカが泣いてるのは俺にもわからない……本当なんだ!」
プロデューサーは必死な様子で弁明する中、はるきはルカの背中を擦っていく。
「被害者がいること──それはつまり、必ず加害者が存在する……ですよね?」
「つまり……俺がルカに危害を加えた……そう、はるきは考えているんだな」
「えっと……状況証拠だけなら、そういう解釈になるかもしれません。ただ──」
はるきは自身の鞄からハンカチを取り出し、ルカにそっと手渡す。
「──明確に決まってません。だから状況をハッキリさせる必要があります」
「状況を……ハッキリ……?」
「そうです。この現場状況から導き出される答え──たったひとつの真実を探る必要があるかと」
こほん、と咳払いしたはるきは、ソファーから立ち上がった。
「仮に、この場にいるルカちゃんを『被害者』……この場にいない羽那ちゃんを『シロ』……この場で最も疑わしいプロデューサーさんを『クロ』とした場合──その中間に位置する私は『グレー』な存在……つまり、私の『灰色の脳細胞』で、この事件を解決に導きたいなと」
「灰色の……脳細胞……?」
目を瞑ったはるきは、自身のこめかみを指でつついていく。
「順番に整理します。私が目撃するまで、この事務所には二人だけ……これは紛れもない事実です」
「えっと……どうしてそう言い切れるんだ?」
「私が事務所に到着した際、靴箱には二足……おそらく、ルカちゃんの靴とプロデューサーさんの靴だけかと。はづきさんの靴や天井社長の靴は無かった……つまり、このリビングには二人きりだったという証拠です」
「な、なるほど……他に靴は無かったんだな」
「そして私がリビングに入ろうとした時、ルカちゃんの悲鳴をハッキリと聴きました。『──近寄るな……』と。あの声はルカちゃんで……間違いないよね?」
「えッ……あぁ……まぁ」
「つまり──この時点でルカちゃんと対面することが出来る人物は、プロデューサーさん以外にいないんです」
「……待ってくれ、俺は何もしていな……」
「それ……証拠はあるんでしょうか?」
はるきの指摘に、プロデューサーはグッと唾を飲みこむ。
「証拠か……確かに俺がリビングに入った時に他人の姿は無かった、それは認めるよ。でも……窓際から声が聴こえて、近づくとルカが床に倒れていて……そうだ、ルカに聞いたら……俺は何もしていない証拠になるんじゃ……」
「そう……ですね。ルカちゃん、話せる部分だけでいいから……なんで倒れたの?」
二人の視線を受けたルカは、ハンカチを握りしめたまま、俯き出した。
「っ…………言いたくない」
「えっと……ルカ……?」
「やっぱり……ごめんね、ルカちゃん。そうだよね……この場では言い辛いもんね」
「ちょっ……はるき?」
「……プロデューサーさん、今のが真実です。そんな人だったなんて……」
「ま、待ってくれ……俺は本当に──」
ソファーへ歩み寄るプロデューサーに、はるきはルカの前へと立ちはだかった。
「止まってください! これ以上近づくなら警察に……!」
はるきが携帯を取り出すと、即座にプロデューサーはその場で立ち止まる。
「通報は勘弁し……そういう意味じゃなく……俺はなにもしていない。誓うよ」
「……なら、私の見解を述べていいでしょうか。ここで起きたこと、全て──分かりましたので」
机の上に置いた鞄の中を漁るルカの隣で、はるきは人差し指を立てる。
「真実はいつも──『ひとつ』……だけですから~」
~~~~~
『ごめんね、ルカちゃん。もう少しで着くから』
鞄の近くに置かれた、携帯の画面が光る……だが、眉間に皴を寄せたルカは携帯に見向きもしない。
「……まず、私の見解から説明したほうがいいですよね。『ルカちゃんが泣いていた理由』に『プロデューサーさんがその場にいた理由』……事件に直接繋がる点かと」
「おい……私は泣いてねェ」
「あっ……ごめんね。泣いてるように見えた……って、ことでいいかなぁ~?」
「っ……まぁ」
そっぽを向いたルカを横目に、はるきは言葉を続ける。
「そして、事務所に二人きりだった理由も……集合時間には早いにも関わらず、なぜ二人だけがリビングにいたのか。これは──あくまでも"仮説"ですが……」
はるきは、一呼吸置いて二人を交互に見比べていく。
「二人は……付き合っていた──からです」
「……えっ?」
「……はァッ!?」
呆けた表情のプロデューサーの言葉に被せるように、ルカは声を荒げた。
「こ……こんなヤツと誰が付き合っ……お前、なにバカ言って……」
「うん……そうだね、ルカちゃん。経緯はわからないけど……元カレなんて言い辛いよね」
「も、元カレ……だ……と?」
うんうん、と頷くはるきに、ルカは目を見開いていく。
「は、はるき……俺とルカは恋人同士なんかじゃ──」
「はい。だから、付き合って"いた"……と。二人っきりでいた理由は、誰もいない状況を見計らって、打ち合わせ前に『別れ話』をしていた──こう考えます。そして、その別れ話はこじれ……悲劇を生み……違いますかねぇ~?」
「……えっと」
はるきの言葉を受けたプロデューサーは咄嗟に言葉が出ず、頭を掻いていく。
「はァ……? おい……お前も否定しろよ」
「お、おう……否定するよ。ただ、それにしてもルカが床に倒れていた理由が分からなくて」
「そ……それは……ッ」
「俺にも説明出来ないんだ。だから、教え──」
「……言いたくねェ」
「……えっ?」
こほん、とはるきは咳払いと共に、こめかみを指でつついていく。
「続きですが……話し合いをする中、お互いに"平行線"を辿ったかと。そこでルカちゃんは泣い……えっと……目から水分を放出したんです。そして、プロデューサーさんの発言通り、床に倒れこんでいた……私もそう考えます。なぜなら、その辺りにコンタクトレンズが落ちているはずだからです~」
「えっ……コンタクトレンズ?」
「はい。ルカちゃんは目が悪くて……普段からコンタクトを付けているんです。先程、私に向かって近づく様子と……さらにもう一つ、不思議な点があったので」
「…………」
「ついさっき、携帯に羽那ちゃんからのチェインがあったんです。しかし、ルカちゃんはその通知に見向きもしませんでした。偶々見ていなかっただけ……かもしれませんが、ツイスタの"いいね"の通知と混同したのかなって」
「そ……それは──」
「ルカちゃん。もし、違うなら──いま届いた羽那ちゃんのチェインの文章……読めるかな~」
「…………」
「床のコンタクトレンズ、おそらく両目に装着した分が落ちている筈です。コンタクトが勝手に落ちる可能性……無くは無いですが、限りなく低いかなと。外部から圧力を受け、その場へ倒れ込んだ際に外れた……至ってシンプルじゃないでしょうか?」
「えっと、はるき……もしかして」
「……はい。それがプロデューサーさんの手に握られた『ベルト』のせいじゃないかと。『腰に巻く』用途以外にも人を倒れさせる方法は幾つも思いつきます。さっき、私が聴いたルカちゃんの『近寄るな』……これは落としたコンタクト以外の理由に加え……プロデューサーさんが更に追撃を与えようとしていた──そう考えます」
ふぅ、と一息ついたはるきは、ソファーの周りをゆっくりと歩き始める。
「……はるきの仮説通りにルカのコンタクトが外れたとしよう。ただ、実際に外れた時間まではわからないだろう? つまり俺が事務所に到着する以前からルカのコンタクトが外れていた……そこから何かの拍子に涙を流した……可能性もある。それを証明出来なければ、到着したばかりの俺への嫌疑は不十分だと思うぞ」
続けて、プロデューサーは事務所に通じる階段の前に監視カメラがある、それを確かめれば自分が事務所に到着した時間の証明になる、と説明を付け加えた。
「えっと……それについては簡単、というか──素朴な質問なんですが」
足を止めたはるきはプロデューサーに向き直って、携帯を取り出した。
「画面も見えない状態で……ツイスタなんて投稿しますかねぇ~?」
「そ、それは……」
「ツイスタが更新された時間から逆算して、私が目撃するまでの数分間、ルカちゃん以外に事務所にいたのは……只一人……プロデューサーさんだけですよね」
「の……乗っ取られたという可能性も……」
「ふふっ。流行りの言い訳ですねぇ~。でも、だったらこの投稿内容……何を示唆しているんでしょう」
「…………くッ」
「仮に、俺とルカが付き合っていて別れ話から凶行に発展した……勿論否定するが……どうしてそんなことを事務所で……?」
「事の全容は二人の問題なので……分かりかねます。ただ……私の中で、ある程度察するというか」
「察する……?」
ルカは、はるきへと尖った口調を向ける
「ベルトは『腰に巻く』──だけじゃないです。さっきから、しきりにルカちゃんが首を気にする様子……そういうことかな~って」
「…………はァ!? するかよ、こんなトコで!」
「そ、そうだぞ……そんな首輪プレイは流石に……」
「そ、そこまで否定されると現実味が……あっ、もしかすると……そういう事に……」
急に焦った様子のはるきに、プロデューサーとルカはお互いに目を合わせる。
「ご、ごめんなさい! その……ふ、二人が楽しんでたなら……私は別に……」
「「…………は?」」
~~~~~
「遅れてごめんね。はるきちゃんにルカちゃん。プロデューサーも……皆、元気無さそう」
ソファーにもたれた三人の姿を目にした羽那は疑問顔を浮かべる。
「おう、羽那……ちょっと色々あってさ」
「あ、羽那ちゃん……お疲れ様~。電車動いたんだねぇ~」
「うん。強風で止まっちゃって……あっ、ルカちゃん……目薬持ってたよね?」
「ん……まぁ」
「ここに向かってる途中、目に砂が入っちゃったの。貸してくれたら嬉しいなーっ」
羽那の発言を受けた二人は揃って肩を落とした。
「あはっ。どうしたのーっ?」
良いセンスだ…